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それぞれの思いが複雑に相互作用し世界を変えていく、戦闘叙事詩

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『チェンジ ザ ワールド』という長編小説を配信しております。配信予定日時としては、月, 火, 木, 日曜日にお昼12:00を予定しております。 この小説を描こうと思った動機は、…
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#第二次世界大戦

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 20

僕は、復学した。別に学校へ行かないと将来が大変だという危機感が湧いたわけではない。自分の…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 19

彼はそう繰り返しながら、決してその先を歌わなかった。単に歌詞が浮かばなかっただけかもしれ…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 18

夕食までまだ少し時間があったので、僕も自分の部屋に引っ込んだ。おジィも僕も少し疲れたのか…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 17

「うん」 「熱くなるじゃろう?」 「うん」 「あれの究極が戦争じゃ。熱くなる。血が沸き立…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 16

「おジィはなんで狙撃兵になったの?」 「周りが下手でな、気がついたら狙撃手になっておった…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 16

「おジィはなんで狙撃兵になったの?」 「周りが下手でな、気がついたら狙撃手になっておった…

新田将貴
3年前

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 15

「おジィは、生き残ったんだね、その戦いで」 「ああ、お父さんとお母さんがくれたこの身体は、赤痢にもマラリアにも耐えた。数え切れないほど飛び交った銃弾は、なぜかわしを逸れた。不思議なもんじゃな」 とんでもない人生を生きてきたんだ、おジィは。口が悪くて豪快な老人だということはいっしょに住んでいてよく知っていたけど……、今聞いた物語とはとても重ならない。日本にはまだこういう老人がたくさんいるんだろうな。 「結局司令官の男は不起訴処分で釈放じゃ。無罪というわけじゃ。実刑を食らっ

第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 14

「インパールで指揮をとった男にとって、個人的な思い入れのある作戦だったんじゃ、インパール…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 13

おジィがなんで、こんな話をし始めたのか、掴めなかった。でも強烈な物語を聞いてしまった気が…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 09

待ち伏せをしていた山砲兵連隊が、速射砲で先制攻撃をしかけた。こんな険しい山岳に英国軍は巨…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 08

「食いたかった」日野上等兵がしみじみと漏らす。補給が叶わないがことが分っていたインパール…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 07

「三十三師団の至宝、戦車止めの松下曹長を間近で見られ、感激しております」日野上等兵が声を…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 06

日野上等兵の肩を揺すったが、身体からは温かみが消えていた。アカシアの木にもたれたその姿勢…

新田将貴
3年前
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第1章 ヨウとおジィ 昔ばなし 05

「おジィ。僕は西脇みたいな人間があんま好きじゃねーんだ。それで、ああいう人間に命令されて、はいはいということをきいていることが、きついんだ。なんとなくやり過ごすことが、きつい。でも中学校へはいかないといけないと思うし、そうやって悩みだすと、苦しくて、生きていけない。困ってしまっているんだ」 「ヨウ、さっきの生ける屍教師のいうことを聞くことと、お前があの男に魂までくれてやるのは、訳が違うぞ。そういうふうに考えて、中学校へ行くことができねえもんか?」 「うん、そうなんだけど…