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数字に潜む罠

【ラジオ体操223日目】

こんばんは。
仕事となると、かなりドライな部分があるので、寄り添っているような言葉をかけながらも、相手の言っていることを疑うことから始めてしまう天邪鬼コマリストです。


今日は『事実と解釈』というテーマで書いていきたいと思います。


仕事をしていると、測定可能な数字を求められる機会って多いですよね。


売上だったり、商談件数だったり、訪問件数だったり、PVだったり、サイクルタイムだったり、、


色んな数字が飛び交っていますが、これらの数字は嘘をつかないと言われることありませんか?


実は、この「数字は嘘をつかない」という言葉。半分は正解だけど、半分は不正解だと思っているんです。


今日は、仕事で扱う色んな数字について、知っておいた方が良いことについてのお話です。


特に、相手から伝えられる数字に悩まされているという方は、参考にしてみて下さいね。

嘘と真実

では早速ですが、具体的な事例から「数字」の中に隠れている嘘と真実について考えてみます。


私がよく相談を受ける内容の中に、
”売上をアップしたい”というものがあります。


これ、かなり多いパターンなんですが、この話をされる方には必ず、具体的な数字を確認するようにしているんです。


実際によくあるやりとりがこんな感じです。

+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

相談者
「コロナの影響で売上が落ちていて、何とか売り上げアップしたいんです」


コマ
「そうなんですね。具体的にどのくらい落ちているんですか?」


相談者
「例年と比べると1割くらいですね。今年はオリンピックイヤーなので、増収増益を目標に活動してきたんですが。」


コマ
「なるほど。どのくらい売上を上げたいんですか?」


相談者
「昨年は8億だったので、10億を達成したいと思っています。」

+-+-+-+-+-+-+-+-+-+-

この後、具体的に営業スタイルだったり、取引先の層だったり、売上のウエイトだったり、販促費にどの程度かけているのかだったり、諸々確認をしつつ、課題の発見とアクションプランの策定を進めていく作業に入っていきますが、ここは省略します。


さて、このやりとりには具体的な数字が出てきています。


①例年比較1割減
②昨年売上8億
③売上目標10億


これらの数字は事実だと思いますが、会話の流れだけを追っていると、見逃してしまいがちなポイントが隠れているんです。

事実と解釈を見極めろ!

先ほどのやり取り、何を見逃してしまいがちになるのか?


この相談者さんとのやり取りだけを読むと、
売上が1割落ちた→厳しい状況
目標未達→厳しい状況


このように捉えてしまいそうになりますよね。
実際、この相談者さんも数字だけを見てこのような”解釈”をして相談をスタートしています。


では、売上1割減という事実について、以下の情報を付け加えたらどう感じますか?


(追加条件)
同業他社は、コロナの影響で売上が5~8割落ちている。


はい。そういうことです。
同業他社が大幅に売り上げを落としている中で、相談者さんの会社は1割減にとどまっている。


実はこれが、解釈ではなく「事実」だったんです。


ということは、他社が落ちている中で踏みとどまれている理由を明確にして、その点を訴求していくことで、前向きな打ち手をとることができますよね。


数字だけを見ると、その数字自体は真実であっても、数字を見る人の「解釈」が加わった瞬間に、真逆の意味を持つものになったりする。


仕事において、これをしっかり把握しておかないと、数字という事実だけをストレートに捉えてもらえず、余計なマイナスの評価を受けることがあり得るんです。


「例年と比較して1割落ちているから厳しい。」


これを事実と解釈を分けてみると、


事実
(自社の)例年の売上と比較して1割落ちている。

解釈
(相談者は)高い目標を掲げていたからこそ自社の売上と比較して、厳しいと解釈している。


こんな感じです。
今回は具体的な相談内容を分解してみましたが、実際の皆さんの職場でも「数字」と「解釈」が入り乱れている状態が起きていると思います。


数字を伝える時や、逆に数字を受取る時には、それが事実なのか解釈を含んでいるのかをしっかり見極める癖をつけておきましょう。

じゃ、またね!


(おまけ)

本日生産する製品は、A・B・C・Dの4製品です。普段の作業時間を考慮すると、若干厳しいかもしれませんが、定時に帰れるように協力して下さい。


こんな指示、出してたり受け取っていたりしませんか?

これを分解すると、

【事実】
・4製品を生産する
・平均作業時間では定時内に終わらない

【解釈】
・平均作業時間を考えると、時間的には厳しい
・社員が協力すれば定時内に完了可能


指示を出す側が、厳しいと分かっていながらも、期待と責任を社員に課している状態だということが分かりますよね。


受け取る側の社員であれば、
”日常的な作業の中から何を削り、何を効率化するのか”
という前向きな視点で捉える人もいると思います。


”まーた、無理なこと言ってるわ~。まぁ、残れる人が残ってやってくんでしょ~”と後ろ向きに捉える人もいると思います。


自分が受ける側なら、どちらの視点でこの指示を捉えるのかは考えてみてほしいですし、指示を出す側なら、どう指示を出したら社員が前向きに捉えて、定時までに完了してくれるかを考えてみてほしいです。


ヒントは【優先順位】です。

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