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買った本・読んだ本 2021年3月

再び「これはもう転移だろう」と言われて落ち込んだ3月。6年前の放射線腫瘍専門医に連絡とったり新しい腫瘍専門医に緊急の予約を入れたり、毎週なにか検査受けるか医者に会うかしてた。検査でぐったり、そして精神的に辛かった。そんな中で久々の買い物外出は本屋さん。幸せ度が上がって寿命が伸びたか知れん。これ以上本棚の積ん読を増やしてはならないと2冊で我慢した自分を褒めたい。

買った

Klara and the Sun (Kazuo Ishiguro)
イシグロさんの新作読みたくて図書館で借りようにも13週間待ち。忘れないようにKindle版をAmazonのリストに入れてたら、$5 offにしてやるから7日以内に買え、とメールが来た。放っていたらたびたび催促メール。結局、割引の期日にKindle版買った。$9.99也。私の読書人生Amazonに牛耳られている気がする。

Snow: A Novel (Orhan Pamuk)
ノーベル文学賞受賞したトルコの作家による。良人と訪れた古書店にて、フィクションのコーナーをアルファベット順に歩いていてふと見つけた。あー!8 Eightさんの記事にあった作家だ!この古書店ではペーパーバックは定価の1/4ということで$3.25。

A Birdwatcher's Cookbook (Erma J. Fisk)
1987年出版の古本。Pamukの本を持ってレジに向かう途中で目に止まった。野鳥観察家が紹介する料理レシピと可愛らしい挿絵が気に入って購入。


読んだ・聴いた

Disappearing Earth (Julia Phillips) 🎧
A Manual for Cleaning Women: Selected Stories (Lucia Berlin)
Where the Crawdads Sing (Delia Owens) 🎧
Is There a Doctor Here?: An Omnibus London Call-Out And Doctor in the House (Alex Rudd) 🎧
天に遊ぶ(吉村昭)
My Lovely Wife: A Novel (Samantha Downing) 🎧
84, Charing Cross Road (Helene Hanff) 🎧
再婚日記 私のうつ闘病日記(山本文緒)

Disappearing Earth (Julia Phillips, 🎧 narrated by Ilyana Kadushin) 
邦題『消失する惑星』。感想文書きました。

A Manual for Cleaning Women: Selected Stories (Lucia Berlin)
邦題『掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集』。何年か前、書店で見かけるたび手に取り買おっかなと思っては止めた本。私は短編集が苦手でよく失敗するので二の足踏んでいたが、今回図書館にKindle版の予約入れて順番待ってやっと読めた。短編が40もあるので全部は読みきれず7割がた進んだところで期限切れ強制返却(後に待ってる人がおり延長できず)。フィクションを交えた自叙伝なのだろう、自らの体験を元にしたと思われる同じ題材が繰り返され、途中で飛ばし読みしたのが2、3あったけれども。やっぱり紙の本買おう、と思うくらい好きな話がいくつもあった。この人のユーモアのセンス好き。悲しみもやるせなさも心に響く。手元に置いて、一つずつ堪能しながら何度も味わいたい。表題作のほか、Tiger Bites、Toda Luna、Todo Año、Friends、Unmanageable が印象に残った。
https://www.luciaberlin.com/

Where the Crawdads Sing (Delia Owens, 🎧 narrated by Cassandra Campbell) 
邦題『ザリガニの鳴くところ』。図書館のオーディオブック。話に引き込まれて聴いて終わったけれども、「え?」と小さな違和感のある出来事がいくつか累積していって最後に「なんだよそれ」と大きなクエスチョンマークになった。不思議な本であった。


Is There a Doctor Here?: An Omnibus London Call-Out And Doctor in the House (Alex Rudd, 
🎧 narrated by Frazer Blaxland) 
Chirpでお安く買った短縮版オーディオブック。イギリスの医療については無料だってこと以外知らなかったため、著者の匿名医師がユーモアを交えて綴る組織事情や内実に、色々驚いた。往診まであるんやね。しかしサービスを濫用する患者の多さ…アメリカみたいに高額すぎるのもいかんけど。海外旅行のアドバイス、アパートの契約更改、ふつう医者に聞く話ちゃうやろという相談事をふっかける患者たちのエピソードには吹き出した。


天に遊ぶ(吉村昭)

安定の吉村昭。原稿用紙十枚の短編を集めた一冊。薄いのですぐ読める。著者の歴史小説『ニコライ遭難』の取材裏話と思われる『サーベル』で大津事件犯人の津田三蔵の墓の描写が気になって検索。すぐに写真が見つかった。インターネットほんとに便利や。

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My Lovely Wife: A Novel (Samantha Downing, 
🎧 narrated by David Pittu) 
邦題『殺人記念日』。週末に黙々とドアのペンキ塗りしながら聴いた図書館オーディオブック。殺人が趣味の夫婦の話。宣伝文句は "Dexter meets Mr. and Mrs. Smith" とあるが違うと思う。デクスターには「正義を逃れた凶悪犯を征伐する」という大義があった(シーズン1しか見てないので話が変わってたらごめん)。この本の夫婦にはそれすらない。プロット穴だらけ「おかしかろ、それは」な結末。いやあ、ひどい話だった。ペンキはきれいに塗れたから良し。


84, Charing Cross Road (Helene Hanff, 
🎧 narrated by Barbara Caruso, & et al.)
邦題『チャリング・クロス街84番地』。図書館オーディオブック。薄い本なのだろう2時間で終わった。あんまり良い話だったのでもう1回繰り返して聴いた。これ本で読むのもいいだろうが、オーディオブックのナレーション陣が実によかった(とくにBarbara Caruso)。骨董本を専門に扱う小さなロンドンの古書店と、アメリカから本を買う脚本家女性との1940年代後半から20年にわたる往復書簡。古典文学と友情と親愛とユーモアが溢れてる。第二次世界大戦後、アメリカはすぐに立ち直ったがイギリスはかなり長く経済復興が進まなかった様子がうかがえて興味深い。この古書店はとうに無く、現在チャリング・クロス街84番地にはマクドナルドが建ってるのだとGoogleMapsが教えてくれた。せつなさに拍車がかかった。


再婚日記 私のうつ闘病日記(山本文緒)

数年前の日本滞在中、Kindle本のセールになってるのをいろいろ買い漁った中の一冊。山本文緒さんは今まで読んだことがなくこれが初めて。エッセイがよかったので小説も読んでみたいと思った。薬を少しでも減らしたいという焦りが痛いほど伝わり、共感できた。闘病中のご主人の献身ぶりに驚愕。うつ治ったようで良かった。


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