自己組織化する学校

学校が自己組織化する #2 オンライン教育をはじめたきっかけ

大学院生をやっていた5年間に中高一貫の私立学校で数学を教え、大学院を中退後、予備校講師になった私は、その頃から数えると、教育にかかわるようになって24年になります。

教育にかかわるようになった最初の頃は、自分が教わった経験を元にして、授業をしていました。分かりやすく教えるということに意識が向いていました。

予備校講師になると、「分かりやすい教え方」が自分の商品になるので、どれだけ分かりやすく、面白く説明できるか。どれだけ効率よく受験で高得点を取れるか。という受験生のニーズに応えるのが重要だと思い、ひたすら自分の教え方を磨いていきました。

でも、教える範囲は決まっているし、入試問題も、そんなには変わらないので、教え方の改善は5年ほどで行きついてしまった感がありました。

それで、2004年に、予備校講師を続けながら、「物理ネット予備校(フィズヨビ)」というオンライン予備校を、妻と二人で始めました。

たとえ話と微積分で物理を分かりやすく教える「田原の物理」というものをネット配信すると、高校生だけでなく、社会人の方も多数受講してくれるようになり、受講生がどんどん増えていきました。

phys-comというプラットフォームを開発し、動画講義とQ&Aとが関連付けられるようにし、さらに、田原式解答を受講者が自分で作成してアップして、お互いに貢献し合える仕組みを作りました。

授業改善が完了してしまってエネルギーを持て余していた私は、オンライン予備校を始めたことで、新たな挑戦の場を見つけ、7年たったころには、400人ほどが、フィズヨビで学んでくれていました。

しかし、2011年に起こった311をきっかけに、自分がやってきたことに対する根本的な疑問が生まれてしまったのです。

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