大学業界の現状#1 ~少子化と大学間競争の現状~
日本における少子化問題は、大学教育の将来に大きな影響を与えています。今回は少子化と大学間競争の現状について紹介します。
18歳人口の減少
文部科学省が推計したデータによると、18歳人口は2005年に約137万人でしたが、2022年時点では約112万人まで減少しています。
今後、2035年には100万人を割って96万人となり、さらに2040年には約82万人にまで減少すると推計されています。
18歳人口の現状と見通しは大学が学生を確保する上で大変厳しい状況と言わざるを得ません。
一方、大学(学部)への進学率は地域によって差があるものの、全国的に2007年から上昇しています。このデータにより、大学間競争の現状は厳しくなっており、今後ますます競争が激しくなることは確実です。
18歳人口、大学(学部)への進学率等のデータについては文部科学省がまとめているデータ集がありますので興味のある方はご参照くださいませ。
文部科学省データ集
大学間競争の現状と課題
私立大学を中心に、学生確保において大学間の競争を勝ち抜けなかった多くの大学が既に定員割れを起こし、経営が困難になっています。
また、国公立大学、私立大学に関わらず、地方の大学や地方の学部は都市部に比べて学生を引き付けるための資源が限られており、魅力を向上させるための戦略が急務となっています。
このような状況において、経営基盤を安定させて、大学が持続可能な成長を実現させるためには、大学の魅力を向上させ、学生を確保するための効果的なブランディング戦略が必要です。
大学の魅力を高めるための具体的な施策を実行することが、大学を運営する法人に求められています。
大学の良いブランディング事例を知ること=魅力的で安定している大学を知ることです。
魅力的で安定している大学を知ることは大学職員への就職・転職や大学受験においても極めて重要です。
大学を形作る様々な分野に焦点を当て、国内や海外の大学ブランディングの好事例も紹介できればと思います。