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デザインノートNo.89 吉田ユニ特集を読んで

最近買った本に、デザインノートという雑誌があります。少し前から、デザインやアートにとても関心が湧いてきて、本屋に行ったときにはそういった分野の本をつい手にしてしまいます。(最近はコロナの影響もあり、あまり外でぶらつきませんが)

美術館や個展などにも出かけることもあります。作品を見るたびに新しい発見があり、新鮮な気分になります。また自分の視野の狭さをいつも痛感しています。でも、それが楽しくてつい足を運んでしまうんです。

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本書では、アートディレクターの吉田ユニさんが特集されています。長澤まさみさん、夏帆さん、渡辺直美さんなど、多くの芸能人の広告ディレクションやアートワークを手掛けられている女性です。

中には吉田ユニさんの数多くの作品が掲載されいて、見ていて心が踊りました。なんでこんな表現ができるのだろう、とワクワクしながら読み進めてしまいました。そして冒頭インタビューに綴られていた内容で、印象に残っている言葉があります。

「ディテールを突き詰めることが何よりも重要だった」

細かいところまでこだわり抜く、妥協しない今のスタイルに通じているのでしょう。小さい頃に買ってもらった顕微鏡に対して喜びを爆発させ、あらゆるもの(ほこりとか)を観察していたエピソードからも、モノがどんな構造をしているのかを分析し、特徴をよく捉えることができることができるんだと思いました。

「お題や制約のある広告にはクイズのような楽しさがあるんです」

与えられたテーマに対して、このような考え方をしたことがありませんでした。”クイズ”という単語を選んだあたり、楽しんで作品作りをしていることが窺えますね。

「言われた通りにつくったもの、言われたものを少しアレンジしたもの、自分がいいと思うものを3種類くらい用意するようにしていたんです」

ユニさんが大貫デザイン事務所というところで仕事をしていたときのこと。こういう感じで作ってみて、と言われたことに対して、ただそれだけを作るのではなく、自分なりに考えたものを作っていたそう。この考え方はシンプルに真似しようと思いました。ただ言われたことだけをするだけではなく、自分なりの個性を反映させたものも作ってみる。最初はうまくいかなくても、それが経験になって、自分の良さが出てくる作品につながる。これが自分らしさなのかな、と思いました。

そういえばキングコングの西野亮廣さんも、自分に対して何か提案してくるときに、ただ言われたことだけではなく、自分なりにアレンジしたものを作ってくる人の方がいいよ、と言っていたのを思い出しました。

「言われたとおりにやるのではなく、クライアントの理想に近づく色をつけて返すが鉄則」

これはキングコングの西野さんの言葉です。相手のことを考えて作っていくことが、いかに大切かを感じる言葉です。

自分のなかで特に印象に残った言葉を載せました。どの部分に惹かれるのか、それは人それぞれだと思います。そのときの自分の価値観、考え方で変わるのでしょう。

自分にとってはとても価値のある本です。手にしたのは偶然でしたが、本書との出会いに感謝です。


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