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【本紹介】 『「会議ファシリテーション」の基本がイチから身につく本』 釘山健一さん

概要

なぜ会議で決めたことが実行に移されないのか?それは会議で参加者が「納得」していないから。本書では、会議を通じて参加者が納得し結論を実行に移してもらうための方法として、今までの会議とまったく異なる「合意形成型会議」を提案し、そのための具体的な方法として「会議ファシリテーション」を紹介していきます。


「会議ファシリテーション」という考え方

「会議」というと何が思い浮かびますか?

「うちの会社の会議は無駄に長い」「会議をやっても意味がない」「会議ではああいう風に決まったけど、現場は現場で動いていこう」

そんな声が聞こえてきそうです。せっかく会議を開いて決めたことが、実行に移されない。そんな経験ありませんか?

なぜそうなってしまうのでしょうか?それは会議の結論に全員が納得していないからです。会議において重要なのは「結論を出すこと」ではありません。結論に対して参加者が「納得すること」です。

そこで必要となるのが「合意形成型会議」です。本書では合意形成型会議における進行役をファシリテーター、進行に必要な技術をファシリテーションと呼んでいます。会議の目的が「参加者に納得してもらう」ことに変わると、今までの会議とは全く異なる技術が必要となってきます。

今までの議長は「意見を整理すること」が仕事でした。しかし、ファシリテータの仕事は「みんなの意見を引き出すこと」です。そのためには、自由に意見を言える雰囲気を作り出すことも、必要なスキル(ファシリテーション)の一つとなってきます。

本書ではファシリテーションの導入によって以下5つの効果があると述べています。

1. 発言が活発に出るようになる
2. 決めたことを実行するようになる
3. 能力を最大限発揮できるようになる
4. 発言力の弱い人でも意見が言える
5. 自分の組織に誇りを持てるようになる

それではファシリテーションの具体的技術について見ていきましょう。


ファシリテーション技術の基本

1. 会議を楽しい雰囲気にする

「それでは会議を始めます」と言うと、一気に緊張が走りませんか?こうした学級会のような緊張した雰囲気では自由に意見が言えるわけがありませんし、結論にも参加者が納得がいくことも少ないでしょう。会議は楽しい雰囲気で行うべきです。なんでもそうですが、楽しんでやることは主体感を持って実行できますし、結果にも結びつきます。

会議を楽しい雰囲気にするための具体的な方法として以下の手法が提案されています。

・ものを工夫する(お菓子の出し方、資料の出し方、会議グッズの用意...)
・仕掛けを工夫する(会場の工夫、近況報告する...)

※詳細は本書で確認できます。具体例があるので非常にためになりました。


2. 集まった全員の意見を平等に尊重する

「会議といっても一部の人が発言するだけだから...」となってしまうと、結論に納得は得られません。発言回数や時間に偏りを持たせない工夫が必要です。普段発言しない人物が発言すると全員が発言内容に注目し、好循環が生まれるでしょう。


3. 進行役はでしゃばらない

「テキパキと議論を仕切っていくのが進行役の務めである」というのはこれまでの会議のやり方でした。ファシリテーターは率先して意見を整理しません。ファシリテーターは、ある程度意見が出てくると「みなさん今出た意見を整理するとどうなりますか?」と言う問いを投げかて、参加者に意見の整理を依頼します。人は元来謎解きが好きなので、意見の整理という謎解きをきっかけに発言も促進され、その結果参加者に主体性が生まれます。


4. いい意見よりたくさんの意見を伺う

今までの会議ではいい意見だけを出して、いい意見の中から結論を選ぶことが正しいとされていました。ファシリテーションでは、たくさんの意見を出すことが大事になってきます。たくさんの意見を出す、つまり声に出すことで参加者の主体性が生まれ、導き出された結論に納得ができるようになります。

また、意見を引き出す際に進行役が投げかけるべき問いかけは

「みなさんご意見ありますか」

ではなく

「できるだけたくさんの意見を書き出してください」

であり、参加者にA4白紙に意見を書き出してもらった後、各参加者に発表いただくことで、意見を平等にたくさん引き出すことができるのです。


具体的なファシリテーション方法の紹介

続きは本書をお読みください...



著者

釘山健一(くぎやまけんいち)

学習方法の開発に情熱を燃やし続けた熱血教員時代。ベンチャー企業の営業部長として猛烈に働いた営業マン時代。その後、環境NPOスタッフとして数多くの「協働事業」に関わり、2005年には「愛・地球博」におけるEXPOエコマネー事業の事務局長となる。この3つのキャリアの中で培ってきた会議の仕方について独自のノウハウを確立し、2006年4月「会議ファシリテーター普及協会(MFA)」を立ち上げる。著書「もっとすごい!非常識な会議」ソフトバンククリエイティブ、「会議ファシリテーションの基本がイチから身に付く本」「誰でもスイスイ60分以上講演できるコツ」すばる舎
(Amazonより引用)

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