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2024.03.24

遠くへ旅をすることが好きだ、と気づいたのはここ最近のこと。多くのひとが言うような現地のことを知ったり、その土地にしかないものに触れる(のも好きだが)こと以上に新幹線や飛行機に乗るのが好きなのである。

しばらく忘れていたが、小学生のころは、新幹線に乗りたいがために遠くへ旅行に連れて行ってもらっていたほどだ。

これを人に話すと意味がわからないと訝しげな顔をされるが、東北新幹線の車内チャイムが大好きでYouTubeで東北新幹線の車内放送をラジオのようにかけ続けるときがある。東京から仙台までのはやぶさの車内放送をかけると帰省の気分を味わえるのでまたいい。

首都圏に住んでいるので、出張にしても旅行にしても、関西方面に行くこともあれば、地元の東北方面に行くこともある。

大人になってから乗るようになったことも大いに影響しているが、仕事に行くぞと気持ちが入るのは東海道新幹線。一方、旅に出るワクワク感や車窓が楽しみになるのは東北新幹線(富士山が見える東海道新幹線じゃないんかい!というツッコミは甘んじて受け止める)の方。

東海道新幹線は、慣れ親しんだ東北新幹線に比べるとシンプルなつくり。車内チャイムも、比較的すぐ終わる。視覚的に新幹線が白ベースに青ラインのN700AかN700Sしかないということも影響しているかもしれない。いろいろ見たくなるというよりは、新大阪までの2時間半を仕事に集中するスイッチが入る。

一方、東北新幹線は緑色ベースのE5系、赤色のE6系、大宮駅までは北陸・上越新幹線に向かうE7・W7系など、東京駅のホームで視覚的に楽しむ要素がたくさんある。そして、東北新幹線の車内チャイムの優雅さは旅に出るときの楽しみな気持ちを助長してくれる。最近気づいたことだが、東北新幹線の座席は総じてどの車両も良い。(東海道新幹線の青くてビジネス感のある座席も好きだけど)東北新幹線は普通車の座席もふかふかしたヘッドレストがついていて、背もたれの高さも少し高いような気がした。

それからなんといっても、東北新幹線が楽しいのは座席の前の荷物入れに入っているフリーペーパー『トランヴェール』の存在が、自分を旅へと誘ってくれる感がある。トランヴェールには、巻頭にだいたい東北や北陸にゆかりのある文化人がエッセイを寄稿しているのだが、東北新幹線に乗ると毎回呼んでしまう。この1年ほどは岩手県釜石市出身の作家・柚月裕子さんが毎月エッセイを書いているようで。

先日、出張で仙台に行ったときに車内で読んだ3月号のエッセイが素晴らしくて、上野から読み始めて大宮に着くまでに泣きそうになってしまった。まだまだ旅はここからであることを忘れそうになっていた。

幼い頃、親や祖父母が隣でトランヴェールを読んでいる姿にこれを読んで何が面白いのかと思っていたが、この歳になって、気づけばそれが面白く旅の風情を一層味わい深いものにしてくれるように思えてきた。

ここ数年は、飛行機に乗るのも好きだ。なんといっても離陸するときの飛行機が全速力で滑走する瞬間が好きだ。これもイマイチ誰にも理解してもらえない。

離陸前の客室のドアが閉まるときも、これから非日常を味わいに行くことの楽しみが込み上げてきてよい。滑走路に行くまでのゆっくり走ってるとき、横の小さな窓から空港に並ぶほかの飛行機を眺める時間も好きだ。

つらつらと書いたが、移動の時間がたまらなく好きなのである。

と、ここ最近、遠方に出張へ行くことが多かったので思い出したことを綴った。

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