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精神疾患と薬

「精神疾患は薬が作り出している。だから病院に行かない方がいい」

近年、うつ病を始めとする精神疾患に罹る人が増えてきており、様々な考え方が出てきています。
その中の一つが「薬」の功罪です。

もう20年近く服薬を続けている私にとって、薬無しということは考えられません。
しかし、過去にはだいぶ薬に振り回されました。

精神疾患には今のところ療法も含めて「特効薬」がありません。
風邪をひいたらこの薬、インフルエンザにはこれ、
骨折したらどう処置をする、といったものがないのです。

症状が人によって様々であることが一つの理由でしょう。
そのため、薬の処方が適切でないと症状が改善しなかったり、場合によっては悪化したりすることがあります。
これが薬の功罪が議論になっている理由の一つだと思います。

私が薬に振り回されていたころは「うつ病」と診断されており、気分を向上させる薬を処方されていました。
その薬を飲むと途端に元気になり、「もう治った!」と思うことすらありました。
しかし、暫くするとまたひどく落ち込む。
この繰り返しで、薬がどんどん強く、多くなってゆきました。

そのため、何度も病院を変え、今通っているクリニックが5ヶ所目です。
ここで初めて「双極性障害」という診断がなされました。
私がこの病名を知ったのはこれが初めてでした。

それまでの病院では症状が悪いときのことしか聞かれなかったのに対して、このお医者様は元気なときの状態にも着目し、その元気さが異常であるために双極性障害との診断をしたのでした。
ここに辿り着くまでに発症から既に7年が経過していました。

そして、薬も大きく変わり、うつ状態と躁状態の振れ幅が小さくなり、しかも落ち込みの期間も短くなりました。

しかし、最近はまたうつ状態と躁状態を繰り返す頻度が増し、落ち込みの具合もひどくなってきました。
症状が悪化していると言えるかもしれません。

体が薬に慣れてしまったのかもしれません。
せっかく安定してきただけに残念です。

薬がうまく作用してほとんど薬が要らないくらいまで改善した人もいるようですが、私の場合は、今の主治医にかかっている限り、こうして薬を変えながら一生この病気と付き合ってゆくしかないのかなぁ。
それとも、そうしてゆく中で自分に合った薬が見つかるのだろうか。

転院という手段もありますが、もうそこまでする気力はないし。
どうしたものか...