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刻まれた言葉

 もう20年前になります。
 大学生だった私はラーメン屋でアルバイトをしていました。
 ただ、生活費を稼ぐためにやっていたので、それほど接客やサービス、調理を求められる以上にやろうとはしていませんでした。オーダーされたものを、提供しないでしまったこともありました。閉店間際に来た集団客がうるさくて雑な接客をしていて、お客様にお叱りを受けたこともあります。人間的に未熟だったと今考えれば反省しています。
 そんな中、ギャンブル好きな店長さんは、パチンコやスロットが当たっていると、店の事を自分に「任せた!」なんてこともあったわけです。一通り調理もできましたし、それほどお客様もたくさんいらっしゃらなかったので、何とか回りました。それがいいことなのかは何とも言えませんが(笑)
 ただ、その店長さんから教わったこと、一つだけ今も心に刻んでいる言葉があります。それは、雑な接客をしてお客様からお叱りを受けた時に言われた言葉です。
 「苦手だな、嫌だな、と思っている人ほど喋りなさい。」
大学生の自分には「何言ってるんだ?苦手な人と話したくないに決まってるじゃないか」と言われた時思っていました。
 しかし、今ならその言葉がすごく納得できます。仕事上、気が合いそうな人とばかり仕事できるわけじゃない。時には、信念や仕事との向き合い方が全く逆ベクトルの人だっています。そういう人にも、積極的に話しかけるようにしています。なかなか心を開かない自分からすると、初対面で楽しそうに話しているところを見かけたら、それは私にとって苦手な人かもしれません(そんなことはないけど)
 案外、話してみると、自分の先入観が間違っていたり、意外と共通点があることに気付けたりします。だからこそ、「苦手だな、嫌だな、と思っている人ほど喋りなさい。」という教えを大切に、今は年下の信頼できる後輩たちに自分が伝えていけたらいいなと思っています。
 

#大切にしている教え

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