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日本は今も鎖国中?

子ども家庭庁設置法が2022/6/15成立しました。少子化や貧困対策など子ども関連施策を一元化して担う組織が2023年4月に誕生します。内閣府の外局として長官を置き、他省庁に勧告する権限を持ちます。
内閣府の2020年の国際意識調査では、『子供を産み育てやすい国だと思わない』と答えた割合が61%に達し、少子化対策が進むスウェーデンやフランス、ドイツを大きく上回ります。2020年のユニセフの報告書では、日本の子供の幸福度は30カ国中20位です。
2019年度の日本の子育て関連予算は9.6兆円、GDP比で約1.7%です。2017年時点でも1.6%で、OECD平均2.1%を下回り、スウェーデンの3.4%の半分です。 
 
政府は2022/6/14、2022年度版の男女共同参画白書を閣議決定しました。内閣府が2021年12月から2022年1月に20代から60代の2万人から回答を得た調査結果をまとめたもので、未婚や事実婚など人生や家族の姿が多様化したことを『もはや昭和ではない』と表現しました。様々な政策や制度が高度成長期のままだとも強調しました。 
30歳時点の未婚女性の割合は、1980年の11.3%から2020年に40.5%上昇、婚姻歴がない30代男女の4人に1人が結婚願望がないと回答しました。共働き世帯は1985年の718万世帯から2021年には1177万世帯に増え、専業主婦世帯は936万世帯から458万世帯に半減しました。
離婚件数は年間20万件で、『女性にとってもはや結婚は永久就職先ではなくなった』と記載し、『女性の経済的自立を可能にする環境整備が重要』と訴えました。 

なぜ日本は子供を育てづらい国なのでしょうか?私見の1つとして多くの規則、ルール、考え方が昭和に作られたまま変わってないということが挙げられると思います。今のインフラや法律等は多くが昭和の時代にできたものです。平成という期間が30年以上あったにも関わらず、昭和の法律に縛られていることがほとんどなのです。
法律やルール、インフラを新規で作る際には、当然ながらその当時の最新の事情を反映させます。その結果その時代においては適したものになります。しかしこれが時代が変わってもルールが変わらない状況では、逆にルールが足を引っ張る可能性の方が高いです。
私も父親のため子育てや育児をしていますが、学校や幼稚園の教材やルール、PTA等は昭和のままです。学校の先生と面談しに教室に行きますが、私が小学生だった30数年前と何ら変わっていません。教材も国語で言えば『スイミー』や『大きなかぶ』など私が子供の頃に読んでたものと一緒です。算数も計算ドリルを紙で書く、6Bの鉛筆を使うなど本当に変わっていません。学校からの連絡はようやくアプリを使うようになりましたが、2021年までは紙が主体でした。PTA活動もリアルで集まることが前提でしかも平日昼間と言う、ダブルインカムの家庭を全く無視した設定になっています。正直ここまで変わっていないものかと最初はびっくりしました。このことを日本政府は2022年度版の男女共同参画白書でようやく認めたということになります。失われた30年というよりは、日本は30年前の状態から変わっていなかっただけだったということが正しいのかもしれません。

この30年でもちろん世界は大きく変わりました。1990年にはパソコンもなく、Windowsも出ていませんでした。インターネット、携帯、スマホ、アプリ、メタバースは映画の中の出来事です。その世界において今の日本は、確かに世界NO.2の先進国かもしれません。本当に30年間鎖国をしたんだなあと実感しました。

私見として、学校は勉強も大事であるがむしろ人間関係、社会生活を学び育む場だと思います。正直勉強は今どこでもできます。オンライン、本、YouTube等勉強しようと思えばいくらでも環境はあるのです。わざわざ学校に行って先生に教えてもらう必要はないと思います。地理や歴史もGoogle先生がすべて教えてくれます。読み書きと足し算引き算ぐらいができれば、後はGoogle先生を使いこなせる方が大事ではないでしょうか。
私が重視するのは同じ年代の30人が一堂に会する教室という場です。この場だけはオンラインや本では提供できません。当然人間同士の話ですので喧嘩もしますし、嫌なヤツもいます。この中でどうやって自分が生き延びるべきか、それを学ぶのが一番大事だと思います。
また自分の考え方を持つのも大切だと思います。いろんな人と触れ合うことで、自分が大切にしてること、他人に譲れないことが形成されてくる場が学校だと思ってます。自分の考えがないといくらGoogle先生が膨大な知識を提供してくれたとしても活用ができません。自分のやりたいことを明確にした上で、それに必要な知識を探してくる、その上で様々に経験することが今後の世界を生きる上で重要なのではないでしょうか。 

先日娘の学校の先生と個別面談をしましたが、その先生は私の意見に賛同してくれました。ただし学校の先生である以上大きな声では言えないと言ってました。ここでも教育基本法、学習指導要領等昭和のルールが足かせになっています。昭和は良い時代だったと思います。ただ今は令和です。昭和ではありません。令和の世界を生き抜くために一番最適な事をルール化した方が良いのではないでしょうか。

では日本を変えるためにはどうしたらいいのでしょうか?答えは歴史にあると思います。江戸幕府は260年間鎖国をし続けましたが、その後明治維新によって開国し、諸外国を追いつけ追い抜けの精神で行ってきました。わずか50年の間で西洋列強に追いつき、第1次世界対戦では戦勝国となりました。新撰組に代表されるように、攘夷か開国か、日本の文化を守るべきか西洋の文化を取り入れるべきか、激乱の幕末となりました。
この時に比べればまだ鎖国期間は30年です。世界に追いつけ追い越せするには、幕末のように50年もかからないと思います。ただし、成功のワナにはまらないためには高度成長期の成功体験は捨てる必要があると思います。制度やルール、インフラも捨てる覚悟が必要です。手に何かを持っている限りは手が塞がっていて新たなものはつかめません。一旦ものを離せば手に入れることができます。ただし人間は手放すのが非常に難しい生き物です。手に入れることよりも失うことを恐れるのが人間の性です。そこには勇気が必要となります。

私がもし首相であったらまずは現時点での先進国を真似ます。基本はPPP(パクってパクってパクリまくる)です。子ども家庭庁の幹部にスウェーデン、ドイツ、フランスに行って制度を取って来いと指示します。その国の法をベースに法律の原案を作った上で、日本で譲れない部分はどこかということを専門委員会で議論させます。あくまで現行法をどう変えるかではなく、現代に合う法律をベースにたたき台を作った上で、そこで日本が譲れないものはどこか、カーブアウトさせるという点が根本的な違いかと思います。

7月には参院選があります。各政党は政治家の集まりであり、法案を考えるのが仕事です。バラマキばかりの人気取り政策ばかりではなく、是非このぐらいの公約を持って参院選に臨んでほしいなと思っておりました。唯一自民党は参院選に向けての公約で人への投資を打ち出しましたが、各党の公約を見るとやはりバラマキばかりでした。これではやはり日本は変わらないと思います。鎖国が40年にならないように、今我々が動かなければならないのかもしれません。


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