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統合失調症の私が紹介する復職するためのメソッド

 こんにちは。統合失調症のまさふみです。2023年を迎え、身が引き締まる気持ちですね。一方で引き締めすぎても、自分を苦しめるだけなので、ゆる〜く自分に厳しくし過ぎず生きたいものです。

 今回の記事では、自分が1年間の休職を経て復職するまでの経験をもとに、復職するためにはどんなマインドやアクションが必要であったかをお伝えします。大きく4つに分けてご紹介します。この記事は、現在病気で苦しんでいて休職しようか迷っている方や、これから復職に向けて準備している方々に読んでいただけたらと思います。ぜひ、ご自身のご経験と照らし合わせながらご覧ください。

簡単な自己紹介

 最初に、私がどのような経緯で休職し、復職に至ったか簡単に説明させてください。

 私が、「ちょっとおかしいな、普段の自分と違うな。」と思い、精神科を受診したのは大学3年生のころです。当初はっきりとした診断は出なくて、修士2年生のタイミングで診断されたのが統合失調症です。
 私の症状としては、
・考えが頭の中でまとまらず、文章の読み書きができなくなる
・昔の嫌な記憶がフラッシュバックする
・フラッシュバックが起きた時に、大きな声が出る、周りのものを叩く
・認知機能障害が残り、短期記憶が弱い
などがありました。

 このような症状が残った状態で、私は就職し勤務を続けました。そして、2021年の12月に限界が来て、休職することになりました。

 以上が、私の簡単な紹介になります。約1年間の休職は、長くも短くも感じる不思議な時間でした。この期間に、どうすれば復職して周りの人と一緒に働けるようになるかを深く考えました。その中で感じた私なりのノウハウ・メソッドをお伝えします。

復職のための4つのメソッド

 復職するためのメソッドは以下の4つです。

  1. 休息

  2. 手書きのメモ

  3. 病気や仕事に対する思考の整理

  4. 上司とのコミュニケーション

 以上が、私が考えた主要なメソッドです。どれも欠かせないものですが、上位のものほど復職に向けて土台になってくるものです。優先して実践するといいでしょう。それでは、それぞれについて具体的にお伝えします。

復職のためのメソッド-休息-

 まずは、休息を取ることです。これが次のステップへ進むための土台になります。これが不十分であると、思考が偏る、何もしていないのに疲れを感じるなどが起こります。そのため、時間をかけて休息を取ることが大事です。

 休息している間は何をしていても構いません。私の場合は、しばらく何をすることもなくベッドの上でゴロゴロしていて、大体2ヶ月間この状態が続きました。その後段々と体調を取り戻し、趣味の読書や数学の勉強を再開するようになりました。とにかく大事なことは、休むことであり、自分にとって負担になることはなるべき避けるべきです。

 では、どれくらい休めばいいのでしょうか?基準は人によって様々ですが、私の場合の目安を紹介しようと思います。

  • 生活リズムが安定する。(夜になったらだんだんと眠くなり、朝になったら自然と目が覚める状態)

  • ご飯が美味しく食べれる。(朝昼夕の各時間帯において自然とお腹が空き、美味しくご飯を食べれる状態)

  • 文章の読み書きが苦ではなくなる。(読書や学習を楽しむことができ、インプット、アウトプットともに苦ではない状態)

  • 人と交流できる。(私の場合は、休職初期は人と会うのを避けていましたが、だんだんと知り合いとも会話できるようになり、最終的には初めて話す人ともディスカッションできるようになりました。また、私はHAYANEという朝活コミュニティに所属していました。元々は生活リズムの安定が目的でしたが、エネルギッシュな方々から元気をもらえ、そういう方々からお話を聞けるのでおすすめです。)

 以上が私の場合の休息期間の目安でした。ここまで精神が安定するまで、約半年かかりました。もちろん、何を目安とするか、どのくらいかかるかは人によって様々です。ですが、多くの人に言えることは、正しく休息していれば「私いつもより調子いいかも!」と思える瞬間がきっと来るはずです。そういう日を焦らずにまち、十分な休息を取ることが必要です。

復職するためのメソッド-手書きのメモ-

 2つ目のメソッドは手書きのメモです。具体的に何をすればいいのかご紹介します。

 何かに悩まれている方、精神疾患を抱えている方は、たくさんのマイナスの情報を頭の中だけで処理しがちです。それってとてもしんどいですよね。。。昔の自分がまさにそうだったので、とても辛かった記憶があります。

 頭の中だけで処理しがちな方は、ぜひその頭の中の情報や感情を「すべて」メモに表現してください。最初は頭の中のモノを言語化するのが難しいかもしれません。なので図や絵でも構いません。頭の中がとにかく暗くグルグルの竜巻状態であれば、それをそのまんまメモに表現してください。そうすると気分が落ち着き思考も整理されるはずです。

 手書きのメモを残すメリットは2つあります。1つ目は、頭の中の情報を紙へ吐き出してスッキリできることです。モヤモヤした情報や感情を手で描くことでアウトプットし、気持ちを晴らすことができます。きっとスッキリするはずです。2つ目は、頭の中のモノを可視化でき情報や感情の整理整頓ができます。人間は、目に見えないモノは、整理や解釈がつきにくいものです。殴り書きでもいいので、頭の中の情報をメモに残し可視化することで、自分が何に悩んでいるのか認識できるようになります。これが上達すれば、自分を客観視できるようになり、解決策も自然と導けるようになると思います。

 ここで、頭の中のモノをアウトプットしメモするためのおすすめの本があるのでご紹介します。『ゼロ秒思考』という本をご存じでしょうか。「メモなんてみんな適当でしょ!」この本に出会うまではそう思っていました。この本には、頭の中の情報を最大限アウトプットする方法や、整理の仕方を教えてくれて、それらの最適化されたメソッドが載っています。ご興味のある方はぜひ読んでみてください。

復職に対するメソッド-病気や仕事に対する思考の整理-

 休職してから復職するまでには、自由に復帰して良いという訳ではなく、復職面談や人事面談と呼ばれるような面談をパスしなければなりません。私の場合は、上司、人事、産業医、カウンセラー、アドバイザーが出席するような、かなり畏まった面談でした。この面談では、病気の再発防止策や、復帰後の仕事のしかたなどが聞かれるはずです。これには、入念な準備が必要です。病気や仕事に対する意思をあらかじめ整理しておく必要があります。ここでは、復職に向けて具体的にどんな内容を整理しておいたらいいかを箇条書きでまとめておきます。整理する際には、前節でお話ししたような手書きのメモがおすすめです。

  • 休職期間中はどのような過ごし方をしていたか。(どのように休息の取り方をしていたか、何をして過ごしていたかを答えられるように整理しましょう。段々と体調が良好になっていつでも復帰できることを具体例を交えながら説明できると良いです。)

  • 休職前と比べて現在は何が変化したか。(自分のどのあたりが良くなった言えるかまとめましょう。私の場合は、症状の改善、生活リズムの変化、意欲の向上などを話しました。)

  • 何が原因で病気になったと言えるか。(休職直前の自分を、回復した現在の視点から振り返ってみましょう。私の場合は、幼少期の頃から苦手としていたコミュニケーションが仕事の中で負担になっていたことを話しました。)

  • 病気が再発しないためには何が必要か。(病気とうまく付き合っていくために実践していることや、病気の再発を未然に防ぐために必要なことを整理します。私が整理した内容を紹介します。

    • 起床、睡眠などの生活リズムを徹底する。

    • 重症化する前のちょっとおかしいなのタイミングで上司に相談する。

    • 休日は趣味の時間を作る。

    • コミュニケーションに対する苦手意識をなくすため、人との交流の機会を徐々に増やしていく。)

  • 働き方について何をどのように改善していくべきか。(病気とうまく付き合いなら仕事をしていくためには、これまでの働き方ではダメだと実感しました。これまでとは違った働き方を実践する必要があります。私が整理した内容を紹介します。

    • 一緒に働く人に自分の症状や苦手としていることを共有する-例えば、自分の場合は、フラッシュバックが起きると大きな声が出てしまったり、いきなり話を振られるとパニックになってしまうことなどを、事前に職場の方に伝えました。事前にお話ししておけば周りの人も心の準備ができるので、相応の対応をとってくれるはずです。

    • スモールステップで成功体験を積む-いきなり難易度の高い仕事ではなく、現状の力の6割ぐらいの力でできる仕事を振ってもらい淡々とこなしていきます。そこで得た成功体験を自信に変え徐々に難しい仕事もこなしていく方針で上司と相談しました。

    • 仕事を並行ではなく直列に振ってもらう-健康な体ならタスクを3つ4つ同時に振られても、それらに優先度をつけて対処できます。ですがそうではないのなら、1つずつ順番に仕事を振ってもらったほうが、自身で優先度を考えなくて済むので仕事を進めやすくなります。

    • 理解できなかった部分はしつこく聞き返す-私は短期記憶がとても弱いです。秒数にして2秒前の内容を忘れてしまいます。そのため、メモをとっていても取りこぼしが生まれてしまいました。今までの自分だと相槌を打ってそれとなくその場をやり過ごしていました。それではいけないときづき、私は記憶できなかった所、メモできなかった箇所は徹底して聞き返すことを決めました。聞き返すことを前提として話を聞くため、重要なキーワードだけ頭の中で連呼し記憶に留めておき、「○○までは理解できましたが、△△の内容は理解できなかったので、その部分をもう一度お聞かせください。」というように聞き返します。)

 以上が、休職中に整理した病気や仕事に対する思考をまとめたものです。具体的に話したので、少し煩雑になってしまいましたが、皆さんのお役に立てたら幸いです。続いてが、最後のメソッドになります。

復職のためのメソッド-上司とのコミュニケーション-

 最後のメソッドが上司とのコミュニケーションです。これまでのメソッドは自分一人でもできていましたが、これは他者を巻き込むのでかなり勇気がいるかもしれません。私の場合は、月1で上司と1on1という形でコミュニケーションを取っていました。幸いなことに、私の上司は優れたマネージャーであったため休職するタイミングで定期的なコミュニケーションの場を設けていただきました。

 上司とコミュニケーションを取るメリットは、前節で整理整頓した思考を上司にぶつけることできることです。病気の付き合い方や働きやすい環境についてしっかり考えてきたはずなので、それを思いっきりぶつけてやりましょう。もちろん全てがその通り行くことはないですが、伝えてみることは大事です。

 また、上司から質問をされたり提案をされたりすることもあるでしょう。それが、自分の意思や思考をより洗練させたものにするチャンスです。質問や提案に対して真摯に受け止め、自分の働きやすい環境を手に入れるために受け答えしてみましょう。

 基本的には、上司は私たちの味方です。むしろ私の場合は上司だけが私の味方でした。上司の仕事はチームのメンバーのマネジメントであり、メンバーの力を発揮させつつそれを業務の成果に還元させることにあります。それは病気を持っている休職者に対しても同じです。私たちが本気で仕事に復帰したいと向き合えば、上司もそれに答えてくれるはずです。ですので、上司とは休職中も密なコミュニケーションをとり、自身の力を発揮できる仕事環境を相談しましょう。

まとめ

 以上が、統合失調症の私が紹介する復職するための4つのメソッドです。

  1. 休息

  2. 手書きのメモ

  3. 病気や仕事に対する仕事の整理

  4. 上司とのコミュニケーション

 全ての方に当てはまるとは限りませんが、以上のメソッドを軸におけば復帰の道へ近づけることは間違いないでしょう。

 精神疾患で休職している人でも、正しい休息の取り方、復職のための準備を欠かせなければ、きっと復職できキャリアを築けるはずです。先の長い道のりになるかと思いますが、焦らず今できることを少しずつ進めることが、いずれ大きな飛躍となるはずです。

 長文となってしまいましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました。

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