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パナマ

世界の十字路と呼ばれるパナマの首都パナマ・シティ。ここは、南北アメリカ大陸をつなぐ陸地で最も狭まった場所だったので、1914年に人類史上最大の土木工事でパナマ運河を作りました。要するに「船でアメリカ大陸を超えるには、北極の方か南極の方にでも回らなければ行けなかったけど、大陸を掘って掘って掘りまくって、船も通れる河を作り、遠回りしないでここから大丈夫だよ」ということをしました。

パナマ・シティに到着して、新市街にある安宿を探しまわりましたが、セマナ・サンタ(復活祭)の影響で、どこも満員でした。旧市街に行けば、何件か安宿があるらしいけど、治安が良くない。全ての宿で「フル」と言われ、路頭に迷っていると、最初に聞いた安宿のスタッフが「まだ、他にも宿があったよ!」と言って、わざわざ追いかけて来てくれました。

サモ・ハン・キンポー(ジャッキー・チェン映画にお馴染みの動けるデブッチョ)みたいな体と顔と髪型の彼がしゃべるスペイン語は全然分からないけれど、とりあえずついていってみます。もう、選択権はこちらにないのだから。

パナマのキンポー(パナキンと呼んでました)に連れられ、最初に行った安宿へ戻ってみると、そこには明るい感じのおばさんが「もう一つ宿を作ったのだけれど、まだ準備中なのでベットがないけど1日US6ドルで泊まっていい」と、言ってくれました。ここら辺の安宿の相場がUS10ドルぐらいなので、かなり安いです。なので、おばさんについていってみます。だって、宿はそこしかないのだから。

おばさんの車に乗車して10分ほどで着いた宿は、立派な高級マンションでした。日本だったら、1、2億は間違いなさそうです。部屋の数は6個あり、そのほとんどの部屋にバスルームも常備されています。鬼ごっこしたら、かなり楽しそうな場所です。ただ、本当にモノが何もなく、玄関の近くには段ボールが山積みで、最近、購入したようでした。

おばさんと話してみると、さきほどの安宿のオーナーでもあり、このマンションも近々ちゃんとした宿にするらしく、宿泊するのなら今日中にベットも用意してくれるそうです。

宿泊すると言い、そのあと、またおばさんの車に乗ってスーパーに行きます。部屋の合鍵を作るからと言っていたけど、おばさんはあの宿に必要そうな物を片っ端からカートに入れています。

最初は「わざわざ、買ってくれているんだ」と、申し訳なかったけど、量が半端ではないので、途中からは「これは荷物持ちなんだな」と、考えがシフトします。おばさんもさすがボスだけあって、人を使うのがうまいです。「コレとコレは別にしておいてね」「食器は新聞紙に包んでちょうだい」と、的確に指示してきます。そして、僕は人に使われるのが結構うまいものだから、需要と供給が一致してしまいます。なんか、パナマの親戚のおばさんの家に泊まりにきて、手伝いさせられてる感じでした。

久しぶりに働いたというか、働かされた感じで宿に戻ってきた時には、かなりクタクタです。でも、さすがやり手のおばさん。そんな様子を見て「今日は働いてくれたから、一泊US2ドルでいいわ」と言ってくれます。アメとムチの使い分けがうますぎます。部屋にはベットまではいかないけど、マットレスも敷いてくれました。気づくと、パナマの1日が過ぎていました。

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