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文豪の手紙

なんか面白い記事を書きたいのだけれど、全く思いつかない。
面白いことが何もないので仕方ない。
息子がお弁当を落とし、中身は無事だったがなぜかふりかけの袋が破れていて散乱したとか、最近の面白いことがそんなもんである。

太宰治の手紙の本を読んだ。600通あまりの手紙から抜粋されているものだったけれど、これがまあ面白い。昭和16年、おばあちゃんなら8歳のときかと思いながら読む。太宰と同じ時代を生きていたんだなと思うと感慨深い。
おばあちゃんは学校に行けなかったので、読み書きはあまりできなかったし、そんな人もたくさんいただろう。この時代に小説を書くというのは想像もつかないような苦悩があっただろうと思う。
二人称の文章とは不思議なもので、心の置き所にちょっと困ったりすることもあるけど、文豪の手紙はそれだけで文学として成立するんだよなと思う。
時代に挑戦し続けた人だったんだろうなと思う。文章が古くない。むしろ斬新だと思える。

「生きてあるものには、詩作する権利があります。無邪気に生きていなさい」
――太宰治 愛と苦悩の手紙より

励まされる。わたしに言っているのではないとわかっているけど、届くものは届く。宝石のような文章。受け取っておこうと思う。
無邪気に生きるのは難しいけれど。

◎イラストはみんなのフォトギャラリーからお借りしました

#エッセイ #手紙 #太宰  


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