山本昌寛(山本マサヤ)

心理戦略コンサルタント/CEO/MENSA/日本大学大学院修了 修士(人間科学) 📕『…

山本昌寛(山本マサヤ)

心理戦略コンサルタント/CEO/MENSA/日本大学大学院修了 修士(人間科学) 📕『秒速で人を操る心理話術』   📕『トップ2%の天才が使っている「人を操る」最強の心理術』 ↑ビジネス書グランプリ2020ノミネート 韓国語&中国語版発売中&第二版発売中

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人生の困難と向き合うこと:『そして僕は途方に暮れる』とヴィクトール・フランクルの教え

https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B0CBB2N3K9/ref=atv_dp_share_cu_r 最近、『そして僕は途方に暮れる』という映画を観ました。この映画の主人公が困難に立ち向かう姿勢や、その結果生じる変化に感銘を受けました。特に、主人公が困難から逃げ続けた結果、最終的に向き合うことを決意する部分に強く心を動かされました。しかし、この決意が必ずしも幸福をもたらすわけではないという点も重要です。 映画の終盤、主人公は困

    • 安楽死と森鴎外

      『高瀬舟』を通じて、「足るを知る」ことの大切さや安楽死の善悪について深く考えることができました。この物語は、人間の生き方や価値観について再評価するきっかけを与えてくれます。 物質的な豊かさよりも心の豊かさを追求し、他人への思いやりを持つことが、豊かな人生を送る鍵となるでしょう。森鴎外のメッセージは、現代においても非常に重要であり、私たちの生活に多くの示唆を与えてくれます。 高瀬舟の概要 『高瀬舟』は、江戸時代を舞台にした短編小説で、死刑囚を高瀬舟で護送する役人とその囚人の

      • 写真は未来の自分へのラブレターなのかもしれない

        本の概要 「ラストレター」は岩井俊二による小説で、亡き姉・未咲の代わりに同窓会に出席した裕里が初恋の相手・鏡史郎と再会するところから始まります。二つの世代の恋愛を瑞々しく描くこの物語は、過去と現在が交錯し、人々の記憶や感情の繋がりを描いた作品です。 私の考察 「ラストレター」を読んで感じたことは、過去との対話がいかに重要かということです。自分探しの旅はどこか遠くに行くことだけではなく、過去の記憶や出会い、そして亡くなった人々との関係を通じて行うものでもあります。たとえそ

        • コンビニ人間のバッドエンドとハッピーエンド

          本の概要 『コンビニ人間』は村田沙耶香による2016年の芥川賞受賞作で、コンビニエンスストアで18年間働き続ける主人公、古倉恵子を通じて社会の「普通」に適応しようとする姿を描いた物語です。 考察 『コンビニ人間』を通じて感じたことは、現代社会における多様性と「普通」に対する矛盾です。社会は多様性を尊重し、多様な生き方を認めると謳っていますが、実際には「普通」であることが強く求められています。 この矛盾は、主人公の古倉恵子の生き方を通じて浮き彫りにされています。彼女は3

        人生の困難と向き合うこと:『そして僕は途方に暮れる』とヴィクトール・フランクルの教え

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        記事

          2024年版 メンタルウェルネスの高め方

          2024年におけるメンタルウェルネスの基本 そもそも、メンタルウェルネスとは? メンタルウェルネスとは、心の健康や精神的な幸福を指します。これは、日常生活で感じる満足感やストレスへの対処能力に大きく関わっています。心の健康が良好であると、ストレスの多い状況でも冷静に対応し、生活の質を高めることができます。 メンタルウェルネスの6つの要素 心理学者キャロル・リフによる研究に基づき、メンタルウェルネスには以下の6つの重要な要素が含まれます: 1. 自律性 説明:他人の

          2024年版 メンタルウェルネスの高め方

          「呪術廻戦の反転術式」と嫌なことを忘れる: 負の感情を正に転じる心理学的アプローチ

          人気アニメ『呪術廻戦』に登場する「反転術式」は、負のエネルギーを正のエネルギーに転換する技法です。 これはフィクションの世界の話ですが、実生活でもネガティブな感情をうまく活用する方法があるとしたらどうでしょう? 今回は、「嫌なことを忘れる」ための心理学的なアプローチとして、ネガティブな感情をあえてぶつけることで心のバランスを取り戻す方法について探ってみたいと思います。 ネガティブな感情を正に転じるアプローチ カタルシス理論 カタルシス理論は、感情を抑えずに表現すること

          「呪術廻戦の反転術式」と嫌なことを忘れる: 負の感情を正に転じる心理学的アプローチ

          【錯覚の心理学】この宣伝文句を考えた人の意図を知りたい

          消費者が製品のラベルを見て誤解を招くことは珍しくありません。特に、製品の特徴を強調するための言葉が密接に配置されている場合、その誤解はさらに深まることがあります。たとえば、あるマウスウォッシュのラベルに「殺菌力」と「No.1」という言葉が並んでいるとします。この配置から、「殺菌力がNo.1」というメッセージを受け取ってしまうのはなぜでしょうか? よく見ると、「殺菌力」と「No1」は別のことを言っています。 近接性の原理 この現象を説明する鍵となるのは、ゲシュタルト心理学の

          【錯覚の心理学】この宣伝文句を考えた人の意図を知りたい

          NetflixやChocoZAPがもたらす豊かさと貧しさ

          現代社会では、NetflixやChocozapのようなサブスクリプションサービスが私たちの生活を一変させ、手軽に多彩なエンターテイメントやリラクゼーションを提供しています。 これらのサービスは、個々の好みに合わせた柔軟な選択と経済的なアクセスを実現し、文化的なコンテンツへの豊富なアクセスを通じて教養を深める機会も提供しています。 しかし、心理学者バリー・シュワルツが指摘する「選択のパラドックス」を考慮すると、選択肢が増えることは必ずしも幸福につながるわけではありません。多く

          NetflixやChocoZAPがもたらす豊かさと貧しさ

          エナジードリンクが与える錯覚 「疲労軽減」と「疲労感軽減」

          エナジードリンクの広告と消費者心理 テレビCMなどで見るエナジードリンクの広告は、活動的なシーンとともに疲労回復のイメージを強く打ち出しています。ここで活用されるのは、古典的条件付けと感情的アピールの心理学的戦略です。エナジードリンクが「エネルギーの源」として描かれることにより、消費者に対して直接的な効果があるとの期待感を植え付けます。この戦略は、視聴者の即時満足の欲求を刺激し、製品に対するポジティブな感情的結びつきを促進します。 さらに、社会的証明の原理も効果的に用いら

          エナジードリンクが与える錯覚 「疲労軽減」と「疲労感軽減」

          ○○歩きで脳が鍛えられる

          皆さん、散歩は好きですか?普段は前を向いて歩いていると思いますが、たまには後ろ向きで歩いてみるのはどうでしょうか? このブログでは、後ろ向き歩行がどのようにして私たちの脳に良い影響を与えるのかを、わかりやすくお話しします。 脳に良い理由 後ろ向きで歩くことは、ちょっと変わった運動かもしれませんが、私たちの脳にとても良い効果があるんです。なぜかというと、普段使わない脳の部分を使うことで、脳が活性化されるからです。脳は新しいことに挑戦すると、もっと頑張ろうとするんですよ。

          ○○歩きで脳が鍛えられる

          Z世代は豊かだからちょっぴり不幸なのかもしれないという研究

          最近、ギャラップとウォルトン・ファミリー・ファウンデーションが実施した調査から、Z世代が前の世代と比べて苦労していることが明らかになりました。この研究は、12歳から26歳のアメリカ人2,000人以上に焦点を当て、彼らの生活、価値観、そして未来に対する見通しを深く掘り下げています。 調査結果の一つとして、Z世代の幸福度は年齢が上がるにつれて低下する傾向にあることが示されました。特に、18歳から26歳の成人期に入ると、この傾向は顕著になります。これは、以前の世代と比較して、Z世

          Z世代は豊かだからちょっぴり不幸なのかもしれないという研究

          心理学の「共感能力」についてもっと理解を深める

          私たちが日々の生活の中で築く人間関係は、幸福感や充実感を得るために不可欠なものです。その基盤となるのが「共感」――他者の感情や考えを理解し、共感する能力です。共感は、感情的共感と認知的共感の二つの形態を持ち、それぞれが人間関係において重要な役割を果たします。 感情的共感:心と心をつなぐ 感情的共感は、他人の感情を自分のものとして感じることができる能力です。友人が悲しんでいるとき、その悲しみを共有し、自分も悲しみを感じることができる――これが感情的共感の例です。この種の

          心理学の「共感能力」についてもっと理解を深める

          「東京都同情塔」の考察 (※読み返しながら追記していく)

          『東京都同情塔』は、九段理江による中編小説で、第170回芥川龍之介賞を受賞しました。この作品は、ザハ・ハディド設計の国立競技場が完成し、寛容論が浸透したもう一つの日本を舞台にしています。 「ホモ・ミゼラビリスト」 犯罪者の中には、本人の積極的な意思で犯罪を犯した訳ではなく、社会や家庭環境の影響で、犯罪を犯さざるを得なかった人達もいる。 例えば、万引きを行ったのは、何かを盗もうという悪意からではなく、万引きをするしか生きていけない環境の人達も確かに存在している。 そういう「

          「東京都同情塔」の考察 (※読み返しながら追記していく)

          「困難を与えられない人は不幸」 ストア派哲学者セネカより

          人生において、私たちが直面する困難や不幸は、しばしば避けがたいものです。しかし、これらの挑戦は私たちを成長させ、内面を豊かにする機会を与えてくれます。ストア派の哲学者セネカはその著書『神の摂理について』で、不幸や困難を乗り越えることの価値について深い洞察を提供しています。セネカはある意味で、困難を与えられない人は不幸だと述べています。 「なぜなら、神がその人は困難を乗り越えられないと見放したからだ」と。 この考えは、私たちが直面する試練が実は私たちの能力の証であり、乗り越

          「困難を与えられない人は不幸」 ストア派哲学者セネカより

          匂いと記憶の不思議な関係 コーヒーの香りから紡ぐ懐かしさ

          私たちの日常は、五感を通じて世界を体験することで豊かになります。中でも、「匂い」は、過去の記憶や感情を呼び起こす強力な力を持っています。匂いによって、忘れかけていた遠い記憶が蘇ることがありますが、これはなぜでしょうか? 自分は、コーヒーの香りを嗅ぐと、祖父が吸っていたSeven Starのタバコのことを思い出して、祖父に教わったチャンバラのことを思い出す。 時代劇が好きだった祖父は、東映太秦映画村で買ってきた木刀を使って、どうやって刀を腰に差すのかを教えてくれた。 このブ

          匂いと記憶の不思議な関係 コーヒーの香りから紡ぐ懐かしさ

          セネカの「怒りについて」

          あなたは怒りという感情とどう向き合っていますか?時には、怒りが心の中で炎のように燃え上がり、後で後悔するようなことをしてしまうこともありますよね。でも、心配無用。古代ローマの賢人セネカが、その怒りという感情とどう上手に付き合うかについて、素晴らしいアドバイスを遺してくれています。 セネカは、怒りを「一時的な狂気」と表現し、これがどれほど人を不合理な行動へと駆り立てるかを詳細に語っています。だけど、彼はただ怒りの悪を語るだけでなく、それとどう向き合えばいいのか、実用的なアドバ

          セネカの「怒りについて」