【読書録44】致知 2022年6月号 「伝承する」感想
総リード「伝承する」
今号の特集は、「伝承する」である。致知発行人・藤尾秀昭氏は、今年創刊44周年を迎える致知が伝承してきたこととして、突き詰めれば「修養」の大事さであると言う。
「修養のないところに人生の繁栄、発展はない。後世に伝承すべき人生の大事である。」として、安岡正篤師の言葉を紹介する。
自分なりの「価値」を出す。仕事とは、自分が関わることによって変化を生み出すこと。それは私が大切にしていることでもある。今回もまた大切な言葉を教わった。
今回は、以下の記事を取り上げたい。
未来の世代に伝えたいこと
鈴木秀子氏と田坂広志氏の対談記事である。
カトリックのシスターとして永年、多くの人達の悩みに寄り添い続けてきた鈴木秀子氏と田坂広志氏の対談。全く異分野で活躍されているお二人であるが、その考え方には、共通点が多い。
大いなるものに導かれている。
2人の考えで共通することとして、「我々の営みは、大いなるものに導かれている」ということを挙げる。
田坂氏は、「祈り」の大切さを唱えるが、それは「願望の祈り」ではなく、「全託の祈り」であるという。
「願望の祈り」は、しばしば「あれほど祈ったのに、願いが聞き入れられなかった」という否定的な想念が生まれてきますが、「全託の祈り」では、「導き給え」と祈った結果、与えられたものは、すべて天の導きと絶対肯定の想念で受け止めるため、否定的な想念は生まれない。
鈴木秀子氏も大好きな詩としてアメリカの「ある無名兵士の詩」をあげ、すべての出来事は、自分が成長するための神様の祝福だったという詩と解説する。
私は、特定の宗教を信じるものではないが、この大いなるものに導かれているという感覚は、共感するとともに大切にしたい考えである。
寺島実郎氏も「宗教と人類」の中で、同じような感慨を述べられていたことは以前、noteで紹介した。
導かれていると言って、努力を怠るのではなく、何事にも全力を尽くすということが大切である。
「人生で起こること、すべて、深い意味がある」との覚悟を持つこと。
私自身振り返ってみても、確かにそういう側面はあるなあと思う。そのように常に意識できること、考えることができることが人生の意味を変えていくであろう。
自己嫌悪は悪いことではない
田坂氏の「自己嫌悪は決して悪いことではありません。こうありたいという理想があるからこそ、現実との格差で苦しむのです。だから、自己嫌悪は成長の糧となるのです」という言葉は今号の中で、一番惹かれた言葉である。
それを受けての「人間はそれほど強いものではない。人間の弱さを含め、すべてを肯定する。」という鈴木秀子氏の考え方にも共感する。
我が子の可能性を信じ切る
寄り添うことの大切さを説き、常にその人の人生を肯定する。特に、子どもを持つ身として以下の言葉は共感する。
逆境こそ成長のチャンス
そして、今の時代を鑑みて、2人の考え方に勇気づけられる。
鈴木秀子氏
田坂広志氏
全力を尽くす
「人生で起こること、すべてに深い意味がある。」と思うことと、すべてをあるがままに任せて修養を怠ることとは、全く異なる。
ベースには、全力を尽くすということがある。
そんな時、致知出版社のfacebookで「絶対に成功しない人の4条件」が紹介されていたのをたまたま目にする。このタイミングというのも何かの導きと思い、自分の戒めにしたい。特に最後の「すぐに不貞腐れる人」というのは、心に刻み込みたい。
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