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ロサンゼルス

ロサンゼルスのリトル・トーキョー(日本人街)にある図書館。この図書館は日本人が多く「あのー?」とか「それは...」などの聞き慣れた言葉が響きます。でも、思いっきり日本人だと思って、日本語で話しかけた従業員のおばさんは韓国人で、「漢字、ダメ!」と言われました。

ここの図書館はかなり快適です。パソコンを持っていけば、ワイヤレスでネットができるし、日本の漫画も読めます。ここで、マイアミで出会ったイスラエル人のバイブルコミック「AKIRA」を読みます。

3日前の早朝、ロサンゼルスに到着した僕はバス停近くのマクドナルドに向かいます。そこのマクドナルドは「30分以上の滞在はお断り」と書いてありました。「時間つぶしできるのが、最大の魅力なのに。ほら、スマイル、スマイル」と、思っていた僕にはかなりショックでした。当然、スマイルもくれず、近くにいたホームレスみたいなおじさんは居眠りしていて、何回も怒られていました。朝マックをいただき、ガイドブックの地図を見ると安宿まで3キロほどでした。3キロならと、徒歩で移動してみることにします。

ただ、撮影機材や三脚、パソコンが入っているバックパックはかなり重く、気温は涼しいのに背中だけ汗が吹き出ます。しばらく歩いていると、周囲から臭いにおいがしてきました。バスの移動中3日間、シャワーも浴びず、着替えもしてない僕でも臭いと気付きます。

よく見ると、ストリートにはたくさんの浮浪者で埋め尽くされてました。ほとんどが黒人ばかりです。「まずいな、これは」と思い、早歩きになりますが、なかなか、この黒人の群れは消えません。途中で長蛇の列を作っていると思ったら、食べ物の配給で並んでいました。

写真におさめたかったけど、確実に危険信号が出ているので、やめておきます。なぜなら、数十人の黒人がずっとこっちを見ています。「カモがネギを背負ってくる」というのは、こういうことなんだろうなと実感しました。

「間違いなく、このストリートは危なかったな」と思いつつ、「でも、思いっきり目の前で下層階級の現実が見れたな」とも思いました。とりあえず、現実は臭かったです。バックパックの重さも忘れて、このストリートをひたすら早歩きで通り抜けます。なので、安宿を発見した時はかなりホッとしました。ホッとして、バックパックが急に重くなりました。

この宿は日本人が管理人で、宿泊者も日本人ばかり。そこの管理人のおばさんにさっきまで歩いていたストリートのことを聞くと、かなり危ない所だったようで「無事でよかったわね」と言われました。

たぶん、ポジティブに考えると運がよかったんだろうな。何もされていないし、生きているし。部屋に戻って、ひさしぶりにシャワーを浴びて、リトル・トーキョーを散歩して、日本食を食べてビール飲んだら、すぐに爆睡です。そんな感じで日々をが過ごし、気付けば、図書館で漫画「AKIRA」を読んでいました。

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