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憧れの"一人飲み”と老後の私🍶

稲垣えみ子さんの『一人飲みで生きていく』という本を読みました。


著者の稲垣えみ子さんは、朝日新聞で記者をされていて50歳で早期退職、超・節電生活をしているアフロ頭のフリージャーナリストさんです。

アフロが可愛い💕


アフロ頭のインパクトはもちろん、社員時代はバブル時代も経験されて贅沢三昧されていたようなのですが、311震災を機に節電生活に目覚め、そこから今度は冷蔵庫を処分するほどの過激(?)な節電生活&ミニマリストに全振りするようなダイナミックな方です。
同じように、311がキッカケで「今までのライフスタイルや生き方」を見直された方は多いと思いますが(私もです)なんというか、アフロえみ子さん、色々と振り幅大きすぎて真似できない面白さ。

以前読んだ、こちらの本↓も面白かったし、

これまでも密かに「一人飲み」に憧れていた私としては、

これは読むしかないでしょ🍺
ぜひ読みたーい🍶

と、すぐに手に取りました。


まずは、えみ子さんが一人飲みにチャレンジしていく様子から。
最初のうちはなかなかうまくいかず、失敗の原因が何だったのか?
一人反省会をしながら、仮説と検証。
そしてめげずにまた新しいお店にチャレンジして行くえみ子さんです。

ニンゲン諦めずにやり続ければいつか「できる日」が来る。
(中略)もちろん「できる日」が来る前に寿命が尽きることもあろうが、その時はなんせ死んじゃってるんだから気にすることはない。

座右の銘は「やればできる」だそうです。↑大好き😆

そんな、えみ子さんの「一人飲みPDCA」の様子を読者も一緒に体験できるのですね。
ありがたい。


えみ子さんの目標は「男はつらいよ」の寅さんみたいに、ふらっと入ったお店で、そこにたまたま居合わせた人たちとふんわりと会話を始め、心を掴み、楽しい時間を過ごしていくこと。


そして数々のチャレンジの過程で得た『一人飲みの極意』を紹介してくださっているのですが、その極意がだんだん人生訓みたいになってくるのが面白い😅

生き残るには勝つこと!
特に世の中がしんどくなってくると、ますます勝たねば頑張らねばと必死になった。
  (中略)
そんなんだから、初めての居酒屋(=誰も競争なんてしてない場所)で、自分はこんなにスゴい人間なんだぜと威張って見せたのだ。アホである。何に勝とうとしていたのか。勝ってどうする気だったのか。
  (中略)
そんなことをしなくたって幸せになれる方法があるのだとしたら?
戦わなくても、強がらなくても、周りに自然に受けれてもらえる方法があるのだとしたら?

居酒屋で何かと戦おうとしていたえみ子さん。

これ、ひとごとだから思わず笑いながら読んじゃうんですけど、実際、ファミレスとかチェーンのコーヒーショップなどでは一人で大丈夫でも、いわゆる普通の飲み屋さん(それも初めてのお店!)に一人で突撃していくのって勇気いりますよねー。

そりゃー、必要以上に気負う気持ち、お店の人やまわりの人たちに舐められてはいけないという気持ちもわかる気がします。


でも、それでは全然楽しい「一人飲み」にはならないと。

そして様々な失敗経験(?)を経て、一人飲みの極意を身につけていくえみ子さんはついに、

一人飲みを制する者は老後を制する


のではないか?という境地に達します。


私も、この本を読みながら、

「これって一人飲みに限らず、人生において言えることなのでは??」

と、思っていたので、ですよね❗まさに❗という感じでした。



さて我が身を振り返りますと。

私も一人で飲みに行ったことはないような気がするんですが、今思うと

「おまえ、一人でよくそこに行ったな…」

と思うエピソードがあります。

それは大学進学で上京した18歳の時。

新宿の某ホテル上階にある和食料理店(まあまあお高いところ)に一人で会席料理を食べに行ったことがあるんです。


なんでそんなことをしたかというと、受験の時に母とそのホテルに泊まったんですが、その時に食べた会席料理に「松茸の土瓶蒸し」が出てきたんですけどね、生まれて初めて食べた「松茸の土瓶蒸し」に感動しすぎた私は、

「こんな美味しいものが世の中に!!
上京したら、絶対もう一回来よう💕」


と、強く決意したのです。


で、実際リベンジを果たして満足したわけですが、そんな会席料理を出すようなお店って、高校出たばっかりの10代の女の子が一人で食べに行くようなとこじゃないじゃないですか😅


入り口で年配の仲居さんが、

「…え? あの…お一人ですか??」


と、すんごい訝しげな顔で聞いてきたのを覚えています。


そして当然、会席料理なのでうやうやしく順番にお料理が運ばれてくるわけですが、終始、

「一体なんなの、この娘…」

という雰囲気ではありました💦


でも、その時は「まわりからどう思われるか」より、とにかく、

「土瓶蒸し食べたい」(←ストレートすぎる欲求)


という思いが強すぎて、まわりの視線は全く気にならなかったんですよねー。

完全に自分だけの世界でした🌟🌟


これはえみ子さんの目指す一人飲みの世界とは正反対。


一人飲み極意の一つに、

「間が持たなくなってもスマホをいじってはいけない」

と、あるように、自分から世界を閉ざしてはいけないのです。



一人懐石料理を楽しんでいた私は、

土瓶蒸ししか見えてない完全に一人だけの閉じた世界

にいましたが、えみ子さんの目指す一人飲みの世界は、

まわりの空気と同化していくような、世界(飲み屋にいる人たち)と一体化していく一人飲み

なんですよね。

世界と一体化するには「私はお金を持っている」とか「上場会社に勤めている」とか「こんな肩書きや経歴がある」とか、そういうものを全部取っ払って、一人のジブンとして、まわりの人たちにスーッと馴染み、世界を開いていくのが大事。


もちろん、閉じた世界で一人で飲みたいっていう時もあると思うんですけど、閉じるのも開くのも自分次第、気分次第でどっちもできるよっていうのがいいじゃないですか😊


そんな“まわりと同期していく”能力が、老後にもきっと役に立つだろうと。

それを読みながら、まさに私の母が「家の外のニンゲンはみんな敵! なめられたら終わる!」「私をバカにするなよ!」みたいなタイプだったので…今、老人ホームでさぞや苦労してるだろうなぁと思うのでした😅

反面教師…反面教師…。


そしてえみ子さんは、一人飲みを通じて、

「どんなお店でも自分次第で名店になる」

ということに気付くんですね。

大事なのは自分自身の「振る舞い」だ。客としての態度だ。自らの振る舞い次第で、どんな店も天国にも地獄にもなる。


このことも「まわりのニンゲンはみんな敵」という母と、まわりの人たちに世界を開いていた亡き父とが対照的でした。

どこに行っても母の横柄な態度が周りで介護してくれる人たちの気持ちを硬化させちゃうのに対して、世界を開いていた父はヘルパーさんたちから優しくされ、丁寧に介護してもらっていました。

客観的な印象で言うと、母がいた施設の方が「いいサービスが受けられそう」という雰囲気だったにもかかわらず、です。


その場所が天国になるか地獄になるかは自分次第。
怖いな…と思うと同時に、人生、修行しがいがあるな、とも思うのでした😊

楽しく生きたいです💕

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