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美術業界の閉鎖感
日本に帰ってきて1年経って、いろいろと情報をまとめていたり、若い世代からの質問に答えてたりなんてことをしていると、シンプルに思うことがあります。
美術業界、何とも複雑すぎる…
これは別に日本だけの話じゃないし
恐らく別に美術業界だけの話じゃないのかも知れない。
大学に学部がたくさんある中、ここまでその後どうやって社会的に生きていけばいいのかの情報が見えてこない学問はこれよりないんじゃないかって思うくらい、
一般的な情報が不透明だなと思う。
例えば医者は病院に勤められる。
弁護士は事務所があったり
その他の多くの学部は企業の各部署で。
デザイン系や建築系も同じ。
イラストレーターや写真家などフリーランスでやっていくとしても、クライアントがいる商業的な側面がある。
つまり受注して製作してお金をもらえるビジョンが見えるわけで。
卒業後、フリーランス100%なんだけど
クライアントっていう商業パートナーがいないのに
生きていく方法を模索しなきゃいけない
ということが決まってるこの業界。クラシック音楽やバレエなども同じかも知れません。ですがこの両者などは教室を開いて生徒を持つというセカンドキャリアがメインだそうで、後世育成の方に進む人は多い様子。
一方で美術業界というのは、大学受験までの画塾はあっても、基本的に教室などに通う人は少ない様に思います。コンテンポラリーとかは特に。
複雑な理由を色々と考えてみる。
理由その①
情報が出てこない理由の一つは、単純に複雑だから。成功や安定した収益を得続けるためには、いくつかのファクターがあると思います。
・学歴社会の側面
・「優れた作品」という指標の不確定さ
・キャリア形成の難しさ
・コレクターの少なさ
・ギャラリーの少なさ/受け入れ枠の少なさ
などなど...
学歴社会の側面やコネクションの強さというのはこの業界ならではな気がします。
こうして見ると、商品やサービスを扱う仕事というのはわかりやすくて、需要にお金が引っ付いてくるからだと思うけれど、
美術業界というのは、「需要そのものがそもそも不確定」で、「その需要がどこから出てくるのか」すらも不透明なんだと思います。
例えばおしゃれ、かっこいいというものは、トレンドなり傾向なり需要が見えやすく、そこにオリジナリティを加えたり。また多くの人が興味があり、お金を支払う形態であるのがわかります。
一方現代美術の方になれば、何がいい作品たるかを探すという研究職に近い部分が強く、そもそもどこにどんな需要があるのかわからないこと、商品を作っているわけではないことなどなどなど
まぁー複雑!
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