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それぞれの思いが複雑に相互作用し世界を変えていく、戦闘叙事詩

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『チェンジ ザ ワールド』という長編小説を配信しております。配信予定日時としては、月, 火, 木, 日曜日にお昼12:00を予定しております。 この小説を描こうと思った動機は、…
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#祖父との思い出

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 16

「おジィはなんで狙撃兵になったの?」 「周りが下手でな、気がついたら狙撃手になっておった…

新田将貴
2年前

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 15

「おジィは、生き残ったんだね、その戦いで」 「ああ、お父さんとお母さんがくれたこの身体は…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 14

「インパールで指揮をとった男にとって、個人的な思い入れのある作戦だったんじゃ、インパール…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 13

おジィがなんで、こんな話をし始めたのか、掴めなかった。でも強烈な物語を聞いてしまった気が…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 12

インパールとは、いったいどこにあるのだ。進めど進めど山岳のジャングルを抜けること適わぬ。…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 11

戦車隊の砲撃はしばらく続いた。わたしと日野上等兵は、比較的大きな木の陰に身を潜めて、頭を…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 10

経の文句の間に、数字を刻む。数え歌のように、数字を刻む。遊底を起こし、装填し、引き金を絞り、ひとつ。再び遊底を起こし、装填し……、ふたつ。その間に、英兵が二人倒れる。みっつ、三人倒れる。鉄製のヘルメットを弾丸が貫通する。 射程一キロ以内ならば、頭部だけに狙いをつける。腹ならば、勇敢な兵士は反撃をしてくる。死に損ないの流れ弾で仲間を傷つけさせるわけにはいかない。よっつ、いつつ。五発の装填が可能な九九式ならば、五人が立て続けに、即死する。速射砲が止まった大砲に畳み掛けるが、分厚

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 08

「食いたかった」日野上等兵がしみじみと漏らす。補給が叶わないがことが分っていたインパール…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 07

「三十三師団の至宝、戦車止めの松下曹長を間近で見られ、感激しております」日野上等兵が声を…

新田将貴
2年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 06

日野上等兵の肩を揺すったが、身体からは温かみが消えていた。アカシアの木にもたれたその姿勢…

新田将貴
2年前
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