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勝てる戦いしかしない<348/1000>

【ラジオ体操650日目】
『ニコチンレス生活371日目』

こんにちは。
書籍やドラマでは勝ち目がなさそうな戦いに勝ったことが武勇伝のように語られるので、挑戦のハードルが高く見積もられがちだけど、ほとんどの挑戦は負けない戦いであることをあらためて認識したコマリストです。


今日は『井の中の蛙が生き残る』というテーマで書いていきたいと思います。


井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る。


ほとんどの人が知っているであろうこの諺は、中国の思想家である荘子の「秋水篇」に出てくる言葉であり、日本に伝わった時に後半のポジティブワードが追加されたものです。


後半にポジティブな意味を付け加えることで、言葉の本質を変えてしまうあたりは、いかにも日本らしくて素敵ですよね。


今日は、コマリストのような中小零細企業が生き残っていくためには”井の中の蛙”でいることが重要だというお話です。


井戸の中で生きていく姿をリアルに想像すると、貞子しか思い浮かばないんですけどね笑

厳しすぎる現状

例のやつ

昨日の午前中にお会いした水産加工品を扱う会社を経営するN社長から、素敵な話を聞くことが出来ました。


この会社は、地元で獲れた川魚を中心とする水産物を自社で加工して、対象エリアの学校給食としての商品提供や周辺のホテル・土産店に加工食品を販売しています。


平成7年に創業した会社なので、まもなく創業30年。地域の小中学校と地場の観光業を商品で支えてきた中堅企業です。


N社長は、創業当時から取引先となる学校やホテル等が求めている商品を提供するスタイルではなく、学校やホテル等を利用する子供たちや観光客のウォンツを想像し、新しい商品を生み出しては提案するというスタイルで信頼を獲得してきました。
#高付加価値
#winwinwin


大手食品メーカーのように大量の機械を導入して、大量生産による薄利多売でシェアを拡大していくという戦い方は最初からしなかったわけです。
#勝てない戦いはしない


ところが、2年前に大きな経営危機がやってきました。


コロにゃんの感染拡大で、小中学校の学校給食が1か月程度停止し、ホテル等の観光業が壊滅的な被害を受けたんです。


当時、全国的に牛乳が大量に余っているというニュースが流れていたことを覚えている人もいると思います。
#学校給食
#全国の量はすごい


学校給食に商品を提供している会社は、すべからく大打撃を受けた。しかも、別の取引先であるホテルや土産屋さんも同時に被害を受けている状態なので、N社長の会社は1か月以上開店休業状態を強いられたそうです。


そこからの2年間は、これまで提案していた新商品の企画が全て消滅し、パッケージも印刷して生産直前だった商品も流通することなく、すべて損失になるという状態。
#深刻な危機
#さすがに厳しい


”会社を維持できない”


本気でそう考えた時もあったそうです。


それでも、社員を一人も解雇することなく、国からの補助と定番品の売上で何とかしのいでいるうちに、学校給食が回復し、赤字ながらも倒産の危機を逃れます
#首の皮一枚


それでも、今なお、コロにゃんの影響は観光業に暗い影を落としている状態で、ホテル等の取引先に対する出荷量は戻っていないそうです。


ここに、超円安・原油高・電気代の高騰といったコストUPがのしかかっています。


販売価格を上げざるを得ないので、価格を上げた結果、出荷量は減っているのに売上は増えているという状態に。
#利益は
#マイナス状態


こうなると、『売上至上主義』が抜けないお国からの支援を受けられない。


ココがこの会社の現在地なわけですが、この状態をどう生き抜いていくのかという質問をN社長に投げてみました。

生き残るための戦略

蛙くん

さて、今なお厳しい状況に晒されているN社長が、これからどうやって生き残っていこうと考えていると答えたのか。


N社長の答えは、
『徹底的に取引先を絞って、超ニッチな商品で戦う』
というものでした。


食品業界には、”うちのような大手と取引したいでしょ?”と聞いてくる大手食品卸業者がたくさんいらっしゃるみたいです。
#性格が悪い


それでも、経営が厳しい中小食品加工会社は、こういった大手食品卸業者の提示してくる厳しい条件を飲んで、売上を確保しないと生きていけないというのが現実。
#ドラマの世界みたい
#現実です


ところが、N社長はこういった大手食品卸業者との取引を全てお断りするそうです。


『自社の大切な社員が、酷使されるのは違う』


無理して受注した仕事をこなすために、社員に無理をさせるくらいなら、その仕事を断ってでも、付加価値の高い仕事を受けてくれる取引先とだけ仕事をする。


厳しい状況だからこそ、創業時からずっと貫いてきたこの姿勢を、理解してくれている取引先とだけ付き合うという選択をする。


理想的ですが、なかなかできる決断ではありません。


その上で、他社が絶対にやりたがらないような”手間がかかる商品”にフォーカスして、付加価値の高い商品を高い金額で取引する。
#カッコいい
#理想を貫く姿勢


取引先も商品も徹底的に絞り込んで、小さな土俵の中だけで勝ちに行く。


『我々のような中小零細企業は、絶対に勝てる戦いしかしてはいけない。価格で戦わなければいけないような土俵にははなから上がらないんだ。』


N社長の言葉からは、絶対に生き残るという決意と社員を守るという愛情を感じました。


井の中の蛙大海を知らず。されど空の青さを知る。


まさしく、この言葉を自社の生き残り戦略として掲げている素敵な会社さんでした。


井戸の中なら、外敵と戦わなくていいですからね。


コロにゃんが終わろうとしている今、これから企業の倒産が一気に増えると言われています。


これからの時代をどう生き残っていくのか。ここで各企業の色が出てくるんだろうなと思います。


あなたは、どんな会社で仕事をしていきますか?
今一度、考えてみて下さい。

じゃ、またね~!

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