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続・ローカルにとっての【移働】の可能性

ちょっとご無沙汰してしまいました。全国ときどき移働協会会長の江原政文です。移「働」とは字のごとく「移動しながら働く」で、僕が個人的に面白そうと思った全国のコミュニティに行き、何日か滞在して、自分の仕事もしつつ、地域の人とも交流して、勝手に僕の住む佐久地域とつなげてくる活動をしています。

なぜそんなことをするの?については以前綴ったこのあたりを読んでいただければと思うのですが、きっとこれから先のローカルにとってプラスになると思っているからです。

前置きが長くなりましたが、ここから本noteの本題です。先日、2019.8.23-24の二日間にわたり、僕の住む長野県佐久市でキャンピングセッションを開催しました。ローカルにとっての移働の可能性をより感じた体験になったので、綴っておきたいと思います。

◆キャンピングセッションとは

さて、キャンピングセッションとは、事業戦略を考えたりやチームビルディングをしたりなど、創造力や発想力が大切な業務を、普段のオフィスではなく、アウトドア環境でやってみませんか?という提案です。なぜ、アウトドア環境で?というと、「デジタル計測で判明した「森の癒やし力」、企業の業績アップにも役立つ?」の記事にもあるように、自然環境は仕事のパフォーマンスを向上させてくれる効果があるそうです。確かに、企画を考えたりなど創造力が必要な仕事に関しては、自然の中を歩きながら考えたほうが出てきやすいような気が、自分自身の体験を踏まえてもするわけです。もちろん、単純作業など効率を追求する仕事はオフィスのほうが良いのは言わずもがなですが。ということで、今後佐久で主に首都圏の皆様のお役に立てるようなサービスとして展開していきたいと思っている事業でもあります。

今回、初開催だったので、地元の活動仲間や、首都圏の知人の紹介など純粋にこの企画を面白がってくれそうな皆様に集まっていただきました。総勢20名以上、ほんとに多くの方に集まっていただき、うれしい限りです。そして、議題は決めず「地域と地域外の人が仲良くなる」ことを大まかな方向性として、実施してみました。

◆二日にわたるプログラム

1日目の前半は、佐久のシンボル浅間山が見えるアウトドア環境にて、今回のセッションの目的の共有や自己紹介をし、地元の地産地消を大切にしたMaruCafeさんのおいしいお弁当を食べながら交流を深めました。後半は佐久地域を周遊し、夜はゲストハウス&シェアハウス柏屋旅館で佐久の良いところや課題についてセッションしながら交流会を開催しました。そして2日目は、前日のセッションをもとに、再びアウトドア環境で「自分がワクワクしながらできること」についてセッションをしました。

◆地域の活動家と地域外の人がつながる瞬間

今回開催してみてうれしかったことは、初日後半の佐久周遊については、コースはこちらであらかじめ用意していたわけではありませんでした。午前中のセッションで挙がった「ここに行きたい」という意見から、その場で工程を組んでアポとって周遊しました。これ、おそらく数年前ではできなかったんじゃないかと思っていて、確実に地域の点と点がつながってきていると思えます。あと、地域外からの参加者も、佐久のことを自分ごととして考えてくれて、一つプロジェクトが動くことになり、9月に具体的に実行されました。これも、簡単そうで簡単なことではないと思っています。佐久地域外から来てくれた方の技術や人柄、フットワークの軽さ。そして地域に根差している活動家があってこそできることだと思っています。

◆都市でのプロセスからの除外と、ローカルの現状

また、今回セッションの中で、首都圏在住の方からの言葉で印象的だったのが「プロセスからの除外」という言葉です。首都圏に住んでいると、効率化を追求した結果仕事は分業されているため、生産活動の最初から最後までのプロセスにかかわれることが少ないのだそうです。また「大量消費」の都市であるがゆえに、よりその出来上がった商品のプロセスにどのようにかかわっているのかがわかりづらく、創る喜びが感じにくいのだそうです。それが「プロセスからの除外」と表現されたわけです。

かたや、ローカルといえば、、、素材はたくさん転がっていますが、それををつないだり、創造したり、発信したりする人材が圧倒的に足りないわけです。ですから、首都圏では多くの人の中で埋もれてしまっているうちの一人かもしれませんが、ローカルだとその技術で何か生み出す活動にかかわり力が発揮される可能性があるわけです。それに、人が少ない分、生産活動のプロセスがすごくわかりやすいので、創る喜びをすごく感じられるはずです。さらには、僕が言うのもなんですが、佐久地域はここ数年、面白いコミュニティがいくつか生まれていて「いま創造されている」感があります。だからこそ、プロセスにかかわりたい首都圏の方にとっては、とても面白い場所だと思うのです。実際に、上述した通り、地元の活動に首都圏のチカラが加わって形になりそうなコトも、この短い2日間で起こっているわけでもあり。

◆改めて、ローカルにとっての【移働】の可能性

さて、キャンピングセッションで感じた【移働】の可能性の話に戻します。

今回、首都圏の方々に佐久に来てもらい、地元の活動家との接点を持っていただく機会を作ってみたわけです。結果、やはり技術や経験や人脈のある面白い人たちが来てくれました。そして、そのチカラと触れ合うことでコトが起こりそうな空気が生まれました。

さて、全国の面白そうなコミュニティを【移働】し、勝手に佐久とつないでいる身として思うのは、どのローカルも圧倒的に人材不足なわけです。

ということで、今回のように佐久で首都圏の皆さんとの接点を持つ機会は、多分僕がローカルとローカルをつないでいる活動と良い意味でリンクするはずなんです。

僕自身【移働】しながら意識しているのは『ただ単に場所を変えて仕事をするだけじゃもったいないから、自分の仕事もリモートでしつつも、地域とも交流をもつ』ということです。そして、今回この企画に来てくれた方々はまさしく【移働】するひとたちだったのです。そんな【移働】する人たちは、全国何か所も旅しながら仕事や共創ができるから、人口が減っていくこれからの日本にとって、とても良い方向に向かうと感じています。

そんな可能性を感じた二日間でした。

ということで、これからも【どきどき移働】していきたいと思います。何が起こるか未知数なところが、僕を刺激してくれて、人生とても豊かにしてくれています。【移働】って、いいですね。



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