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非エンジニアにアドテクノロジー業界のProduct Managerは務まるのか?という話

このnoteのキッカケ

この募集を公開してからありがたいことに、何度か面談という形でGMOアドマーケティングのProduct Managerについてお話させていただく機会があるのですが、そこでこんなご質問をいただくことが多くなりました。

- Product Managerになるには、プログラムがわかる必要があるのですか?
- エンジニアではないのですが、Product Managerになれますか?

結論から言うと非エンジニアでもProduct Managerは十分に務まる!という回答になるのですが、自分がそう考える理由や、自分が理想としているProduct Manager像についてお話できればと思います。

自己紹介

自分はGMOアドマーケティングで自社開発のアドネットワーク「AkaNe」とDSP「ReeMo」のProduct Managerをしています。

自己紹介

2017年に新卒としてGMOアドマーケティングに入社して現在5年目で、新卒配属時から一貫して「AkaNe」と「ReeMo」のProduct Managementを行う部署に配属され、Product Managerとしてのキャリアを歩んできたつもりです。

大学の学部は文系でしたが、テクノロジーには存分に興味がありました。でも本格的なプログラムやアドテクノロジーの仕組みを知っていたわけではありませんでした。

そんな自分がいまこうして、駆け出しではあるもののProduct Managerをやれているということが「非エンジニアでもProduct Managerは十分に務まる!」という裏付けになれればなと思っています。

GMOアドマーケティングでのProduct Managerの定義について

Product Managerの定義/役割に関しては組織による違いが多いと思うので、まずGMOアドマーケティングのProduct Managerとは?を定義しなければならないのですが、これがチョットムズカシイ。

自分自身もProduct Managerとは何をすべきなのか?と考えていたときに出会った本には以下のように書かれていました。

プロダクトマネージャーには2種類の仕事がある。プロダクトを育てることと、ステークホルダーをまとめプロダクトチームを率いることである。

世の中には近い職種としてProject ManagerProduct Ownerなるものがあるそうですが、GMOアドマーケティングのProduct Managerは、狭義のProduct ManagerではなくProject Managerを内包したものになるのかな?と考えています。

※以下の段落からは、他の「PM」と区別するためにProduct Managerを「PdM」と表現します。

GMOアドマーケティングでのProduct Managerの役割

かなり勿体ぶってしまいましたが、自分がGMOアドマーケティングのPdMとして行っている業務内容はこんな感じです。

- プロダクトで実現したい未来をメンバーに共感してもらえるように、そして会社の中期計画として経営陣に提示する
- 売上を上げるためにどこを改善すれば良いのかを決め、指標化(KPI化)する
 (あたりまえですが、理想の追求に加えて利益を出すことももちろん重要!)
- 競合優位性を生むために、プロダクトのどこを強化するのかを決める
- 具体的な機能を定義して、開発内容(仕様)を決める
- 社内外の「課題」をキャッチアップして、プロダクトを改善する
- 営業アプローチするお客様や、アプローチの方法を決める。ときには自分で営業したり、Expo等のイベントでセールスピッチを行ったり。
- セールスが自信を持ってプロダクトをお客様に提案できるよう、販促支援を行う(媒体資料や活用事例の提供など)
- プロダクトに関する「困った」を解決する最後の砦になる

こうやって書き出してみると、決める改善する解決するというキーワードが浮かんできます。

GMOアドマーケティングのProduct Managerに求められるスキルは?

面談の際に、大抵の方がここで「エンジニアではないのですが、Product Managerになれますか?」という疑問に行き着くと感じています。
先述のとおり、GMOアドマーケティングのPdMの業務では決める改善する解決するというワードがポイントになってきます。
今回は「非エンジニアにアドテクノロジー業界のProduct Managerは務まるのか?」というテーマからズレないよう、あえてセールス軸は外し開発軸のスキルに絞ってお話します。

まずGMOアドマーケティングのPdMはプロダクトに関する意思決定を行うことが求められます。そこには定量的な調査能力や、最低限の開発の知識が必要になってきます。
定量的な調査には、数TB/日貯まり続ける広告配信のビッグデータを処理するためにSQLの知識が必要ですし、広告配信の仕組みを要件定義するにはインターネットプロトコルの基礎的理解や、サーバサイドで行っている処理、そしていま目にしているWebページが表示される仕組みの基本を知らないと意思決定ができません。
間違っても、エンジニアに「デス・スターを作ってよ」と実現性皆無なお願いをしないように心がける必要があります。

そして次に、改善する解決することが求められます。つまり、問題把握能力と実行力です。例えば「広告の成果計測がうまくできない」という問題に直面した場合に、どこのシステム/設定に問題があるのかをクリアにしたり、またプロダクトの売上に対する課題を最も早く検知して対応を考えるのも、GMOアドマーケティングのPdMの役割です。ここはスキルというより経験と感覚に頼る部分も大きいかもしれませんが、PdMはその経験が最も積み重なっているポジションでもあります。

PMの仕事

ただ、安心してほしい部分がすべてをPdMが行う必要は無いということです。
開発メンバーに対して調査をもとに仮説をぶつけることはしますが、詳細な検証を行い実装まで行ってくれるメンバーがいます。
売上やお客様が抱える課題に関しても、解決方法が決まればカスタマーサクセス担当者(GMOアドマーケティングではセールス部門が担当)が適切なアクションを、よりお客様に近い立ち位置で実行してくれます。
言い換えれば、PdMひとりの力だけではプロダクトを育てられないということでもあります。

どこの会社にも、PdMより深く専門的に業務を遂行できるメンバーがいるとは限りませんが、少なくともGMOアドマーケティングには、各部署にPdMとは違う役割を持った優秀なメンバーが揃っています。
そのためすべてを1から100までできる必要はないですが、GMOアドマーケティングのPdMにはどんな課題でもまずキャッチできるスキルがあると価値を発揮しやすいと考えています。

非エンジニアの自分がどうやってスキルを習得したのか?

間違いなく言えるのは、技術的な知識なしにPdMとしての業務遂行は困難だということです。ただ自分もかつては見習いPdMのひとりでした。
広告配信の仕組みについては、新卒研修の※OJTをはじめとし、社内メンバーからもお客様からもたくさんの知識をいただきました。
SQLやJavaScriptや、各システムの仕様把握などチョット技術的な部分は課金もしましたが、基本はバディ(メンター)の大先輩からの指導や業務を通して身につけました。

(※)OJTとは、オン・ザ・ジョブ・トレーニング(On-the-Job Trainingの略。具体的な仕事を通して、仕事に必要な知識・技術・技能などを学ぶ育成活動を指します。 

そして自分がGMOインターネットグループを好きな理由の1つの「困った時には早めに相談しよう。相談されたら、わかることは一言でも教えよう。」という社訓の1節による部分が大きいと感じています。
自分はGMOアドマーケティングの社内に限らず、グループ各社のパートナーにたくさんのことを教わってきました。事業領域が広く、またハイパーエンジニア組織のパートナーと一緒に仕事ができる環境があることも要因だと思います。知識を隠さず教えあえる組織風土がPdMとしてのスキル向上につながったと感じています。

そのため、非エンジニアとしてPdMのキャリアをスタートさせるにあたり、育成環境や社風はそのキャリアを左右させる大きな要因となり得ると考えています。

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Product Managerにとって重要な素質(私見)

「色々出てきたけれど、最後にGMOアドマーケティングのPdMにとって最も必要な素質って何?」という部分を、3つにまとめさせていただきます。重要なことなので先に書きますが、ここに開発知識は含まれていません。

1. 「どうプロダクトを育てていくか」という明確なビジョンを持つことができる
2. 「プロダクトに関することは、最終的にすべて自分の責任である」という意思を持つことができる
3. 勉強&勉強&勉強

例えば、自分が愛を込めて育てている「ReeMo」というプロダクトではCookie(3rd Party Cookie)が使えなくなった世界においても、広告主様/メディア様に適切な収益をもたらすことができるプラットフォームになるというビジョンをおいて、日々開発/セールス活動を行っています。

ReeMoが提供する価値(トリミング)

このビジョンがあいまいになってくると、それぞれの機能で良いものを提供したとしても全体の軸がブレブレになり誰にも必要とされないプロダクトになってしまいます。そして誰よりもプロダクトを育てることに愛を持って欲しいなと考えています。プロダクトは我が子同然です。

※26歳独身/過去にアドネットワークの「AkaNe」を擬人化しようと計画しましたが、経営陣の反対によりあえなく却下されました。
グループ会社であるGMOインターネットが提供するVPS「ConoHa」には「美雲このは」という擬人化キャラクター(応援団長?)がいます。うらやましい。

そして次に「プロダクトに関することは、最終的にすべて自分の責任である」という意思を持つということです。提供した機能がお客様の課題を解決できていない/セールスが進まず売上が未達...... いずれもどこかで意思決定を行ったのはPdMであり、その責任はPdMにあると自分は考えています。
幸いにも「責任=クビになる」ということはありませんが、2度同じ過ちを侵さないたとえ自分の業務範囲が増えてもカバーすることが求められると感じています。目標未達の際に最も反省すべきはPdMであるべきだと考えています。

最後にお伝えしたいのは、勉強することが好きという姿勢です。
これだとちょっとカタいですが、変化の激しいインターネット広告、とりわけアドテクノロジー業界に対応でき、その変化を楽しめるか?がポイントだと考えています。自分が入社した2017年4月の段階では、ほとんどの人がアドテクノロジーの中核技術であるCookieがなくなることは想定していませんでした。

そして、新しいアイデアや技術によって広告配信技術はどんどん進化しています。そうした波に乗るには、テクノロジーに関わることや、アップデートされるお客様のビジネスを常に学んでいく必要があると考えています。技術を理解し、そしてビジネスがわかってこそプロダクトのビジョンを描くことができると考えています。

最後の段落は完全に私見ですが、こういう考えに共感してくれる方と一緒にPdMをしていきたいな!と考えています。「PdMとは」のような大層な話をしてしまいましたが、自分もまだまだ駆け出しであり、スキルも手数も十分とは言えません。だからこそGMOアドマーケティングのアドテクノロジープロダクトにおいてPdMはひとりでなくても良いと思っていますし、同じビジョンを持つ仲間と働ける機会を楽しみにしています。


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