ある老舗精密機器会社が倒産した裏側⑤

前回の続き。
会社は、倒産し破産管財人の弁護士が付きます。

何度かその弁護士(S弁護士)の
事務所に呼ばれ、いろんな事を聞かれます。

でも、会社や銀行取引については、
何もわからないので答えられない。
詐欺師が、取り仕切っていたので
私は、質問に答えられないのです。

何故こんなになるまで、詐欺師を放って置いたのかと、厳しく言われました。

全くもって、その通りです。

やがて親族Aと私は、社員((詐欺師)の監督責任不十分として、S弁護士から10億5千万円の損害賠償で、訴えられます。

私の自己破産を お願いしている弁護士に、損害賠償の裁判も頼みました。

結果、私は全てS弁護士の訴え通り
10億5千万円の損害賠償をする事になりました。

親族Aは、1千9百万円で和解となり
自宅を売ったお金で決着します。

親族Aは、母の家に移り住み同居を
始めました。

私は、2019年8月に差し押さえされている自宅を退去します。

自己破産の都合で、業者が入り8月に
出て行く様に言われました。

慌てて住む所を探し、生活保護の住宅扶助内の住居に、引っ越しました。

今は、自己破産の手続きや会社の倒産手続き等、まだまだ時間がかかりそうです。

詐欺師が会社にいた時には、和歌山に土地を買い、工場を建てると大手の建築事務所に設計を依頼したり、
兵庫の工場を買うと言ったり、奈良の学校跡地を買うと下見に行かされたり。

社員には、産業用の新製品を
開発させて、費用はどれだけかかっても
大丈夫だからと、振り回し。
私には、銀行や取引先の会合に
行かせたり。

どれだけ会社にお金があるのかと、思いました。
詐欺師は、全て銀行融資を受けて、銀行との繋がりを太くする為だと、言っていました。

融資された金銭は、詐欺師がFXで増やしているので大丈夫と豪語していましたが、実は全てFXで使い果たしていました。
銀行から融資を受けるだけ受けて、
いつの間にか詐欺師は、会社に出て来なくなりました。

防犯カメラには、詐欺師の妻が運転する車で夜中に会社に来て
何をしていたのかはわかりませんが、
しばらくして出て行く姿が、写っていました。

会社は30億円の負債を抱え、銀行からの訴えで倒産してしまいました。

その責任は、全て私が背負う事となり
自己破産するしかない。

S弁護士にもそう言われました。

親族Aと母は、詐欺師の事をまだ信じていて、自己破産なんてしたら損だからするなと言って来ました。

親族Aは、これは私の温情だとすら
メールを寄こして来る始末。

親族Aは、まだ詐欺師と連絡を取り合っていたのです。

詐欺師は逮捕されてからも、親族Aに
手紙を書いて送って来ています。

親族Aは、詐欺師との電話のやり取りを
ノートに残している。
3冊になったと、メールで送って来ました。

詐欺師は、自分はステージ4の癌で、
いつまで頑張れるかわからない。

私の父には、恩があるのでちゃんと恩返しをしなければいけないのだと、
絶えず言っていました。

社員達は、その言葉を信じ開発に頑張り、製品を仕上げました。

詐欺師の知り合いの大手商社に、
販売を委託するとまで言い、
社員に希望を持たせます。

全てデタラメだとは知らず。

挙げ句、給料未払い解雇へと
会社を追われるとも思っていなかったでしょう。

親族Aと母の暴走で
いったい何人の社員や家族の人生を
狂わせてしまったのか。

私も騙されたとは言え、もっと早く
気づくべきでした。

騙された方が悪い。
そう思う人たちは、たくさんいると
思います。

欲が絡めば人間、真実や事実を
見失ってしまうのです。

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