
シェアハウス事業も、コーヒー事業も同じ。すぐ近くにある幸せを届けたい、ただそれだけ。
「なんでシェアハウス事業と、コーヒーサブスク事業っていう全く別事業をはじめたの?」
自分は今、「絆家」というブランドの体験型コンセプトシェアハウス事業と、「ものがたり珈琲」という小説とコーヒーのサブスク事業の大きく2つの柱で代表をしている。
シェアハウス事業は今年で11年目になるけど、ちょうど1年半に突然新しい夢ができ「コーヒーサブスク事業をはじめる!」と言い出したので、周りからは「シェアハウス事業からなんでコーヒー事業をやることになったの?」と今でもよく聞かれる。
でも自分の中では2つの事業の先に届けたいものはどちらも変わらない。
今日は改めて自分の人生の起点を振り返る上でも、その「なぜ」というところに向き合ってみたいと思ってこれを書くことにした。

幸せってそんなに特別なもの?
意識するしないに関わらず、大なり小なりみんな「より幸せになるため」に日々生きているんじゃないかと思う。僕も昔からそんな風に思ってた。
でも幸せってそんな努力して勝ち取るものでも、崇高なものでもない。普段の暮らしの中に、実は意識しないと気づかない幸せっていっぱいある。
そのこっそり隠れてる幸せに触れる機会を日常の中でひとつでも増やしていきたい。そう思ったらやりたいことが自然と自分の大好きなこの2つだった。
シェアハウスは、暮らしそのものだし、コーヒーは飲む人にとっては毎日の暮らしに根ざす気分転換のきっかけになる。
共同生活の中では、自分が意識しなくても毎日たくさんの優しさに触れられるし、ありがとうを伝えるきっかけも自然と増える。
ごめんねって素直な気持ちで勇気を持って相手と繋がろうとする自分にも出会えるかもしれない。
自分一人では勇気がでないことも、すぐ近くで葛藤しながらも頑張ってる人がいたら、自分もチャレンジしてみようって思えるかもしれない。

コーヒーで言うと、その他のソフトドリンクと違って、気分転換したいって時に飲む、少しだけ特別な飲み物だと自分は思っている。
だから、そこに特定の意志を持たせることができれば、ただの眠気覚ましの一杯ではなく、本当は大切にしたかった時間と向き合うきっかけになれると思った。
「喜びを分かち合いたい時に」
「その気持ちが恋だと気付いた時に」
「大切な人と語りたい夜に」
「自分を少し愛したい時に」
たかがコーヒーだけど、その意志を持った一杯によって、身近な人とつながり直す時間や、自分の気持ちをもっと大切にするきっかけが増えるんじゃないかと思った。

意識しなければ、ただ同じ毎日が繰り返されていくかもしれない。でも、ふと立ち止まればいつだって側には小さな幸せがいっぱいあったんだ。そんな気づきがあふれる毎日を届けたい。
2つの事業をしている理由はそこにある。
でも一番は、それが自分に届けたい時間だったから。
25歳の頃、会社員とイベントカフェと週7で復業で働き、常に次のイベントのこと、未来ばっかり見てた。今すである幸せに気づく暇がないというより、立ち止まること自体に焦りを感じてた。
コーヒーは文字通り、ただの眠気覚ましで、胃がキリキリしながらもビタミン剤とコーヒーを一緒に飲んでた覚えがある。
たしかに、イベントは毎回100人もの人が遊びに来てくれ、時に1000人規模まで大きくなったし、その後に繋がるたくさんの素敵な出会いを生んでるのは確かだった。
でも、規模や影響力が大きくなるに連れ、自分がすごく幸せになっていったかっていうとそうではなかった。
「まだまだ足りない」
って自分への声が気づかないうちにいつも不足感を生んでたと思う。
だから、独立しようと思った時、毎回不特定多数の誰かに向けるイベントを仕事にするのは辞めて、特定の誰かと関係を深めていけるシェアハウスを仕事にしたいと思って起業した。
そうしたら、いつもの気の知れた仲間と毎日ただ笑っていられることが幸せでしかたなかった。
もちろん、乗り越えるべき課題はいつもいっぱいあるけど、共同生活の中ではそれ以上に幸せを感じられる時間を自然と増やしてくれる。

ものがたり珈琲も、そんな25歳〜29歳の忙しない毎日の自分に向けている。
日々、浮かんでは消える感情の波を何もなかった風に受け流していた頃の自分。
未来を見続けて動き続けるのもいいけど、たまには立ち止まってみなよ。
一つ一つの湧き上がってくる感情をじっくり味わってみようよ。
イベントに参加した人の楽しそうな笑顔見てめっちゃ嬉しかったでしょ。
参加者が全然集まらなくてすごい悔しかったんでしょ。
何をやっても応援してくれる母と父に感謝を伝えたかったんでしょ。
イベントで仲良くなった友達1人1人ともっと丁寧に繋がりたかったんでしょ。
でも、これといったきっかけもなくて、丁寧に味わう暇もなくて、
毎日毎日がそのまま未来に向けて過ぎ去って行っちゃったんだよね。
だから、毎日必ず飲むコーヒーに、ふと立ち止まらせてくれる大義名分を乗せて届けたかった。
きっと大好きなコーヒーが言ってくれたら、その通りにしようって思えるかもしれないから。
たかがコーヒーだけど、その一杯に明確な意思を持たせることができたら、“今”を味わうきっかけを求めてる人に大切な時間を届けられるかもしれない。
昔の自分みたいに、遠い未来やまだ出逢ってもいない誰かに、その幸せをお預けしておくことはない。
ほんとは毎日気づかれずにこっそりと側にいた、余白を楽しむ豊かな時間や大切な人とゆっくりと過ごす時間。
立ち止まれば、いつだって周りには小さな幸せはいっぱいあるはずだから。

そんな思いで、今はシェアハウスとコーヒーの体験をしてくれてるみんなが1つでも身近な幸せを見つけてくれることを願って運営をしている。
そして、とても嬉しいことに今はその想いを一緒に広げようとしてくれる大好きな仲間ができた。
そんな中で自分ができる一番大切な役割は、発起人としてその想いを伝え続けること。
だから、今日はちょっと長くなったけど、改めて自分の想いをまとめてみることにしました。
これからも絆家シェアハウスとものがたり珈琲がそれを必要とする人に届きますように。

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