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ほとけさまのおしえ「譲るということ」

 お正月が終わり、日常が帰ってきました。

 いつも伺う「定食屋」さんも、この時間になるといつものように空席が目立ち、ゆったりとした時間が流れております。

 今年のお正月は福袋を買い求めた話をしましたが、売り切れで手に入れられなかったり、手に入れられたりしたものもあります。

 昔は初売りで福袋を「奪うように」買い求める光景がありました。

 最後一つの福袋を二人で引っ張り合うような光景も見られたとか。

 今は事前に抽選するところも多くなりましたが、やはり抽選に外れると「悔しい思い」をします。

 でも福袋を手に入れなくても、それは数日もすれば忘れてしまうものです。

 そして手に入れても「絶対に買わないな~」と思うようなもので、部屋が賑やかしくなるのを鬱陶しく思うこともあるでしょう。

 「個人売買」で売ればいいと考える方もいますが、結局は大量に出回るので、それほど儲かるわけではないようです。

 そして、そういうことにお正月の貴重な「お休みの時間」を相当使っておられる方も多いのではないでしょうか?

 仏教では「無財の七施」の中に、「床座施」(しょうざせ)が説かれております。

 これは自分から「席や場所を譲りましょう」と教えられたものです。

 これは一見すると自分が損をしてでも、人に与えましょうという意味に捉えられがちです。

 でも実は手に入れることによって「煩わしさや手間やそれにかかる時間」も一緒に手に入れてしまうのです。

 それを手放すことで、執着を減らし、「余分な苦労や時間」を浪費しない。

 他人に施すことで、同時にそういう「ほとけさまの智慧」を手に入れる事ができるのです。


☆今日の一句☆

 手放して
    手にするおしえ
          生きる智慧

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