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仏教に学ぶ生き方、考え方「百年」

 今年は関東大震災から「百年」ということでテレビで特集されておりました。

 最近は映像の「カラー化、鮮明化」ができるそうで、百年前の記録映像でも鮮明に観ることができました。

 息づかいや表情もうかがい知ることができる映像を見ながら、ふと思ったことがあります。

 それはここに映る人たちは大震災を生き延びたとしても、今まで誰ひとり命を長らえている人はいないということです。

 「タレガ百年丿形體ヲタモタンヤ」と御書にも記されているように、百年生きる人はまだまだ少なく、またその百年「変わらず過ごす」などということもあり得ません。

 同様に今人生を謳歌している私たちも、あと百年後にはほとんどが死して極楽に往生しているわけです。

 毎日を過ごしているとそういう「大きなスパン」での時の流れを忘れてしまいます。

 そして私たちはまさか自分が「老いて病気になり死にゆく」などということを考えもしなくなるのです。

 この世に生まれた以上、誰も逃れることができない「四苦」をしっかりと向き合って見つめていく。

 「百年後」を思い描きながら、今を捉えていく視点は大切なのではないかと思うのです。


☆今日の一句☆

 災難を
   逃れ続けて
       幾百年

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