見出し画像

ノームを選択する

皆さんはノームという言葉を聞いたことがありますか?うーん、濃い霧、ですかね。いや、その濃霧じゃないです。あぁあの強い光を放つことがある、いや、ビームじゃないです。

ノームとは 暗黙の規範と呼ばれるもので、教育業界では集団をマネジメントする上でとても大切な考え方になります。

ノームを理解いただく上でひとつ例を出しますね。専門学校は「社会人育成の場」であるため、入学時のオリエンテーションでは毎日学校に登校することの重要性を伝えます。

専門学校は専門技術を身につける必要がある分野が多いからですね。

ところが僕は学生時代、あまり真面目な学生ではなかったので、クラス担任を初めておこなうときに、欠席に対して寛容な担任でした。

欠席に対して、そっか、次からは気を付けようね、と言う程度。もはや指導ではなく、注意です。こんな担任のクラスはその後どうなると思いますか?

僕のクラスだけ生徒の出席率がみるみるうちに下がっていき大事な行事すらも休んでしまうクラスが出来上がったのでした。このときに生まれたノームがこちらです。

「この担任の言ったことは守らなくても良い」

ノーム①

他にも報告・連絡・相談の大切さを訴えたのに、朝、遅刻、欠席の連絡をしてこない生徒を、忙しさにかまけて指導しないとどんどんこのノームが広がっていきます。

また、授業中は携帯をしまうように伝えてあったのに、コソコソいじっている生徒を見逃す、目をつぶることでもこのノームは生まれていきます。学級崩壊につながるクラスはこれらの一つ一つの積み重ねが原因となります。

これらのノームは、一般企業のマネジメントにも通じる真理です。会議の開始時間、会食の開始時間、提出物の期限遅れなどが続くと、不思議と事務所内の整理整頓も乱れていくんですよね。不思議なんですけど。

他にも誤字脱字だらけの資料を上司が提示する、などルールとして発信されたことがルーズになることを見逃すと、事業部がどんどんルーズになります。

ノーム②

つまり「自分が発した言葉は徹底してもらう覚悟」が必要になります。会議が遅れてスタートしたのに、リーダーが何も発しないと、あっ、遅れてもいいんだというノームが生まれ、翌週も平気で遅れるメンバーが現れます。

これまでのお話を踏まえて、浸透することを気を付けたいノームがあります。

それは、山登り型の目標設定のみを成長の仕方として強要することです。つまり、夢や目標を持つことを押し付けることを指します。

イチロー選手、石川遼選手、本田圭祐選手、浅田真央さんに共通することは何かご存知ですか。それは小学生の頃からの夢がはっきりしていたことです。

山登り型というのは、どの山に登るか決めて、必要な準備をし、着実に登頂を目指す目標達成方法を指しますが、専門学校の生徒を見ていて思うことがあります。

喜多川泰氏の書籍『スタートライン』の表現を一部お借りしながら解説していきます。

専門学校に入学する前は、生徒は好きだから毎日やっているというレベルでした。

体を動かすことが好きな人はスポーツインストラクターを目指し、お菓子づくりを好きな人はパティシエを目指しています。

そして、好きだから夢に変わります。入学時は夢いっぱいなんですよね。僕らは極力叶えてあげたいんです。

ところが、夢を持ったら、超えるべき壁が現れます。スポーツインストラクターは体を動かせば良いだけではありません。体の仕組みを学ぶ必要があります。

すると、やりたかったはずのことがやらなければならないことに変わっていきます。疲労し、夢を追うことをあきらめてしまう人も現れます。

そのため、対象を社会人に置き換えても、夢を持つ、夢を探すことの大切さを何度も訴えるというのは僕は経験上、あまりオススメしていません。

僕も夢を途中であきらめる生徒もある間違いを犯していました。それは、夢はそのへんの職業名から探し出すのではなく、自分の内側から見つけるものだということです。

なぜ多くの人が夢は探すものだと思ってしまうのか、もう少し理由について考えていきます。

夢があるから頑張る、目標があるから頑張れるという思考について分解していくと、欲しいものがあるから行動するという言葉に言い換えることができますね。今、僕がほしいものは腹筋が6つに割れた肉体です。

欲しいものがあるから行動するとは一見ポジティブな表現ですが、裏を返すと、欲しいものがないから行動しないという、行動しない理由に変わるのです。

そのため、目標がないから行動しない、夢がないから行動しない、これは行動基準が損か得かである人の特徴です。専門学校現場では、この資格を取ったら何になるんですか?と生徒によく聞かれます。

この解決策として、人は夢を持たそうとするのですが、先程夢は内側から見つけるものと表現しました。では何をすれば見つけられるのでしょうか。

つまり言い換えると、行動の判断基準を「損か得か」から何にしたら良いのでしょうか。

それは、自分の中の「未経験」を「経験済み」にする、つまり、未経験、未体験なことはとにかくやってみる、ということです。

自分の中の未経験を経験済みにするために、付随して大切な考え方は、事業部内で働くということを定義しておくということです。

多くの専門学校生は、働くというのは時間をお金に換えることだと考えています。これはアルバイトが要因ですね。前節で触れた通りです。時給換算であるためです。

しかし、社会で働くということは、経験を人の喜びに換えること、そのため、未経験のものを減らし、経験したものの中から、人の喜びに換えられることを夢として見出していきます。

リーダーを輩出するためには、こんなノームを浸透しておく必要があります。
「自分の経験を人の喜びに換えるために、『未経験』を『経験済み』にして、人の喜びに換えられるほど目の前のことをやりとげる」

このノームを浸透すると、やったことがある自分の領域を守りたがるボス的存在の社員の発生を予め防ぐことが可能になります。

ぜひこちらのノームを浸透できるように事業部に発信していきましょう。

最後までお読みくださり感謝。続きはまた違う記事で。

今回のお話をもっと詳しく知りたい方はコチラ↓


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
リーダ―育成・事業再生コンサルタント

本間 正道
Email: playbook.consultant@gmail.com
twitterID:@masamichihon

著  書↓

動画↓

https://note.com/sanctuary_event/n/nc67ae420937f


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


この記事が参加している募集

習慣にしていること

よろしければサポートをお願いいたします。御恩は忘れません。頂いたサポートは、多くの人材が再び輝く日本にしていくための活動に充てさせていただきます。