Masahiro_Hatano

慶應義塾大学卒業後、國學院大學にて神職資格を取得。都内大手の神社に3年間奉仕した後、モ…

Masahiro_Hatano

慶應義塾大学卒業後、國學院大學にて神職資格を取得。都内大手の神社に3年間奉仕した後、モバイルオンラインゲームを主業とする企業に転職し、経営企画→企業広報→人事。実家の神社の禰宜として奉仕しつつ、宗教×ITの可能性を模索中。神社に関する記事をポストしていきます。

最近の記事

浄と不浄のあわい 穢れと微生物

今月から、Deep Care Labが主催する「Weのがっこう」に参加しています。 ゲストによるトークセッション、参加メンバーとの対話を通して、「いま、ここ、わたし」だけでない、過去・現在・未来、自然物・人工物、わたし・わたし以外の生物、あまねく思いを馳せる学びの多い時間を過ごしています。 モジュール1のテーマは「わたしと自然・生き物」。アーティストの大小島真木さんのお話を伺いました。 海を渡り土に触れながら創られる大小島さんの作品はどれも印象的で、外部と一体になる拡張

    • まつりの話

      今日は神社のまつりの話です。 「祭」というと、いわゆる屋台が出て、花火が上がって、盆踊りのようなことをやるという祭(フェスティバルに近い)を想像される方が多いと思います。神職が「神社でお祭りをやっている」と言っても、そちらを想像しているとなかなか話が噛み合いません。神社で行われる「祭」は祭典、セレモニーの方が近い概念のように思います。 神社のお祭りは、大きく大祭、中祭、小祭、諸祭(雑祭とも)に分類されます。 大祭は主に3つ、祈年祭、新嘗祭、例祭です。 2月の祈年祭は田植

      • 手水の話

        しばらくご無沙汰してしまいました。 さて以前大麻の話でお話ししました「祓」について。神主さんにお祓いをしてもらわなくても、自分で身を清められる方法に、手水があります。 寺社仏閣の境内には大抵手水舎があり、手を清めることができます。神様という大変畏れ多い存在の前に出るわけですから、本来は水を浴びて体を清め、服装を正し、心を平静に保ち…とするべきなのですが、なかなかいつでも全てできるものではありません。そこで、誰でも簡易的に身を清めることができる手段として、手水を使います。

        • 令和の話

          いよいよ平成晦日を迎えました。 学生時代は万葉集を専門とするゼミに所属しておりまして、令和は万葉集に典拠しておると聞いて万葉集界隈はにわかに色めき立ったものであります。 巻五の「梅花の三十二首」の序文をもとにしており、非常に品があってしっくりくる良い名前だと思います。 「平らけく成る」と書いた平成の御代ではありますが、未曾有の大災害の数々、インターネットの普及に伴うコミュニケーションのあり方の変化、大企業の経営破綻など、良し悪し取り混ぜて様々な出来事がありました。平成を生

        浄と不浄のあわい 穢れと微生物

          「ケガレ」の話

          「パワプロ」というゲームをプレイしたことがありますか?野球ゲームの不朽の名作で、中でも「サクセスモード」といって、高校野球、社会人野球など様々な舞台で主人公を育成するゲームが人気です。 そのサクセスの中で「やる気」という要素があります。例えば監督に叱咤激励されればやる気が上がり、彼女に振られればやる気が下がる、などとイベントによって上下します。強力なバッターもやる気が出ないとホームランが打てなかったり、怪我の確率が上がったりと育成上は意外に重要な要素です。 さて、主人

          「ケガレ」の話

          神様のエネルギーはなくならないのか?

          神様の持つエネルギーを御稜威(みいつ)と言います。私たちは折に触れて神社に詣で、また自宅に神棚をお祀りすることで神の御稜威をいただいて暮らしているわけなのですが、こんなにも日々神様のお力をいただいていて、神様のエネルギーはなくならないのでしょうか? これは民俗学的な切り口ですが、日本古来の儀礼に、毎年正月、ムラ組織の長(いわゆる親方)に新年の挨拶に行くという風習があります。昔は上司の家に新年の挨拶に行くことも普通だったと思いますが、現在は実感としてはほとんどなくなっています

          神様のエネルギーはなくならないのか?

          大麻の話

          ピエール某氏の…ではなく、神社の話です。大麻と書いて「おおぬさ」と読みます。お祓いしてもらう時にシャッ!シャッ!とやる、紙のふさふさのあれです。 お祓いは文字通り体についた悪いものを祓う(払う)ことで、例えば服についたゴミを手でぱっぱっと払う、考え方の根源はそれと同じだと思います。 ただ、大麻とは面白いもので、あれ実は払い飛ばしてるのではないんですね。紙のふさふさでシャッシャッとやることで、悪いものを吸い取っているのです。はたきか掃除機かで言うと掃除機に近い、身近な例だと

          神社の話

          「御朱印ガール」という言葉が出てきてはや数年、御朱印集めはもはやブームを超えて当たり前、市民権を得てきたように思います。 神社に興味を持つ方が増えて嬉しく思う反面、ネットや書籍には「???」という情報も結構あって、独自の解釈が広まってしまわないか、少し心配しています。私は今現在は事業会社勤めですが、神社で生まれ育ち、東京の神社にも勤めた「中の人」として、神社に関する話をしていけたらと思います。 神社とお寺って何が違うの?という質問をよく受けます。そもそも宗教が違うのですが、