RB2022 悲願のベスト４突破！！！

世田谷区軟式野球連盟一般部に所属する我がチームは、2014年の秋季大会で2部優勝を果たし、翌2015年のシーズンより1部に昇格しました。あれから8年目の今シーズンも終盤となってしまいましたが、どの大会においても未だにベスト4を突破したことが無い「黒歴史」を背負い続けています。
大事な局面で常に自滅してきた屈辱の繰り返しから今回こそ脱却を図るべく、誰もが強いマインドを持ってグランドに集合しました。

この大一番にIヘッドコーチやY投手など複数の欠席者が出てしまった中、
「今日は全員出場で獲りにいく！」監督の宣言を胸に、ミーティングで心一つを試みるメンバー一同。

先攻の我がチームは初回、1番K選手がカウント1-1からいきなりのライト越えツーベースを放ち出塁。続く2番T選手も左中間へのツーベースで、あっという間の先制点。3番K選手のセンター前タイムリーで2点目。4番K選手もライト前ヒットと、大事な初回の攻撃で4連続ヒットが飛び出す離れ技を見せてくれました。

これまでレフト線ファウルや、サードゴロの帝王と呼ばれてきたK選手。
先頭出塁の喜びよりも、まるで見たことがない右方向の打球にメンバー一同、驚きの声でした。

先制の2点を奪い、幸先の良いスタートを切ることができた我がチーム。大会では今季初登板のサウスポーI投手がピシャリと締め、次の回も…の皮算通りにはいかず、緊張からか先頭より死球、四球、ツーベースで瞬時に1点を返されてしまいました。
これも辛酸を舐め続けてきたベスト4の魔力なのか、何でもないゴロをサードK選手がお決まりのタイムリーエラーで2-2の同点。さらに浅いライトフライで二死が取れた瞬間、内野返球の遅さに気づいた三塁ランナーがスタート。あってはならない怠慢プレーで逆転のホームインを許し、たちまち1点のビハインドで初回を折り返すことになってしまいました。

悪い流れを断ち切りたい2回の攻撃は、相手エラーで先頭の7番K選手が出塁し無死二塁のチャンスをいただくも、三振、ライトフライ、レフトフライで呆気なく残塁
。その裏、2番手のマウンドにベテランK投手。同じく四死球がとても心配な投手ですが、前週のベスト8戦で雨中3イニングの好リリーフを見せており、いつもの不安げな様子なく3人を10球で簡単に抑え、流れを引き寄せてくれました。

「この場面はオレしかいないさ」と、昔の強気が戻ってきたベテランK投手。

K投手は3回に連打で1点を奪われ2-4となったものの、課題の四死球はゼロ。浮き足立っていた守備陣もようやく落ち着きを取り戻し、後は打線の奮起を待ちました。

打撃は初回のライト前に続き、3回にもライトオーバーの二塁打を放った4番K選手。
4回より三塁から一塁守備に回り、球が飛んでこない安心感が漂います。(笑)

2点ビハインドのまま4回へ入りましたが、ランナーは出るものの進めることができずにゼロ。3番手に遊撃からマウンドへエースのK投手が上がり、力のあるストレート主体のピッチングで追加点は許さず、1番から始まる5回の攻撃を迎えました。

2回のセカンド守備から出場した、チームの風紀委員K選手。
この日は特に声を絶やさず、味方を鼓舞し続けてくれました。

3番手のマウンドとなったエース児玉投手。
シーズン終盤に入りヒジに不安を抱えての登板でしたが、見事に3イニングをゼロに抑えてくれました。

攻守に躍動したトップバッターK選手。
「行く行く」詐欺の目立つシーズンでしたが「筋肉の鎧」を惜しみなく発揮できたゲームとなりました。

5回、我がチームの攻撃は1番K選手がストレートの四球を選び出塁。2番T選手は相手ショートエラーで無死一・二塁となり、3番K選手の時に鮮やかなダブルスチールを決めて無視二・三塁の願ってもいない同点チャンス。しかし、K選手の痛烈な打球は相手サウスポーのグラブにダイレクトで収まり、飛び出した三塁ランナーのK選手が戻れず万事休す…が、ゲッツーを焦った投手の送球が弱くなり、セーフで二・三塁のチャンスを何とかキープできました。
4番K選手は力なく一飛となって二死。この回もダメか…の様相が漂いましたが、5番H選手の放った何でもないポップフライを相手投手がまさかのエラー。先程の飛び出しプレーで救われたK選手が返って貴重な1点が入り、3-4でその裏の守備もK投手が全く危なげないピッチングを披露し、ゼロに抑えました。

度々のチャンスを逃し続けても、ベンチは「俺たちは攻めている」と誇らしげな雰囲気。
相手のミスで奪った1点が「これはいける！」との後押しをしてくれました。

6回の攻撃は途中出場の7番K主将からでしたが、投飛、遊飛、中飛とフライ続きで三者凡退。しかし、エースK投手は3イニング目となるこの裏も見事に三者凡退に抑えてくれて、いよいよ最終である7回の攻防を迎えました。

この日も得意のセーフティーバントを果敢に試みたN選手。
未成功だったものの、チームが常に前向きとなるよう努めてくれました。

最終回、我がチームの攻撃はまたも1番K選手から。初球をいきなりレフト奥のネットに直撃するツーベースを放ち出塁。2番T選手は、カウント1-1より放った会心の打球はセンターオーバーの逆転ツーランHR！「ここで打つか！？」とベンチの仲間に手荒い祝福を受け、一気に押せ押せのムードとなりました。

劇的な勝ち越しツーランを放ったT選手。
常にシーズンのノルマを意識し、努力してきた姿勢が結果となって表れた瞬間でした。

3番K選手、4番K選手が共にポップフライで二死となった後、5番H選手が「これじゃ点が足りない！」と、意地の左中間ツーベースで出塁。続く打席には今シーズン、勝負どころで悉く凡退が目立った6番O選手が入りました。

1番K選手の躍動に刺激され「オレがやる！」と、良いスイッチの入った元1番のH選手。

相手の暴投でH選手が三塁に進んだ後、打球は期待を裏切る！？ショート内野安打となって貴重な追加点が入りました。7番K主将も内野安打、8番K選手のセカンドゴロは二塁フィルダースチョイスを誘う結果となり、この回計4点。7-4の3点リードで最後の守備に着きました。

ようやく元主将時代の勝負強く頼もしい打撃が戻ってきたO選手。
貴重な追加点のタイムリーとなり、ホッとした心境です。

最終回、4番手のマウンドには少ない出席数の中「オレは絶対に投手がいい！」と言い張ってきたK選手。キレのあるスライダーと重いストレートを操り、先頭を三振に仕留め一死。長年、苦杯を続けてきたベスト4の壁の崩れる音が少しずつ聞こえてきました。

「楽し〜」と言わんばかりの躍動感で、相手打者をねじ伏せようとするK投手。

続くバッターの打球は一・二塁間への深いゴロとなりましたが、途中よりセカンドの守備に就いていたK主将が、お世辞にもカッコいいとは言えないスライディングキャッチで止め、一塁へ送球。しかし捕手の時と同じく、右脚が前に出る謎の送球で結果はセーフ。いいのか悪いのか何とも言えないプレーで出塁を許し、一死一塁となりました。

エラーと言うより「カッコ良くない」姿を露呈したK主将。
試合後のコメントは「どうやって投げたらいいのか、わからなかった」でした。(笑)

あまり見たことのない守備にやや動揺があったのか、K投手は次の打者に死球を与えましたが、次の打者を中飛に抑えツーアウト。これで終わり！と誰もが思った内野ゴロを、投手からショートに回っていたK選手がエラー。1点を奪われ2点差となりましたが、続く打者を三振に仕留めゲームセット。高い壁であったベスト4が、全員の力で突破できた瞬間でした！

この試合も複数のエラーがあったものの「全員で勝つ！」の意気込み通り、決して消沈せず、勝利に向かってひたすら前を向き戦い続けたメンバー一同。決勝戦は来年3月の予定です。