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[第12節_富山vs宇都宮(後編)] ‐富山が"宇都宮超え"を果たすための課題-[20/12/9]

※こちらの記事は下記、
[第12節_富山vs宇都宮(前編)] ‐37点差の理由とブースターの心得-[2020-21]
の続きです。
まだ読まれていない方は下記をどうぞ。

この試合では結果的に100-63で宇都宮の圧勝となったが、実は所々富山が宇都宮を圧倒する場面があった。
この試合には"宇都宮超え"のヒントが多くあったのだ。
それを解説していきたい。

・実は宇都宮を圧倒していた1Qの駆け引き

まずは第1Qの解説から。
実は1Qの内容は悪くなかった。
むしろ場面によっては宇都宮を圧倒していた。ただの4点ビハインドでは片付けられない非常に良い内容だったと言える。

スコア上は14-18の4点ビハインドに終わったが、これは単純にシュート率の差だ。既に富山はこの10分でマブンガ、スミス、ソロモンで5本のフリースローを落としていたし、2本打ったなら修正して1本は決められたであろうマブンガの同じステップバックのスリーも2本とも打ち損じた。

これらが入っていればプラス8点で22-18。
充分先行できていた内容だった。

しかし、オフェンス面を抜きにしても素晴らしかったのが失点だ。
18失点というと40分換算で72失点であるため、ごく普通の出来という印象かもしれないが、富山の宇都宮戦前の時点の平均得点は88.8であり、この時の富山の今季最低得点は三河戦の2日目の77得点。
8人ローテーションかつ外国籍選手も2人という状況で挑み、4Qにガス欠となったあの試合でも富山は77得点しているのだ。

つまり、1Q18失点というのは富山にとっては合格点なのである。

・最初の2ポゼッション
ではここから映像を添えてより具体的にプレーを分解し、解説していく。
まず富山ボールで始まった1ポゼッション目のオフェンスだ。

宇都宮はスミスのポストアップをきちんとスカウティングしていた。
ロシターはスミスが1on1を始めようとした瞬間、すぐさまダブルチームに行く。
しかし、富山はさらにその上を行く。
スミスのダブルチームに対するカウンターを用意していたのだ。

マブンガは前田へダウンスクリーンをし、前田をフリーにするアクションをする。

しかし、これはフェイク。

マブンガの前田をフリーにするスクリーンアクションを警戒した鵤はこのフェイクにかかり、ロシターがヘルプに行ったことに気づかず、前田のファイトオーバーを優先し、前田へのDFを続けてしまう。

逆に言えば、これは鵤選手がスクリーンに対するセンサーが敏感な優秀なディフェンダーであるが故に掛かったマブンガの罠である。

鵤選手のDF力を逆手に取ったマブンガはフリーになると、ゴール下へダイブしイージーショットを作る。
非常に作り込まれた高度なプレーだ。


続く富山の最初のDF。

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