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人生100年時代のキャリア戦略② ~ キャリアの「軸」となるもの ~

本日は「人生100年時代のキャリア戦略とは」というテーマの2日目です。

 

昨日からの流れで

 「人生100年時代のキャリアの「軸」となるもの」

というテーマについてです。


昨日の記事の最後に、長期戦であるライフシフトに臨むにあたって、「誰かに振り回される人生」ではなく「自分で手綱を握る人生」を生きていくために、自分なりの「軸」を定めることがとても大事になるというお話をさせていただきました。


では、80歳まで働くことが前提となる人生100年時代のキャリア戦略において、その「軸」となるものは何でしょうか。


結論からいいますと、書籍「LIFE SHIFT」にも書かれているとおり

「自分は何を楽しく感じるのか」

「自分は何に価値を見出すのか」

といった

「自分が大切にしている価値観」

になります。


ではなぜ 「自分が大切にしている価値観」 が、人生100年時代のキャリア戦略の軸となるのでしょうか。


ここではその理由について、いくつかの側面からお話したいと思います。


ということで、今回も4,000文字超のがっつりブログになりますがご笑覧ください。


【なぜ価値観が大事?①】 「好き」じゃないと続かないから

楽しい



80歳まで働くということは、20歳から80歳まで60年働くということです。そんな60年も働き続ける時代で大事になってくることは何でしょうか。


それは様々なライフシフト系の書籍に共通して書かれていることでもありますが、その中の1冊である「幸福の資本論」(ダイヤモンド社)の著者・橘玲さんの言葉を拝借しますと、


どんな人も嫌いなことを60年もやり続けることはできない
なので ”好きを仕事にする” ことが唯一の選択肢になる


ということです。


これはシンプルな考え方ですので、多くの方が納得できるのではないかと思います。


そもそも「好き」という感情のエネルギーが湧かなければ長く続けられない


ということですね。


ただ、昨今よく聞かれるこの「好きを仕事に」の意味するところについて、世間の反応をみるとその解釈にかなり幅があると感じていますので、この講座における意味合いについて少し丁寧に解説したいと思います。


【なぜ価値観が大事?①-1】 「好きを仕事にする」の本当の意味


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この「好きを仕事に」という言葉を聞いて、みなさんどういうイメージを持たれるでしょうか?


おそらくですね、「その通りだね!」と反応する人よりも、「それができたら苦労しないよ」とか「そんなことができるのはごくごく一部の人だけだろ」といったような、「世の中そんな甘くねえよ」といったネガティブな反応を示す方のほうが多いのではないかと思います。


そのようにネガティブに反応する方々はおそらく「好きを仕事にする」というイメージをこんなふうにイメージされているのではないでしょうか。


・好きなスポーツを仕事にしているスポーツ選手

・好きなアート活動を仕事にしているアーティスト

・趣味などを配信して収入を得ているYouTuber など


これらは非常にイメージしやすい「好きを仕事にしている人々」ですね。そして、これらの人々に共通するのは「秀でた才能を持っている人」という点です。なので、「普通の人には無理だよ」という反応につながっているのではないかと思います。


ですが、この講座ではもっと抽象的な概念で「好きを仕事に」を捉えます。


たとえば、「テレビゲームが好きな子供」がいたとします。そんな彼をみて「好きを仕事に」という文脈からどんな仕事が頭に浮かぶでしょうか?


ぱっと思いつくのは、例えば「ゲーム制作会社への就職」や、最近では「ゲーム実況をするYouTuber」あたりではないかと思います。


しかし、この「好き」というのはもっと奥深いものです。


たとえば「テレビゲームが好きな子供」であっても、全てのゲームが好きというわけではないでしょう。このゲームは好きだけど、このゲームは好きじゃない、といったことは皆さん自身の経験からも想像できるのではないかと思います。例えばロールプレイングゲームは好きだけど、シューティングゲームは好きじゃないとか。


その場合、その「どういうところが好きなのか」「どういうところは興味がないのか」を突き詰めていくと、抽象度の高い「ある価値観」が浮かびあがってきます。


例えばロールプレイングゲームが好きなのであれば「(ゲームに限らず)いろいろと探索しながらゴールに向かうことが好き」だったり、シューティングゲームが好きなのであれば「(ゲームに限らず)降ってくる軽めのタスクをどんどんこなしていくことが好き」だったり。


さらには最近ではオンラインで仲間と一緒にやるゲームもありますよね。そんな「オンラインゲームがすごく好き」であれば、「それの何が好き?」を探求していくと、例えば「ソロ活動ではなく、仲間と一緒に何かに取り組むのが好き」だったり、「こんなタイプの仲間たちとチームを組むのが好き」だったり、「チームの中ではこんな役回りで貢献するのが好き」といった要素が見えてきたりします。


以上、「好きを仕事に」について少し掘り下げて説明しましたが、つまるところこの講座でいう「好きを仕事にする」とは、


「 ”好き” からあぶり出される ”自分が大切にする価値観” に合致した仕事をする」


という意味合いになります。


そして最初の問いである


なぜ「自分が大切にしている価値観」が人生100年時代のキャリア戦略の軸となるのか?


に改めて立ち戻ると


「好きを仕事に」しなければ、20歳から80歳まで60年も働き続けることはできないから


そして「好きを仕事にする」とは「自分が大切にしている価値観に合った仕事をする」という意味だから


ということになります。


以上説明が長くなりましたが、このように「長期間働くために必要である」ということが、「自分が大切にしている価値観」が人生100年時代のキャリア戦略の軸となる1つめの理由です。


【なぜ価値観が大事?②】 能力を磨くために必要だから


やり抜く力


働く期間が80歳まで伸びると、「これまでの仕事の延長で何かをする」ではなく、「これまでやったことがない仕事にトライすること」も選択肢の1つになりますし、実際にそのような形で定年後のライフシフトを実現されている方もいらっしゃいます。


例えば、書籍「実践! 50歳からのライフシフト術(NHK出版)」(著者:ライフシフト・ジャパン、ほか)の中では、サラリーマンだった方が定年退職後に美容師免許を取り、美容院を開業された方の事例なども紹介されています。


そして、そのようなライフシフトを実現する場合は、当然ながらこれから「新たな能力」を身につける必要があり、そんな新たな能力を身につけるためには、「10,000時間の法則」で有名な「天才!成功する人人の法則」(著:マルコム・グラッドウェル)や「やり抜く力 GRIT」(著:アンジェラ・ダックワース)などで提唱されているように、


「長期にわたってやり抜く力」


が必要になります。


長期にわたってやり抜く力というのは、失敗や挫折、あるいは「無反応」といったものに直面しながらも、それでも粘り強く続けていく継続力ともいえます。


そんな継続力を発揮するために必要なものは何かというと、行動を起こすためのエネルギーとなる「モチベーション(心が突き動かされる感情)」です。


そしてそんなエネルギーの源泉である「モチベーション」を湧かせるために必要な要素は何かというと、


「自分が大切にしている価値観に合ったことをする」


ということです。


このように「能力を磨くために必要である」ということが、「自分が大切にしている価値観」が人生100年時代のキャリア戦略の軸となる2つめの理由です。


【なぜ価値観が大事?③】 結果として「幸福感」も高まる

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この講座は「人生100年時代のキャリア」に向けて準備していくものですが、さらに上位にある大目標は当然ながら「幸せな100年人生を生きる」ということになります。ということで最後に、


「自分が大切にしている価値観」を軸として生きることが「結果として幸福な人生につながる」


というお話をさせていただきます。


幸福を構成する要素にはさまざまな説がありますが、ここでは日本における幸福学の第一人者である慶応大学大学院・前野教授が提唱する「幸せの4つの因子」に基づいて説明させていただきます。


前野教授の研究結果から導かれた幸福を構成する因子は次の4つです。これら4つの因子の「満たされている度合」が高まれば、幸福感が高まるということですね。

やってみよう!因子(自己実現と成長)
ありのままに!因子(独立と自分らしさ)
ありがとう!因子(つながりと感謝)
なんとかなる!因子(前向きと楽観)

これらの要素と「自分が大切にしている価値観」関係性を順番に見ていきます。


まず「1.やってみよう!因子」ですが、これは「自分が大切にしている価値観に合ったキャリアを目指す」という姿勢そのものであり、次の「2.ありのままに!因子」は「自分が大切にしている価値観を大切にして生きる」という姿勢そのものであると言えます。


そして「3.ありがとう!因子」は、「自分が大切にしている価値観に合ったキャリアを目指していく過程で、いろんな仲間と繋がっていく」ので、この因子も満たされていくことになります。


最後に「4.なんとかなる!因子」ですが、これは「自分が大切にする価値観にあった仕事をする」ことを通じて、

「1.やってみよう!因子」も満たされてるし
「2.ありのまま!因子」も満たされてるし
「3.ありがとう!因子」も満たされてるし

となると、「だったらなんとかなるかぁ」という具合に、結果として満たされていく感じですね。


このように


「自分が大切にしている価値観に合ったキャリア」を目指すことは、80歳まで働けるようになるだけでなく、「幸福な人生を送ること」にもつながる


ということが、「自分が大切にしている価値観」が人生100年時代のキャリア戦略の軸となる3つめの理由です。



以上、このパートでは

「自分が大切にしている価値観」がなぜ人生100年時代のキャリアの軸になるのか

ついて3つの視点からお話させていただきました。


次回は、この「自分が大切にしている価値観」という軸を持つことで、「今回お話したことに加えて、さらにどんな良いコトがあるのか」という視点から、「『軸』を持つことで人生の選択に迷わなくなる」というテーマでお話ししたいと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました!


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