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北にケンカや訴訟があれば 〜ロシアとウクライナ紛争を宮沢賢治なら何を思う〜

ブラジルのTVも日本のTVも、毎日のようにプーチンを非難していますが、確かに今の時代に国境問題で先制攻撃をするのは時代錯誤です。

何千年もの昔から、大陸の諸民族は隣接する異民族と戦争と殺し合いを繰り返してきましたが、異民族といってもロシアとウクライナは同じスラブ系民族ですから兄弟喧嘩みたいなものです。

朝鮮も同じ民族なのに喧嘩別れをしたままで恥ずかしい話ですが、歴史的ないきさつも知らない日本の善良な青年がNHKだけ視て、あわててウクライナ防衛軍に志願しようとするのも恥ずかしい話です。

海に守られていた私たちはおそらく、世界一戦争体験の少ない民族だと思いますが、その上、"世界一の武装解除憲法"を持っていますから、すっかり戦争音痴のような思考になっています。

ですから大陸の国々の戦争については、日本人の想像の外にある事柄ですから、一方を非難したり、一方にだけ一億ドルも拠出してはいけないと思います。
でもアメリカに「同盟国として協力しなければ後のことは知らぬぞ……」と脅されているのなら出すしかありませんが。

日本には「泥棒にも三分の理」などという諺があります。
ワルシャワ条約機構が解散した今、NATOは何の目的で同盟国を東へ東へ拡大しているのでしょう。

ITだAIだといわれる二十一世紀にもなって、なお戦争を止められない西洋文明の致命的欠陥。
これが今日の世界を無秩序で荒んだものにしてしまいました。

しかし日本には「喧嘩共馬鹿」という金言もあります。
そして日本文明のバックボーンには「和をもって貴しとなす」という不争の原理があります。
今すぐに実行できる訳ではありませんが、少なくとも日本人ならばよく納得していただけると思います。

北ニ ケンクァ(喧嘩)ヤ ソショウ(訴訟)ガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ…
宮沢賢治「雨ニモマケズ」より

※注※
雨ニモマケズの全文と解説はこちら 
今こそ国連で朗読していただきたい名文ではないでしょうか。


【編集協力】
和の国チャンネル https://wanokuni.me/

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