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言葉でわかる民族性

ブラジルのスーパーの肉売り場に行くと、長いガラスケースの中に20種類ほどの肉が並んでいます。

牛の体の部位別になっていて、それぞれに名前と値段がついています。 

私の子供の頃は(千葉県匝瑳市出身で育ちました)、町の精肉店の壁には上肉、並、小間切れ、の三種類しか書かれてありませんでした。

日本の牛は主に使役の目的で飼われていましたし、仏教でも殺生を禁じていたので、普通の人は獣肉を食べなかったのでしょう。

ですから食肉文化の無かった日本では、食肉を分類した各種の語彙も分化しませんでした。

ブラジルは昔から牧畜が盛んですので、牧畜に関する語彙もたくさんあります。

例えば雄牛・雌牛・種牛・子牛・雄の若牛・雌の若牛・2歳から4歳までの雌……日本語で書くと複数の語彙を合成して説明する合成語になっていますが、ポルトガル語ではそれぞれが一つの意味しか持たない独立した単純語が存在しています。

日本は《稲作漁撈文化》というように、動物性たんぱく質を主に魚から摂っていたので、筋子・いくら・うるか(鮎)・ぶりこ・とびっこ(飛魚)・かずのこ・たらこなど、魚卵の語彙が豊富にあります。

また日本語には、ご飯・握り飯・お餅・煎餅・粥・おこわ(御強)・田・稲 苗代・玄米・主食と副菜……など、ポ語に訳しずらい稲作文化独特の語彙が多くあります。

前書きが長くなりましたが、日本語には指示詞が数種しかありませんがエスキモー語には指示詞が30個以上あり、獲物がどこの方から、どちらの方へどんな動きをしているかを素早く伝えることが出来るそうで、狩猟民専用の言語だといえましょう。

一方の日本人は気持ちを伝えあう民族なので、外国語に存在しない語彙が多いです。

甘える、意地、頑張る、どうせ、しょせん、いじらしい、けなげ、むかつく、待ちどうしい、むかつく、照れる、じらす………。

オノマトペの一種の擬情語ならば、もっとあります。

そわそわ、うきうき、どきどき、いらいら、ひやひや、びくびく、はらはら、しみじみ……。

各民族の言葉をよくみれば、性格の違い、生活の違い、歴史の違いがよくわかることでしょう。

【今日の名言】
「喧嘩両成敗、喧嘩共馬鹿という言葉は喧嘩を否定している和の文化」

【明日の名言】
「思いは見えないが、思いやりは見える」


※編集協力
和の国チャンネル

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