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写真は未来の自分へのラブレターなのかもしれない

本の概要

「ラストレター」は岩井俊二による小説で、亡き姉・未咲の代わりに同窓会に出席した裕里が初恋の相手・鏡史郎と再会するところから始まります。二つの世代の恋愛を瑞々しく描くこの物語は、過去と現在が交錯し、人々の記憶や感情の繋がりを描いた作品です。

私の考察

「ラストレター」を読んで感じたことは、過去との対話がいかに重要かということです。自分探しの旅はどこか遠くに行くことだけではなく、過去の記憶や出会い、そして亡くなった人々との関係を通じて行うものでもあります。たとえその人が亡くなっていても、私たちの記憶の中で生き続け、その人との日々を思い出すことでさまざまな教えや洞察を与えてくれます。

過去の出来事や人々との対話を通じて、新たな自己発見や成長が生まれるのです。この小説は、過去の記憶や関係性を大切にすることが、現在の自分を豊かにし、未来へと繋がる力を持つことを教えてくれます。岩井俊二監督が手紙という形で描いたこの物語は、私たちにとって深い感情的な共鳴を呼び起こすものでした。

人は、日々成長して、どんどん変わっていくけど、それは過去の経験や出会いによって成長するから、自分は過去の延長だということに変わりはない。
だから、いつだって自分の過去は、自分を成長させてくれる。
大切なのは、過去のいい思い出も、悪い思い出も、大切にすること。
大丈夫。生きてるんだから、生かされてるんだから。

そうか、だから僕は写真が、カメラが好きなんだ。
自分が何かを思った瞬間、感じた瞬間を残して、未来の自分へ届ける。
「大丈夫、大丈夫だよ」
そういうラブレターなのかもしれない。

過去と向き合い、記憶の中の人々との対話を大切にすることで、自己発見と成長を促すことができるというメッセージを、この小説から強く感じました。

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