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備えあればなんとやら

泥中の蓮というのが好きで、自分の理想のイメージとして思い浮かべる時がありますが、実は字面だけ見て好きになったので意味は知りませんでした。

どうやら「煩悩や誘惑が多い世の中にいても自身を清らかに保つこと」という意味らしく、僕のイメージするものと少し違いがありました。

これだと「蓮」そのものは美しくて汚れがないという意味になります。
だから「汚い泥なのになんて綺麗な花が咲くんだ」みたいな感じなのでちょっと齟齬があるなぁと思いました。

僕のイメージは「煩悩や誘惑に魅せられたとしてもそこから学んで前に進むこと」です。自分そのものが汚れてしまっても、そこからどうするのかを工夫することが僕は大切にしている。

先日の帰省での父親との話で自分の中にある癖というか思い込みみたいなものに気づくことができた。そのうちの1つに「潔癖症」というのがある。

これは埃が気になるとか、人の握ったおにぎりが食べられないという物理的なものでなく、些細な一言が気になるとか、ズルが許せないなどの「内面的」な潔癖症のことだ。

これを言われた時は内面についても潔癖という表現がなされることに新鮮さと深い納得があって面白かった。僕は自分の内側をとにかく綺麗にしておきたいというか、後ろめたいことや罪悪感など、過去の諸々を全て清算したいという欲求がある。

とはいえこれは自分ルールなので結構雑で、世間的にはアウトなのに自分にとってはOKとか、自分の都合でOKにしてるだけで実際はアウトとか、潔癖を謳ってる割に意地汚い部分もしっかり内包されている。

一瞬にその人の全てが映し出されるというが、心の機微の一瞬というかAからBに切り替わるほんの一瞬にとてつもなく浅はかで一番自分の醜いところが出てしまうことを直視できなかった。

呪術廻戦において必殺の一撃となる「黒閃」は打撃との誤差0.000001秒以内に呪力が衝突した瞬間起きるとんでもない威力の打撃であるが、気持ちの切り替わりの誤差0.00001秒だけ見えるとてつもなく濃縮された「竹内晶貴」という人間の根源とも思える醜さをどう扱ったら良いかわからず、ただ蓋をし、強迫的なまでに綺麗であろうとした。

雲1つない、穢れ1つ許さないという意識と同じ大きさでドロドロとした底知れない嫌悪が控えている。
美しさとはなんなのかと考えていた時に「終末のワルキューレ」にこんなセリフがあった。

姿?造形などどうでもいい。
美しいのは今の君という存在そのものだ。
己と向き合い魂を焦がして戦うきみは、とても美しい
美しくなきものとは今に満足し前進を止めるもの、今の幸福や幸運の上であぐらをかくものだ。
己を知るとは己が足らぬことを知ること。
己を知るものは己が弱きことをしる。
己を知るものは己が変わることを恐れぬ
己を知るものは須く己が美を誇るべし

終末のワルキューレより

解釈は色々あれど僕にとっての美しさとは「泥くさく気張っていこーぜ」というのがしっくり来てます。

綺麗でありたいというのは「救われたい」という意味もあるのではと思っていてそれは家族との関係において強く出てきます。

父親と話をすることができましたが兄弟はまだです。
こちらは自分の都合で進めるのは違うと思っていて、丁寧に付き合っていく部分にしています。

意識やスピリチュアルな学びをしていると、自分の人生のブロックとなっているものは何かを認識します。

これを解消すればもっと自分は前に進めると思って一生懸命頑張ります。
でもそれが親子や兄弟などの「他者」が関わる場合注意が必要なのではと思ってます。

自分が変化したことを相手は知らないし、こっちの都合で急に何年も疎遠だった関係性を急激に縮めるのはどうなのかと思うからです。

自分が変われば世界は変わる、確かにそうだと思います。ですがこの世界特有のタイムラグはあるしいくら短くなっているとはいえそう簡単には行かないと思ってます。

特に、自分が救われたいからという理由のみで動くのはやめた方がいいなと根拠はないですが持っています。

これすらも自分で決めているとなると話が終わらないので割愛しますが、その視野で言うなら僕は「手間をかけて丁寧にやりたい」です。

感覚で距離を測って、今がタイミングかどうなのか探る。怖さがあるのかどうかも丁寧に見ていく。

そしていつタイミングが来てもいいように日頃から自分を磨いていく。
常に「準備」して生活しながら来るべき時のために地道に積み重ねることが最善で最短なのではないかと思います。

横着した瞬間終わると思っています。特にエネルギーや意識の領域においては。
「生活」が横着の土台にもなっているので自ら「手間」を生み出す意識がないとなかなか難しいのではないかと個人的に思ってます。

地道にコツコツ泥くさく。
泥中に咲く花はそれはそれは美しいものだと僕は思います。

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