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子供たちの才能を発揮させるためのポイント


みなさんこんにちは!
子どもの笑顔を増やしたい高校通級を担当している高校教員のmasaです!

仕事や日常での学びをより深めるためにnoteにアウトプットしています!

今回は『発達障害という才能』岩波明著を読んでの学びを書かせていただきます。


◯『発達障害という才能』

こちらの本ではイーロン・マスク、楽天の三木谷さん、ニトリの似鳥さんなどの起業家からモーツァルト、山下清さんなどの芸術家、エジソンなど様々な分野で現代まで名を残している偉人の事例が紹介されています。
名を残したこれらの方々の発達障害の特性を感じさせるエピソードも紹介されています。

そして、この本から支援者の立場としての学びは特性を才能として活かすも不適応で終わらせるも周囲の理解と支援がいかに大切かが感じられました。教育現場においては個別最適な学びがキーワードになっていますが、個別の最適のみを求めると全体最適につながらず、結果個別最適にもつながらない構図になると感じました。それぞれの個と集団をアセスメントし、それぞれの相互作用が最適になるようにするための全体最適を考えた調整が必要だと強く感じさせられました。

天才と呼ばれる人たちにおいても、大成するには天賦の才能だけでは十分ではなく、本人の努力を見抜いて適切なサポートをする人物が必要であり、制約なく活躍できる場所をもうけることも重要なのである。

発達障害という才能 岩波明

支援者として、個人の持ち合わせている個性と環境の相互作用により子供が能力を発揮できるのか?問題児として扱われるのか?大きく変わることを考えさせられました。

技術革新や現代にまで残るアートを残されている方々に対する周囲の理解や支援があったことを知ると環境要因の持つ意味の大きさを感じます。
ただ、彼らがマイノリティーであることは間違いなく、学校教育の中においては集団生活に適応できていないのが、事例からも見て取れました。
いつの時代も学校という枠組みに当てはめようとすると難しい面があると改めて感じました。

しかしながら、家族などが彼らの特性を受け入れて伸び伸びと才能を発揮できる場を提供し見守りを続けていたことによる、好影響は大きいと思われます。

◯個別最適に即した学校対応の事例

落語家の柳家家緑さんの事例も紹介されていました。家緑さんはADHDとディレクシアで小学校の頃から読字の苦手さがあったり、ADHDの特性による学校での不適応の事例が紹介されていました。そのことと合わせて家禄さんに対する教師の対応が個別対応の事例としてとてもうまくいっている内容として紹介されていました。

家緑さんによれば、小学生の頃、授業中に騒いだり勝手なことをしたりするので、先生方も持ち余してクラスをたらい回しにされていた。ところがある女性の先生が、好きなものを与えておけば静かになるだろうと思って『小林君、何が好きなの?』と聞いたら、『話をするのが好きだ』と。するとその先生は、『じゃあ、小林君が話をする時間を作ってあげるから、その代わり先生の話も静かに聞いてね』と言って、"小林盛夫のお話の時間"を作ってくれた。(中略)これがかなり受けたらしく、そのうち他のクラスからも"小林盛夫のお話の時間"の出前が頼まれるようになったのだという。

発達障害という才能 岩波明

子供の長所や興味関心を活かした施策であり、その他の子供たちのニーズにもハマっていたのではないでしょうか?
上記の事例から個に向けてのアセスメントと配慮だけでは部分的な改善にしかならず、全体最適には程遠いと感じます。
やはり、全体最適に近づけるためには個と集団それぞれのアセスメントを経て、特性とニーズを把握した上でそれぞれがうまく相互作用するような場の提供や環境調整が必要だと感じます。

学校での個別最適な指導を進めていくにあたり、所属する集団の特性やニーズも配慮した上での対応が重要だと思いました!

『発達障害という才能』には様々な偉人の事例が記されています。
偉人たちの特性を才能という形で社会に価値を提供できたのは、紛れもなく周囲の理解や支援によるところです。

それらの事例が詰まった一冊です。
オススメです!

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