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乃淡 雅子
2024年9月10日 14:12
私共の世界が旱(ひでり)の時、瘠せてしまった夜鷹やほととぎすなどが、それをだまって見上げて、残念そうに咽喉(のど)をくびくびさせているのを時々見ることがあるではありませんか。どんな鳥でもとてもあそこまでは行けません。けれども、天の大烏(おおがらす)の星や蠍(さそり)の星や兎の星ならもちろんすぐ行けます。「ポウセさんまずここへ滝をこしらえましょうか。」「ええ、こしらえましょう。僕石を
2023年2月13日 00:27
そしてポウセ童子は、白い貝殻の沓をはき、二人は連れだって空の銀の芝原(しばはら)を仲よく歌いながら行きました。「お日さまの、お通りみちを はき浄(きよ)め、ひかりをちらせ あまの白雲。 お日さまの、お通りみちの 石かけを深くうずめよ、あまの青雲。」そしてもういつか空の泉に来ました。この泉は霽(は)れた晩には、下からはっきり見えます。天の川の西の岸から、よほど離れた処に、青い小さな星で円
2023年2月4日 00:18
ある朝、お日様がカツカツカツと厳にお身体からだをゆすぶって、東から昇っておいでになった時、チュンセ童子は銀笛を下に置いてポウセ童子に申しました。「ポウセさん。もういいでしょう。お日様もお昇りになったし、雲もまっ白に光っています。今日は西の野原の泉へ行きませんか。」ポウセ童子が、まだ夢中で、半分眼めをつぶったまま、銀笛を吹いていますので、チュンセ童子はお宮から下りて、沓(くつ)をはいて、ポウ
2023年1月15日 20:37
このすきとおる二つのお宮は、まっすぐに向い合っています。夜は二人とも、きっとお宮に帰って、きちんと座り、空の星めぐりの歌に合せて、一晩銀笛(ぎんてき)を吹ふくのです。それがこの双子のお星様の役目でした。つづく
2021年12月3日 01:18
天の川の西の岸にすぎなの胞子ほどの小さな二つの星が見えます。あれはチュンセ童子とポウセ童子という双子のお星さまの住んでいる小さな水精のお宮です。つづく