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買った本・読んだ本 2021年4月

14か月ぶりのPET/CTで転移なしと分かって、とりあえずホッとひと息の4月(心配してくださった方、ありがとうございます)。ガンじゃないから私はもう知らない、次は一年後に会いに来てね、と腫瘍専門医。たらい回しが振り出しに戻る。この後どうするかはコロナのワクチン受けて落ち着いてからにしよう…元の脳神経外科医に会うか新しいのを見つけるか。今年も医療費が壮大に膨らんでいってます。

買った

Lucy Gayheart (Willa Cather)
Shadows of Rock (Willa Cather)

One of Ours (Willa Cather) - 以上3冊でたったの3ドル。Kindle版。
今昔(森田たま)- 古本取り寄せ、実家の母宛に送ってもらった。母が先に読んでる。
The Pear Field (Nana Ekvtimishvili) - 2021年国際ブッカー賞最終候補作品の中で気になったのを。Kindle版。
Kristin Lavransdatter I: The Wreath (Sigrid Undset) - 1928年にノーベル文学賞を受賞したシグリ・ウンセットによる3部作の1冊目。先にすべてを読了した良人が、すごく(泣くほど)感動したから感想を話し合いたい、ぜひ読んでくれと。しかし良人が持ってるお得な合本はペーパーバックなのに重すぎた(1145ページ、重さ1キロ超。写真左)。読書で手首傷めそう。

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Kindle版で読み始めたが、これも合本、まるで泥沼に落ちたようでとてもじゃないけど泳ぎきれそうにない。3%で止まって動かない私を見かねて良人が買ってくれた分冊版(写真右、お値段割高)。あるんじゃん、それ先に出してよ。ところが表紙が中世北欧舞台の少女漫画ふう、しかも題名『花の冠』。恥ずかしくて持ち歩けない感じ(ステイホームでよかった)。さて読むのかマサコ。

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読んだ・聴いた

Klara and the Sun (Kazuo Ishiguro)
針がとぶ(吉田篤弘)
In Order to Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom (Yeonmi Park) 🎧 
The Midnight Library (Matt Haig) 🎧
The 100-Year-Old Man Who Climbed Out  the Window and Disappeared (Jónas Jónasson) 🎧 
横しぐれ(丸谷才一)

Klara and the Sun (Kazuo Ishiguro)
購入したKindle版。邦題『クララとお日さま』。思ってたのといろいろ違った。「AIを搭載したロボットと、女の子との心温まる交流」という触込み。インターネットで日本版の可愛らしい表紙絵を先に見ちゃったので、小さな女の子の話だろうと私の頭が思い込んだ。出てきたのはティーネージャーだった。
Lifted vs Unlifted、遺伝子操作… A(rtificial)F(riend)の役割もよく分からない。イシグロさん説明してくれない。Klaraはベビーシッターでもないし家政婦でも看護婦でもない。Friend なのよね、おともだち…。
話は、周りをじっと観察するKlaraの視点で語られる。延々と続くどんなつまらない会話もKlaraは黙ってじっと聞く。私ならおともだちやめて店に帰ってるところだ。
最後には感動させてくれるのかと頑張って読んだけど期待とちがってた。残念也。Klaraの世界の見え方や太陽信仰は面白かった。
※すずきたけしさんのnoteに『クララとお日さま』装丁者インタビューへのリンクあり。記事によると、全世界同時発売であったために、作品を試し読みする機会もなくごく限られた情報に基づいてのデザインだったらしい。さもありなん。裏話がじつに興味深いタイムリーなインタビュー記事。

針がとぶ(吉田篤弘)
祝イースター。BCJのコンサート配信『マタイ受難曲』を見てたとき、ドイツ語なのに字幕が出ずついていけない。良人の本棚から適当に選んできた文庫読んだ。短編集、読みやすくてサクサク読了。コンサートよかった。

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In Order to Live: A North Korean Girl's Journey to Freedom (Yeonmi Park,  🎧 narrated by Eji Kim)
邦題『生きるための選択 少女は13歳のとき、脱北することを決意して川を渡った』。別記事にしました。

The Midnight Library (Matt Haig, 🎧 narrated by Carey Mulligan)
未邦訳?マット・ヘイグ作。図書館オーディオブック。衣替えとアイロン掛けとモップ掛けとレンジ掃除と散歩して聴き終えた。人生に行き詰まって自殺を図った主人公Nora、目が覚めたら図書館にいた。そこはあの世とこの世の境らしい。並んでいる本はすべてNoraの別の人生。あのときAを選ばずBを選んでいたらその後の人生どうなったか。次々に本(人生)を選んでやり直すのに、なかなかこれと見つからない。最終的に自分にとって一番大切なものは何か?を考え答えに行き着く…という話。ヒロインに用意された代替の人生がすべて女性だったのが面白いな、と。私だったら一度くらい男に生まれてみたいけど。そのへん融通が利かないのね。わが身を思って「さて自分なら何をやり直したいと思うか」「どの決断を変えたいか」余暇に考えてみるかな。


The 100-Year-Old Man Who Climbed Out  the Window and Disappeared (Jónas Jónasson, 
🎧 narrated by Steven Crossley)
邦題『窓から逃げた100歳老人』図書館オーディオブック。100歳以上の人をさすcentenarianという単語を知った。ひょうひょうとあちこち動き回るこの100歳、やたら元気だし強そう。そこでもう胡散臭い。若い頃は爆薬の専門家であちこち爆破して回ったというのに、爆音聞きすぎて耳が遠いとか、そういうのもない。この人ほんとに100歳か、と突っ込みながら物語を聴いた。100歳の現在と、生い立ちからの人生のイベントが交互に紡がれる。長いぞ話が。だって100歳。そこここで歴史上の人物と関わりがあったどころか、いちいちかなりの影響を与えたという…荒唐無稽なのは分かるがだんだん笑えなくなった。50%過ぎまで聴いたところで脱落。#DNF
もともとはスウェーデン語で書かれたのが英語に翻訳され、それを英語が母国語でない私が聴いてるのだから何か大切なエッセンスが抜け落ちたのかもしれない。邦訳版は、かの柳瀬尚紀氏が手掛けたらしい。そっちなら私も楽しめたかも。


横しぐれ(丸谷才一)
短編4作。表題作もよかったが特に気に入ったのは2編。
『だらだら坂』語り手が大学生の頃の出来事を思い出し語る。オチに唸った。
『初旅』ちょっと風変わりな記憶喪失もの。

「角帽をかぶってゐる左側の奴が話しかけて来ました。ワセリンで固めたきたない角帽で、どこの大学なのか、そのときのぼくは知らない徽章でしたけど。」
(『だらだら坂』より)

ワセリンで固めたきたない角帽!そういえば私の母(80過ぎ)が、自分の兄貴の学生帽について似たようなことを言っていた。当時の男子学生はそういうのが格好良いとかぶっていたらしい。気持ち悪くて7つ年下の母には理解できなかったと。伯父はとうに死んでこの世におらず、聞くこともかなわないの残念。昭和のバンカラが流行りの頃の話と思う。若い人にはこういう表現まったく通じんのだろうな、と思った。
ほかにも「ほいと」とか「おひきずり」とか、もう見かけない言葉の宝庫やね丸谷先生。

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