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もっと、政治の話ができるように。
SNS系を流し読みしてても、いわゆる企業の経営層が政治に言及していることはあまりない。
僕も小さいながら、企業の経営をしていて、SNSでは政治のことを、積極的に発信していません。
そのことに、自分自身違和感もあるし、どうにも座りが悪い。自分を含めた企業の経営層が、なぜ政治的な発言をアクティブにしないのか、整理も兼ねてまとめてみました。
多分、小さな企業のトップは同じような気持ちなんじゃないかな。
ちょっと優しい気持ちで読んで欲しいです。久々に長文。
①行動で見せるしかないと思っている。
基本的には、経済活動にコミットして、あくまで行動で見せるしかないと考える社長が多いと思います。発言だけでは、どうもかっこわるいような気がして、徹底して行動で示したいという思いがある。良くも悪くも日本らしい美学ですよね。背中で見せるみたいな。
行動で見せようとすると、余裕のある大きな会社じゃないとなかなかアクションできません。まぁ結局会社としてはPRに繋げたいってのはあるからね。
ちなみに、1社では無理でも、有事のときだけに発動する、「信頼関係のある、数社合わせてCSR活動や社会活動ができるようなフォーマット」を用意しておくのはどうかなと思っています。
②経済ルールの中で戦うことに終始している。
中小企業の社長の大半は、「ルールの中で、どうやって戦ったら勝てるか」を考えることに長けた方が多いように感じます。でもこのルールって「政治」ではないんですよね。奥にある政治ではなくて、手前の「経済のルール」に全振りしている。経済ルール把握とその中で勝つということを考えているんですね。
それだけでも、膨大な勉強が必要で、ようは日銭を稼ぐためには、そのための勉強をしないといけない。それだけでアップアップです。
だって、書籍だけ見ても、マネージメント/組織論/キャッシュ関連/営業論・・・・etc・・・めちゃくちゃありますもんね。
スポーツのルールに異を唱えることってあんまりないですよね?
「バットとか振る意味あるんですか?なんで3塁に向けて走っちゃいけないんですか?」
それを言い出すと、競技そのものが崩壊しちゃう。
なので、あくまでルールありきで、その中でどう勝つかを考えているので、ルールである政治に口出しすることをあまりしないのかなと。この例え、合ってるかな…。
1つフォローをすると、これ、別に自分だけじゃなくて、会社全体、ようはチームのための勝ちを目指している経営層は多いので、「俺が勝てりゃいいや」ってことでは決してないです。自分も含めた会社の仲間を守ることに能力を全振りしているってことです。
なにより、経済ルールは、ゲームっぽいのと、学ぶことで目の前の利益に直結するので「楽しい」というのは前提としてあります。政治は利益に直結しづらいから、なかなか楽しめないんですよね。
③政治のシステムをあんまりわかってない。
②でも触れた通り、経済のルールはすごくよく把握していても、政治の知識をしっかり持っている人は、そんなにいないんじゃないかな。能力を経済ルールに全振りしてるから。
ゲーム好きだけど、ゲームのプログラムは知らないみたいな感じかな。
これは、理由として怪しいです。僕だけかもしれない。みんなちゃんと勉強してたらごめんなさい。
でも、僕個人の場合は、これがすごく大きい。そして、きちんと把握しきれてないものを発言することが、どうも性格的にできない。
「まずアクションだろ」ってのもすごく分かる。わからない奴は発言するな、とは1mmも思いません。
ただ、みんな発言前に調べるってのはクセづいている人が多いのではないかな。SNSだと、調べているうちに次の話題になってしまうから、のれないってのはあるのかもしれません。
人事採用系のイベントとか、企業のカンファレンス見たいのは乱立してますけど、もっと政治を多角的に学べる勉強会を企業が開催してみたらいいのではないかな。弊社でも、落ち着いたらやりたいと思います。企画の真っ最中。
④個人の思想と会社の思想を別として考えている。
SNSでもしょっちゅう炎上しているように、政治思想ってどうしても熱が入りやすい。
だから、ひとつの集団である会社が、政治のことを突き詰めると、集団で一緒に活動できなくなっちゃうと思っています。
余談ですが、昔の会社で「僕はどうしても年金制度が納得いかないから、年金を給料から引くのはやめて欲しい。」と真剣に申し出たら、役員+経理に呼び出され「会社はそういうことはできない。そういう場所じゃない。本当にそれがしたいなら辞めてくれ。」って2時間くらい怒られたことを思い出します。まぁ、もっともです。
とはいえ、義務だから仕方ないって思って払い続けていますが、年金はいまだに納得いってないです。切れるならすぐ切りたい。
話が極端ですが、多分そういうことが会社で起こるのは、生産的でもないですし、会社側としては無駄な議論になってしまうんですよね。ようは、利益に直結しないことを会社でやることの意味がないと考えている。突き詰めると、クライアントさんも付き合いづらくなることだってありますよね。きっと。
⑤国と相互に関係を持っている。
大抵の会社は、現在のシステムの恩恵にまんまと乗ってしまっているという側面はあると思うんです。
創業資金を借りれたり、規制緩和のおかげでうまく会社をできていたりする。
ポジティブな捉え方によっては「君にやりたいことがあるなら、国が補助してあげるから、法人というシステムで頑張ってみたまえ。」と言われているようにも思えますし、ネガティブに捉えるなら「お金貸してやってるんだから、ガタガタ言わずに黙って経営だけやっとけや。売れたら、ちゃんと恩返しするんやで?」とも思えるわけです。
だから、法人を持っていることで、国が優しく感じることは、あるんです。優しい借金取りに依存しているような状態とも言えるかもしれませんが。
今回も企業への融資の決断は早かったですもんね。単純に国は会社を通してお金も権利も分配しようと思ってるんだろうけど。
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以上が、企業の経営層が政治的な発言をあまりしない理由。ていうか、正しくは、僕が発言しない理由です。
なんか、ぼやかして全体感で逃げ腰で語ってるように見えたらごめんなさい。わかりにくかったかな。なぜか、ビジネスの話だと、すごくみんな冷静に解答に向かえるのに、政治の話は加熱しやすいから、ちょっと気をつけつつ。
小さくても経営をやっていると、どうしても目の前の利益は追求しなきゃいけない。特に社員がいる企業にとっては、それはとても重要です。自分と目の前の人や家族の生活に直結しているから。
ただ、僕が心配しているのは、日本では特に中小企業が多いのに、政治にコミットしている経営層がとても少ないように思うこと。
実際、経営層との会食でも、政治の話が積極的に議論されることは、ほぼないです。若干のタブーっぽさもある。
あとは地方とかだとすぐに自治体とかあれこれ絡んでくるケースが多いと聞きました。だから、政治的な発言はもっとタブーなのかもしれませんね。
今って政治の世界にいたらいいな…って思うくらい能力値の高い人がいても、絶対政治の世界にいかないよね?きっと自分で会社やるとか、個人でサロン立ち上げて勝ち抜くって方に行くと思うんだよな。
その流れは仕方ないので、日本のボトムアップを考えるには、まずは中小企業間でも、もっとフラットに政治の議論ができないといけないのではないかと思っています。社内というか、仲のいい会社間だけでも。そしたら、きっと良い道が見えてくるんじゃないかな。
もうそうしないと、一社での利益追求や個人での現状ルール内での勝ち抜けでは立ち行かない世界になってきている。
少なくとも、政治や社会を考えずに勝ち抜くことの正しさを、僕自身は見いだせなくなっている。また、そういうコンテクストがないビジネスが華麗にスベりだしてると感じてます。特に世界的に。
今回の自粛でも、自社の利益に直結するようなコンテンツは、各社からすごくスピーディに立ち上がったりしてましたよね。素晴らしいと思いつつ、ちょっとだけ「うぅむ」となってしまった。
もう少しだけ、大きな目線で考えることがこれからの日本の課題なのかな。
こういうことをSNSで発信するかどうかは、全然別の話です。僕は、政治発言はSNSと相性がいいとは思っていない。これが理由として一番大きいのかもしれないけど笑
現状は、粛々と目の前の仕事を真摯にこなすことが、一番重要だと思います。
でも「僕らみたいな小さな会社は、ひとまず、このルールでやるしかないじゃないか」というようなことは言い飽きた。
僕のアクションは、こういうことを考えてみて、勉強して、仲のいい経営者の方と、いろいろ話をしてみることから始めてみることからにします。
以下、余談。
今こそ、JFK Jrが手がけた政治をサブカルみたいに扱うというコンセプトの「George」みたいな媒体ができたら面白いのかもしれないですね。
創刊号の表紙、自分の父の不倫相手とされていたマリリンモンローがモチーフ。超カッコいい。世界はいつでも、ユーモアを求めてる。
こういう雑誌、今こそあればいいのに。
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