見出し画像

人生の振り返り〜書道と水泳人生①編〜

前回までのお話はこちら↓

これまでの人生まとめはこちら↓



小学校3年生の春。
水戸市内の公立小学校へ転校した。

住まいは団地にある一軒家。周りには何にもない。
自転車で5分の距離にコンビニが一軒。もう少し走らせるとスーパーカスミがあった。
#コンビニは後に潰れてコインランドリーに

何でもない毎日が過ぎていったんだろう。
小学校での記憶はあまりない。
宿泊学習でクラスの子を泣かせてしまって、担任の先生にくっそ怒鳴られたくらい。
#問題児
#あの時はごめんね

習い事は相変わらずのスイミングと、新しく書道を始めることになった。
まずは書道の話からしよう。


書道を通じた世界との一体感


祖父が看板屋だったということもあり、字と絵が上手だったとずっと聞かされていた。
だからお前はその血を引いてるんだと。なるほど。俺は字と絵が上手なのか。
暗示みたいなもんだ。本当に上手くなっていったんだから。

最初はとにかく自分の字が嫌いだった。今でもたまにそう感じる。
それくらいコンプレックスだった。字が上手い人への憧れだ。

字ってその人の人柄を表すと思っていて。
自分と向き合ったり、自分を育てたり。書道はそんな時間だった。
#箸の持ち方には育ち方が表れるそうです

毎週土曜の午後。
団地の公民館を貸し切り書道教室が開かれていた。

先生は70歳くらいのおばあちゃんでとても優しかった。
というか字が上手すぎて引いた。

ひたすらその先生の字に近づけるように
毎週毎週ひたすら筆を握り続けた。
でも最後まで先生の字には辿り着けなかった。
#全集中

一般的に初心者は弾力のある茶色の穂。上級者になると柔らかい毛質の白色へ
出典元:広島筆産業株式会社HP


書道の世界って色んな流派や会派があるらしく、どこかも覚えていないけど、
毎月昇段試験なるテストが行われていた。

団地の同級生や先輩も通っていたその教室で、僕はメキメキと頭角を表し、
同級生内で最速の10段を達成。その後準特待生、特待生へと進んだ。
#祖父の血がすごい
#努力です

子供の部が終わり、そして一般大人の部へと移っていく。
また10級からのスタートだ。絶望。あれ、なんかに似てるぞ。
#超魔界村

祖父の血を引いてるとはいえ、流石に一般の部となると飛び級とかそういうのはやっていないらしく、毎月一つずつ昇級していった。そして段の世界へ。

しかしここからが厄介だ。昇段試験を受けるのにはお金がかかるというのだ。
しかも段と段の間に準という位があるではないか。準初段→初段→準2段→2段といった具合だ。加えて、楷書以外に行書や草書も練習することとなった。
#草書はあまりワクワクしなかった

出典:東京書道教育会コラム

確か5段の先に師範とか教範というランクがあった。なるほど、師範になったら書道教室が開けるのか。でも毎回昇段試験でお金を払って、しかも1つずつしかランクが上がっていかないといけないのか。そんな現実に嫌気がさしてしまう。最終的には準2段あたりで書道教室は退会することとなった。資格なんかに縛られたくないぜ、俺は。
#多分言いたいだけ
#結局金かよと思った
#小4から中3まで6年続けた

僕の価値観に「全集中」というのがあって。
これはおそらく書道で磨かれたんだと思う。

半紙と対峙しているその時間はまさに精神と時の部屋だ。何かに集中するときの感覚はすべてこの書道体験がベースにある。筆の先に全神経が注がれている間、あたりは静寂に包まれ、まるで時が止まっている感覚。世界との一体感。自分が世界を100%コントロールしている状態ともいえる。
そう思ったらなかなかの特技だぜ。
#もっと頑張れ

対外的な話でいうと、字が上手いとよく褒められる。字が上手いとすこぶる印象がいい。加点されるイメージだ。書道をやっていて字が上手いと褒められた人なら分かってくれるはず。
ちなみに他人に対しては減点方式ではなく、加点方式をおすすめしたい。

そういえば、新卒入社した会社ではよく宛名を書かされたな。ご祝儀やご香典の類だ。
役に立って良かった。
#宛名のご用命はいつでもどうぞ


こんなことを書いていたら、字に対する学習欲が湧いてきてしまった。字に関してはまだまだ発展途上だし、毛筆なんて普段しないんだから、ペン字をもっと上達させていきたい所存。練習帳買ってちゃんと練習しよう。

美文字に憧れるわ〜私も美文字目指したいわ〜という人はカタダマチコ氏の字を参考にすると良いと思う。凡人のカリスマ。名前かっこ良すぎだろ。
ちなみに僕の好きな字はShunpu氏のそれ。惚れ惚れする。
#刮目せよ


水泳で初めての挫折


新しいスイミングスクールの候補はいくつかあった。紹介だったのか、通いやすさなのか忘れたけど、割とすぐに決まった。インターハイやジュニアオリンピック出場選手もいるほど規模の大きな選手コースで、僕は最年少の部類だった。

歳の離れた環境で育ってきたこともあり、メンバーとはすぐに打ち解け、みんなに弟のように可愛がってもらえた。周りは中3〜高校、大学、社会人までいて、僕にとっては学校以上に学校だった。そんな環境で「相手の懐に入る」という得意を磨き続けた。

学校ではちょっと問題児だけど、ここなら認めてくれる。死ぬほど未熟で、わがままだし、知ったかぶりはするし、妙に大人びたり、ツッコミどころ満載だったけど、本当にみんな可愛がってくれた。そんな人間関係の方が水泳よりも僕には価値があった。

練習は以前にも増してハードになり、コーチにも怒られながら必死に食らいついていった。
遅いとビート板が飛んできたり、パドル(水かきのような練習器具)で殴られることさえあった。
手を抜いたりするとコーチは見抜いてるんだよな。怒られると速く泳げるもん。なんだ、まだ余力あるじゃん俺って。そうやってちょっとずつ限界突破していくんだ。
競走馬にジョッキーが鞭を打つ。それと一緒だ。
ちなみにそんな指導法が正しいとは全く思っていない。


土日は二部練だから、朝の練習が終わると、みんなでサイゼリヤに行ってお昼ご飯を食べに行くのがルーティンだった。
注文するのは専らミラノ風ドリアorたらこソースシシリー風、ときどきガーリックフォッカチオ。もちろんドリンクバーもプラスで。


そんな思い出のサイゼリヤ。今でも家族でよく行くレストランだ。
今後も全力で応援したい。
#必ず頼むのは青豆の温サラダ


食後はまたスイミングに戻ってリラックスタイム。
ストレッチをしたり、音楽を聴いたり、午後の練習開始までの至福のひと時だ。
#当時はウォークマン全盛期
#音楽の話は別の機会に

そして小学5年生の春。

ジュニアオリンピック10歳以下の部、50メートル自由形。当時の派遣標準記録は30秒7とか8だったと記憶している。

11歳の誕生日前最後の大会に向けて、ひたすら最後の追い込みをかけていた。面倒という感情なんてまだ知らず、ただただ水泳に打ち込む毎日。

しかし、結果は標準記録をほんの10分の1秒単位で破れず。

僕のジュニアオリンピックへの道はこうして途絶えた。

11歳以降も挑戦すれば良いじゃんって話だけど、体も小さい僕にとっては10歳以下の部でチャンスを逃すと、さらに厳しい戦いになることを分かっていた。
#初めての挫折

今振り返ると、水泳に対するモチベーションなんてなくて、目的意識もなくとにかく毎日練習に通っていた。そりゃ大して上達しないよな。学校ではもてはやされても、ちょっと外に出れば上には上がいるわけで。

当時はそんな考えすら及ばなくて、試合後はよく分からない虚無感だった。
それからモチベーションというものを意識し始める。
今なら分かる。モチベーションに依存するな。目的意識は大事だ。


そんな矢先コーチから一言
「水泳連盟からの推薦で国際大会出れるらしいぞ」


ふぇぇぇ?マジ?



初の海外と価値観のルーツ


小学5年生で初の海外、台湾。
海外に対する認識もなければ興味もなかったけど、なんだかワクワクした。未知との遭遇的な。

でも親には反対された。旅費もかかるし、コーチも付き添えないし、添乗する大人はみんな知らないコーチだ。選手たちもみんな初めまして。当然親としては心配だろう。
でも僕の中では行く気満々だった。

事前にコーチに根回しして、なんとか親を説得してもらって実現したと思うと、我ながらなかなかの策士っぷりだ。付帯条件としては、コーチが自宅から成田空港まで車で送迎することだった。
コーチはなかなかの車好きで、送迎車はホンダの2ドア、デジタルパネルだった。子供ながらにかっこいいと思った。

約1週間の滞在だった。事前に現地入りして合同練習→2or3日間の大会→観光だ。
#まさかの台北じゃなくて高尾

ちなみに水泳大会の記憶はほぼない。当時の、試合会場で選手たちと戯れている写真を見返して思い出す程度だ。覚えているのは泳いだことでもなく、街の風景でもない。僕の記憶には必ず人がいた。

特に印象的なのは、ホテルの部屋でみんなで遊んだことと、みんなでバイキング、そして最終日前夜の打ち上げパーティーだ。

まさに有頂天(苦笑)

50人以上が集うそのパーティーで、TEAM JAPANみんなでアジアの純真を歌った。
僕はサングラスをかけて、チームリーダーの如く歌って踊っていた。後悔はしてない。
当時のメンバーは誰1人として今連絡取ってないけど、なんかごめん(笑)
一番年下だったんだから許して。
#黒歴史
#お前は何しに行ったんや


姉や従兄弟との絆。水泳を通じて育んだ人間関係構築力。親密という僕の価値観のルーツはここにあった。


この記事が参加している募集

#この経験に学べ

54,052件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?