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本校の物理実験を劇的に変えた3種の神器

高校では実験をやる学校、やらない学校が分かれているのが現状であると思う。私はちなみにやらない教師だった。
やらない理由はいくつかあるが、

実験をやらない その1
大学入試対策に追われて実験よりも小テストや講習・補講を中心に学習指導をしていた。
実験をやらない その2
物理実験は、演示で見せることはするが探究するにはイマイチと感じていた。具体的には、箔検電気など一時間の実験ボリュームにかける欠けるため、演示済ませてしまう。さらに、波動の縦波や横波も教室中央で演示で十分。気柱の共鳴実験も、音がぶつかるためクラスで一つの実験にとどまる。
実験をやらない その3
今まではやっても生徒の反応がなかった。
電流計と電圧計の測定がうまくできない生徒がいたりグラフを書けない生徒がいたり、グラフを書いた後の考察がまったく進まなかったり、結局何やっているのかわからないという生徒が沢山いた。

結局
物理で生徒が自らやるには、物理の定義をしっかり理解した上で、地味な実験の中でデータを集めさせ、さらに解析作業を行うことに、教員は手間と時間を割くことになるが、想像以上に生徒の反応が悪いため、演示で面白いところ教師が上手く見せてあげて終わっているというのが、私なりの解釈である。

そこで私の実験では、
以下の3種の神器を活用して上記の問題を解決した。

神器①デジタルマルチメーター

高校物理において旧式のいわゆる電流計や電圧計を使用することをやめた。そのおかげで、生徒たちは瞬時値を求めることも可能になった。1/10のメモリまで読み取ると言ったことも不要になり、精度は大幅に上昇した。

神器②グループ一台、タブレット導入

使用方法を主に3つ
⑴測定データの入力

これまで通りのレジュメに直接書き込むことは当然行いつつ、スプレッドシートへの入力をさせる。事前に教員側でグラフを自動で生成できるようにしておくことで、グラフが誰でも書けてしまうわけだ。プロットミスも圧倒的に少なくなるし、測定ミスもすぐに気がつき、測定をやり直す班が増えた。
⑵解析させる事が圧倒的に容易
スプレッドシートを活用することで、近似式の計算ができるようになり、解析が容易になった。
電池の内部抵抗などはどの班も成功した。
また、コンデンサーの放電から電流値を積分させることも容易で、一歩踏み込んだ話がしやすくなった。
⑶電子黒板で見えづらいものはタブレットで画面共有させる
Google meetで画面共有させることで、教室後方の生徒は電子黒板を見づらい生徒は班のタブレットで授業に着いてくることができる。
コロナ期間中にGoogle meetを活用してオンライン授業をし続けた甲斐もあり、生徒たちは容易にテレビ会議システムを使いこなすことができている。

神器③電子黒板 ジャムボード

使用方法は主に2つ
⑴情報共有
生徒のタブレットデータを電子黒板で共有する。物理実験の嫌なところは、やってることが果たして正しいのかわからないことである。だから、他の班のデータを積極的に見ることで安心して進むことができる。教員側もできていないところをフォローしやすい。
また、黒板と電子黒板の使い分けとして、
黒板は授業の流れの説明。
電子黒板は、タイムリーに変動するデータの取集に活用
⑵画面共有機能
授業の説明時に、Google meetを活用して、教員のタブレット画面を画面共有することで、生徒の班の様子を、タブレットのカメラやビデオで撮影しながら画面共有することも可能。
さらに、タブレットアプリのノートアプリに準備しておいた画像等に書き込むこともできる。
例えば、ブレッドボードの回路図説明等はやりやすかった。

電子黒板の使用例

最後に

私が思うにこれまでの物理実験は、やるべきことが教師にとってはそれほどでもなくても、生徒にとっては作業が多かったと感じる。そこで、デジタル機器を活用することで、解析部分を手助けし圧倒的に成功率を上げてあげることでモチベーションを高めることができる。つまり、物理実験は失敗が多すぎて楽しめなかったのだと思う。そこを成功体験を増やすことで楽しみたいのだ。

さらに、上記の道具を使うとグループ内での役割が明確になる。
・マルチメーター
・データの紙への書き込み
・タブレット入力
・実験の測定
と最低でも4人の生徒が動き続けることになる。
お互いに指摘し合いながら進めていけるので会話も弾む。

今欲しいのは、理科室にマイクとスピーカーを入れたい。生徒がグループ内で盛り上がった時に、穏やかな声でかつしっかりと生徒たちの耳に届く声で話していきたい。
大学に行くとマイクとスピーカーを導入しているところは多いが高校では少ない。
総合的な授業で、コンピュータルームを活用して授業を行ったことがある。その際、マイクを使って話すと穏やかに話ができた。
なんで理科室にないのかと最近気になっているが来年の導入に向けて動きたい。

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