スーパー

#6 キャリアの虹!?

こんにちは!
毎週水曜日開講の【キャリアデザイン学超入門】へようこそ!
以前確認した「キャリアの語源」を踏まえた、代表的な研究者のキャリアの捉え方紹介第2弾!
前回はサニー・ハンセンという研究者の理論をまとめましたが、今回はキャリア研究で最も有名と言っても過言ではないドナルド・スーパーの理論を5分くらいで読めるようにまとめました。

目次
1.キャリアの虹
2.人生における9つの役割
3.さいごに
4.参考文献

1.キャリアの虹

スーパーは、キャリアを「生涯においてある個人が果たす一連の役割、およびその役割の組み合わせ」と捉えました。

彼の提唱した理論で最も有名なのが、ライフキャリアレインボーでしょう。先週先々週と紹介したキャリア教育の資料でも紹介されています。

スーパーは、キャリアは青年期の選択に限らず、生涯に渡って発達し続けると考え、それぞれの特徴を発達段階として5つに分けました。レインボーの弧を成す部分ですね。(上の図では4つですが、「成長」と「確立」の間に「探索」が入る論文も発表している。)

①成長段階(~14歳)
主に身体的な発達の時期。それに合わせて自分への関心、職業世界への関心も高まる。

②探索段階(15歳~24歳)
自己の関心に合わせ、具体的な職業を絞り込み、そのために必要な訓練を受け、仕事につく時期。

③確立段階(25歳~44歳)
特定の職業につき、その中で専門性が高まり昇進していく時期。

④維持段階(45歳~65歳)
確立した地位を維持し、さらなる責任や役割を果たす時期。定年後に向けたライフキャリア計画を立てる。

⑤衰退段階(66歳~)
仕事から離脱し、新たなキャリアが始まる。地域活動や余暇、家族との時間を楽しむ時期。

なんだか「アイデンティティ」概念の提唱者であるエリク・エリクソンの発達段階理論に近いものも感じますが(笑)、スーパーの示したキャリアの5段階は少し職業的なキャリアに絞った考え方になります。

このキャリアレインボーには、一生涯一企業という従来の伝統的なキャリア発達にとらわれている感があって、個人的には疑問を抱かずにはいられません。

しかし、この虹には僕が大切だと思っているキャリアの捉え方を含んでいます。次章で紹介していきましょう。


2.人生における9つの役割

前章で紹介したライフキャリアレインボーは、よく見るとキャリア発達の段階を示す弧の部分と、人生における様々な役割を表す虹の色の部分の2つの構成要素があることが分かります。個人が持つ人生役割には大きな関係があるとしていて、①子ども、②学生、③余暇人、④市民、⑤労働者、⑥配偶者、⑦家庭人、⑧親、⑨年金生活者の9つを重要なライフロールとしてあげています。

私たち人間はステージで何かの役割を演じる役者です。誰しもがそれぞれのステージでいろんな役を演じています。一生のうちに何度もその役割は変化していきますし、同じ期間に複数の役割を違うステージで演じることもあります。

この考え方は、キャリア教育の認識を、職業上の役割だけでなく、その他の様々な社会的役割も担うことができるようになることを支援することへと広げてくれるものです。

また、日本では2015年に出版され話題となった『LIFE SHIFT』という本で紹介されている「マルチステージの人生」にも通じるものがあります。(詳しく知りたい方は、有名な本なので、実際に内容をチェックしてみてください!)

この9つのライフロールと5つの発達段階の組み合わせが、個人のキャリアを形成する重要な要素となるわけなんですね。


3.さいごに

さて、今週の講義ではスーパーの理論から…

・キャリアは人生役割の組み合わせ
キャリア発達は5段階に分けられる
・重要な役割(ライフロール)は9つに分けられる

ということが分かりましたね!


今日はここまで!

次の定期投稿は金曜日【Vivid Books#4】です。
それではまた。


4.参考文献


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