僕が"BtoB"マーケティングを続ける理由①|ネット広告代理店 新卒10年目マーケター
はじめに
はじめまして、大内田将輝(おおうちだまさき)と申します。初めてのnote投稿は、BtoBマーケティングについて興味がある、何らかの形でかかわることになった人に向けて、自己紹介を兼ねて私の経験を綴りたいと思います。社会人歴10年目という節目であることと、昨今「BtoB」を謳うマーケティング支援会社が増え始めたことから、このタイミングで過去を振り返り、言葉にしておきたいという想いがあり筆を執りました。
まさかのBtoBマーケ支援部署への配属
まず私は、株式会社メディックスというネット広告代理店に新卒(2015年卒)で入社しました。新卒で配属された部署が、当時は珍しくBtoB企業のデジタルマーケティング支援に特化した部署でした。BtoB企業支援の部署に配属された同期は私一人だけで、ほかの同期は皆、BtoCの企業を支援する部署に配属されました。
BtoC企業を支援する部署は、アパレルやコスメ、大手EC、ブライダル、不動産など(新卒1年目の私でも知っているような)有名企業を多く顧客に抱えており、また予算額も多く、「The 広告代理店」という感じがして、キラキラして見えました。
一方、BtoBのお客様はというと、知らない名前の会社ばかりでした。IT企業や製造業で聞いたことがあっても、その製品やサービスは何のことやら全くわからず、予算額もBtoCと比べると桁が2つも違うくらい少なく、地味な印象がありました。
希望して配属されたわけでもなく、むしろキラキラしたイメージを持ってネット広告代理店に入社した私は、正直なところ配属に不満を持ち、悶々とした気持ちで新社会人生活のスタートを切りました。
先に結論から言うと、今、私はBtoBマーケターであることを誇りに思っており、結果として、新卒で配属された部署に今現在も所属しており、楽しく働いています。ここから先に、BtoBマーケティングに対してネガティブだった私が、なぜBtoBマーケティングを好きになれたか?を綴ります。
CPAが下がったのに嬉しくなさそうな担当者
ネット広告代理店の多くはそうだと思いますが、入社するとまずはリスティング広告の運用から覚えていきます。消費者の購買行動プロセスのモデルAISASに基づき、Serch(=検索)行動にリーチするためリスティング広告を実施する企業が多いためです。BtoB企業でも少額ですがリスティング広告を実施する企業が多く、私も1年目の時からリスティング広告の運用と報告、改善提案が主の業務でした。
BtoB企業支援の部署配属に不満を抱えていた私ですが、ひとまず与えられたことを一生懸命やろうと腹を括り、リスティング広告を一生懸命運用して、半年~1年でCPAを3割くらい下げることに成功しました。これでお客さんも満足してくれるはず、増額提案もすんなり通るだろうと、意気揚々と定例会に向かったことを今でも覚えています。嬉々としてCPAが下がったことを報告する私でしたが、結果は見出しにある通り、あまり嬉しくなさそうな担当者の顔がそこにありました。「CPAが下がったのわかりました。でも、来月からも同じ予算でお願いします。」と、淡々と言われ、落ち込んで帰社するのでした。(やばい、「増額は堅いです!」と昨日の営業会議で報告してしまった。。)
BtoBは広告だけを考えてもダメ
この現象について、なぜそうなったのか?を言語化できるようになったのは数年後でした。当時の担当者はマーケティング専任ではなく、営業の方がマーケティングも見られているという状態でした。BtoB企業において専任のマーケティング担当者が不在なのは今も珍しくありません。リスティング広告のCVポイントは「お問い合わせ」と「資料請求」、所謂リード獲得でしたが、このリードがいくら増えようが、営業にとってはどうでもいいことだったのです。営業にとって大事なのは、いかに受注金額を増やすか?これにつきます。自分もずっと営業をしてきたので身に染みてわかります。そして必ずしも「リードが増えること」=「受注金額が増えること」ではありません。逆にクソみたいなリード(汚い言葉ですみません)がたくさん取れても、余計にフォローする時間がかかるだけで、むしろマイナスです。
つまり、BtoBマーケティングは、リードを増やすことや広告を出稿すること(露出を増やすこと)だけでは全くダメだったのです。
※誤解なきようにいうと、BtoCマーケティングが広告だけやっていればいいというわけではありません。あくまで比較の話であり、ECサイトのようにCVが売上に直結するよう場合は、広告の運用結果がダイレクトに売上に響いてきます。このように”比較的”に、BtoBのほうが広告だけやっていてはダメということです。
BtoBマーケティングの深み、やりがい
これに気づいてから、よりBtoBマーケティングが楽しく感じるようになりました。商談に繋がりやすいリードはどうやったら取れるか?、どのようなコンテンツ設計が必要か?フォロー体制は?そもそも質の良いリードの定義は?のように、広告(リード獲得)以外の領域を考える時間が増えました。すると広告以外のことについて考え、提案することが増えたのに、広告予算が増額するという不思議な現象が起きました。この時はじめて、どうやったらBtoBで商品が売れるか?を考えることの重要性を感じ、同時にそれらを考えられないBtoB企業が多いことに気づきました。それからは苦手だった商材理解も頑張るようになりました。IT製品や製造業関連の製品は馴染みがなく、一見すると地味なものが多いので、分かりにくいのです。しかし、勉強していくと、社会貢献への想いが詰まったサービスだったり、職人の技が光る製品だったりと、興味がわいてくるものばかりでした。事業会社の人が自分たちの製品やサービスを嬉しそうに説明してくれる(教えてくれる)時が、仕事をしていて一番楽しい時間かもしれません。完全に余談ですが、事例コンテンツの制作はライター任せにせず、自分も極力ついていくようにしているのですが、それは単純にそこが一番楽しいと思っているからかもしれません。
とにかく、この事件をきっかけに、私は明確にBtoBマーケティングにやりがいを感じ、深みにはまっていきました。
おわりに
新卒配属に不満を持ちながらも「なんかBtoBマーケ楽しいかも!」と思ったきっかけとなった事件について書きました。あの時、なんだBtoBかよ・・・と腐らずに前を向いた自分をほめたいですね(笑)
今回書いたことはあくまでもBtoBマーケを続けようと思ったきっかけの一つです。それだけでは10年も続きません。ほかにもBtoBマーケの魅力は多々あるのですが、既にここまでで3,000文字弱あるようなので、続きはまた気が向いたら書こうと思います。飽き性な自分がnoteの定期的な更新を続けられるかどうか非常に不安ではありますが、タイトルに①とつけることで、続編を書く意志を表明してみました。飽き性は本当に困ったものでジム通いやX(Twitter)など中々続きません。ですが、私の30年の人生で10年継続したことが2つだけあり、一つはBtoBマーケティングで、もう一つは卓球(中学~大学まで真剣にやっていた)です。それくらい飽き性な私を飽きさせないBtoBマーケティングはやっぱり魅力的なんだなと思います。
ここまで読んでくれた方がいましたら、本当にありがとうございました。