映画を観ても腹筋は割れない。
腹筋を割りたいのに映画を1000本観ても腹筋は割れない。腹筋を割るならダブルクランチ。「当たり前じゃん」と思う人も多い。こうして文章に書くとそうなのだが、僕は腹筋を割りたいのに映画を観てることが多かった。
昨日、壁にぶち当たるのことは自分の成長にとって大事なことで、日々壁に打ち当たり続けて壁との日常的な付き合いを持つのが大事なこと、っていう記事を書いた。そんなことを気づく前までに僕は腹筋を割りたいのに映画を観ていた。
映画は素晴らしい。
映画はとても好きだ。たとえば20〜30年代の映画を見るその時代の価値観や文化、そんなことがわかったり表現や映像表現がどのように変化したか、いろんなことがが楽しめる。僕はジャズか好きだから自ずと映画は避けては通れない。
ジャズは映画と切っても切り離せない。サイレント映画だった世の中から1927年に世界初の声が入ったトーキー映画が上映される。そのタイトルは「ジャズシンガー」。黒人ショーのミンストレルを白人が黒塗りで演じるその表現は今は色々な問題もあるかもしれないが、当時において声が入ったという映画は革命的だった。
そこで歌われたポピュラーソング「Blue Skies」はその後多くのジャズアーティストがカバーした超有名なジャズスタンダードになった。
ショウボードという映画がある。19世紀後半頃にエンタメがない地方向けにミシシッピ川を下ってショウをしに行く船があった。その仕事に関わる人達の物語。ここに流れるOl' Man Riverは有名なジャズスタンダードになっている。
映画を観なければショウボードという文化を知ることはなかった。またここには差別を容認するジム・クロウ法の執行するようなシーンも出てくる。
エンタメとしても当時の文化や価値観を知ることとしても映画は素晴らしい。僕はジャズを通してそうやってエンタメ、ブロードウェイ、映画、文化、経済、歴史、など素晴らしいものに触れていっている。
映画を観ても腹筋は割れない。
映画を観るのはそういった楽しみや目的がある。僕は映画を観るときは腹筋を割ろうとは思っていない。映画は知識や楽しみを享受することはできるが腹筋を割るためのものでないからだ。
しかし、腹筋を割りたいのに映画をついつい観てしまう、そんなことがよくある。
例えば、本当は何かに挑戦したいのに計画ばかりたてて、計画の上でうまくいかないような気がして変更を重ね、考えるうちにどんどん難しく感じて、結局「やらない方が良いのでは」という結論になる。
やりたいことがあるなら計画よりまずやってみることの方が大事だ。そうしないと何も始まらない。こういう風に書くとなぜか「うーん、でも…」となる。しかしこれは言いかえれば「腹筋を割りたいのに映画を観ているようなもの」だ。
僕は長らくそれをしてしまった。腹筋を割りたいのに映画を観てきた。やりたいことがあるのに計画を立ててきた。そして頓挫してきた。それは「失敗した」とは思わなかった。「賢明な判断をした」と思ってきた。
人はそれをやらないと成長しない。筋肉は使わないとつかない。放っておけばどんどん衰えてくる。体力も減る。いつもは映画館で連続で見れるものが、一本観ても疲れるようになる。
腹筋を割りたければやるのはダブルクランチで映画を見ても腹筋は割れない。当たり前だけど、なぜかこれが分からない時期が長く続いた。
現状維持は少しの努力のこと。
今は腹筋を割りたいからダブルクランチをやる。映画は表現を楽しんだり当時の価値観を知りたくて観る。きっちり必要なことを得られるための実行にうつしている。
これをするようになったのは、やらないと衰える、ということがわかったからだ。現状維持は何もしないことではなく、少しのストレスをかけることだ。つまり少し成長させないといけない。
例えば学生の頃に50メートル走を7秒で走れたとする。それを今もキープするためには必ず毎日トレーニングをしないとキープできない。もし映画を10年見続けてあの時と同じタイムが出るなら別だが、キープだけでも結構大変だ。
昨日と同じくらいピアノを弾くためには今日も弾かなければいけない。ましてや昨日より上手くなるためにはさらにやらなければいけない。こういうことに気付いてからは「何もしないことはとてもリスクである」といことに気付いた。
それから映画を観たい時はしっかりと映画を観て、腹筋を割りたい時は腹筋を割り、やりたいことがあるなら、それをすぐやる、というしっかりと一番効果の高いことを実行に移すようになった。
昔の自分に戻らないためにいつも言い聞かせている。「映画を観ても腹筋は割れない」と。
毎日ジャズピアニスト。毎朝6:30〜コーヒーとジャズと演奏生配信。演奏動画にテキスト解説。みてるだけで音楽教養かも。かねこのジャズチャンネル。チャンネル登録よろしくね(✿︎´ ꒳ ` )↓
日々のつぶやきは、
毎日ジャズピアニストかねこ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？