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書評

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正木が書く書評です。
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#哲学

欲望や刺激の虜にされ、虚しさの落とし穴に堕ちないための道標|トリスタン・ガルシア…

人間の欲望を喚起し、無限なる快の追求に熱をあげさせることが資本主義的な正義だとされている…

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正木伸城
1年前
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[書評]インスタントな知識が求められる時代に立ち止まって考えることを勧める勇気

氏家法雄さんの『暮らしを哲学する』(明日香出版社)を読んだ。わかりやすく素敵で、得心のい…

正木伸城
2年前
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[書評]神は必要か。天国は要るのか。我々という観念は時に危険ですらある。

ダニエル・エヴェレットの著作『ピダハン』は、キリスト教宣教師/言語学者の彼が、アマゾンの…

正木伸城
3年前
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[書評]いま・ここを丁寧に生きる時に支えになるのは動物性を含み込んだ人間

作家ボーヴォワールは「ひとは女に生まれない、女になる」(『第二の性』新潮社、1997)という…

正木伸城
4年前
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[書評]荒木優太編著『在野研究ビギナーズ』(雑誌掲載文・転載)

 本書は、大学に所属を持たない在野研究者15人が研究生活について綴った文をまとめた書である…

正木伸城
4年前
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[書評]天災・人災の濁流から紡がれる言葉が「力」をまとうとしたら。

9年前の2011年3月11日、東日本大震災が起きた。夕方、僕は帰宅困難な状況の中、都内の職場から…

正木伸城
4年前
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[書評]一番幸せだった日は明日かも。そう思って今もこれからも生きて。

優しい言葉にあふれていた。痛みから発する語が、僕の胸をうずかせた。詩人・岩崎航さんの詩を見たとき以来かもしれない。弱さの力を丁寧に句につなぐ「美」に触れたのは。ナナチルさんのご著作『何もいいことがなかった日の君へ』は、言葉少なにそっと、あなたに寄り添ってくれるだろう。 精神病棟にいた頃を思い出した。トラウマではない、ずっと昔のこと。僕は、精神疾患を持つ人が収容される病棟にいた。重く、病んでいた。窓には鉄格子。そこから見えるのは、枯れ木が刺さった狭い荒れ地。それと、全方位にあ

[書評]『シン・ニホン』の視点。例えばテレワーク急進現象をどう見るか

先般、宇野常寛さんの『遅いインターネット』について感想を書いたら、安宅和人さんの『シン・…

正木伸城
4年前
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[書評]倫理やリテラシーが宙に浮かない仕組みは〈遅い〉インターネットで。

インターネットにはかつて「大きな理想」が抱かれていた。キーワードは「公共圏」。社会的な立…

正木伸城
4年前
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山里亮太さん『天才はあきらめた』の題名に込められた二重の意味

山里亮太さんと蒼井優さんの直近のエピソード(以下のニュース)に触れ、以前書いた記事を思い…

正木伸城
4年前
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