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夢見モグラは空を待ち侘びて 34日目

モグラは小さな部屋に連れて行かれ、
薄っぺらな平たい椅子に座るように促された。
大きなモジャモジャの髭と長いクルクルの髪の毛、
二人組が目の前に立って、
モグラにたくさんの質問をした。
何処からきたのか、
なんと言う名前なのか、
お父さんは?お母さんは?
モグラはそれに一生懸命答えたが、
腕を組んで、首を傾げながら、
うーんうーんと、
二人はとても困った顔をしていた。

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インタビューの話。

インタビュー終わり、たいがいハードな自己嫌悪モードになる。
自分がその瞬間に思いついた出来事、情報があったとして、
それを最適解の文章にして即答出来る割合はせいぜい3割。
プロ野球選手の打率と考えれば優秀に聴こえるがもしれないが、
言葉は自分にとって商売道具。それでは困る。
インタビューという質問攻めの中で、
ただ、聞かれたことに答えればいい、というのはちょっと違う。
(あ、今要らんこと言ったわ)
(あ、今それ言わないほうがかっこよかったわ)
時折”答えない”ということが正解になるようなトラップみたいな質問さえある(その場合はうまくはぐらかすが正解)。
過不足なく、正しく魅力を伝えないことには、
せっかく作りあげたものも浮かばれないのである。

思考の、とりわけ言語を司る部分の、
瞬発力、反射神経みたいなもの。
司会者、お笑い芸人さんや、ラジオパーソナリティの方々もそう、
会話の中で瞬時に最適な言葉の選択ができて、
それを正しく、面白く、進行していくというのは、
とても技術が必要だし、素晴らしい才能だなあと思う。

今日の場合はメンバー全員でインタビューだったのだけれど、
4倍疲れる時もあるし、4分の1で済む場合もある(テーマによる)。
自分の脳みその情報処理速度との戦い。
ただ座って人とおおよそ1時間(魂使って)会話するだけで、
グッタリするくらい疲れるからビックリする。
帰宅して一旦仮眠(すぴー)して今、この文章を書いている。

嗚呼、なんて楽ちんなんだろう。ストレスフリー。

その点文章を書く、
ということは”言い訳”が得意な自分にとっては、だいぶ安心感がある。言い訳し放題、自由だ(うおー)。
頭の中を整理して、
順序立てて文字に起こすことができるし、
納得いくまで悩むこともできる。
噛んだら気まずいけど、誤字しても書き直せばいいだけ。
時間をかけて推敲することによって、文章をより魅力的にすることができる。
素敵な文章、その方が楽しいし、嬉しいし、美しい。


前段で、散々インタビューのウンチク垂れ流しておきながら、
結果的に文章を仕上げるのは相手側、
その相手にとって素敵な時間を一緒に過ごす、
自分との会話を楽しんでもらうことが、
素敵な記事が出来上がる1番のコツであり真理のような気がします(皆さんもその機会がある時は頭の片隅にぜひ)。
まあ今、それを思い出したよね、というところ。
それではまた明日。

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本日の表紙はuriko_vさんの写真を使用させていただいております。


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