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ロシア

モンゴルのウランバートルからロシアのモスクワまで、シベリア鉄道で4泊5日乗っていました。走行距離が6300kmでだいたい地球の半径をひたすら走っています。なので、ロシアには行ってきたというより通ってきたという感じに近いです。

僕が取得したビザは「通過ビザ」で、ウランバートルからモスクワまで途中下車も許されず、モスクワに着いた次の日までに、ロシアを出国しなければいけないノーウェルカムなビザでした。そんなビザを取得するのも割と面倒です。

モンゴルにあるロシア大使館のビザ受付は1日1時間しか開いていなく、時間になるとみんな走り込んで並びます。そこの大使館従業員は10分ほど平気で遅刻してきて、受付の一時間を過ぎると「明日、来い!」と言って強制的に終了します。3日も並んでまだビザをとれないドイツ人は大使館を出た後「ファック!ロシア!」と言っていました。

列車に乗っている間は基本的に暇です。暇なので列車が停止するたびに外の風景を見ていると、この列車に乗ってるモンゴル人がロシア人にシャツやジーンズなどの衣服を売っています。ロシア人もたくさんの賑わいで買いにきています。

売っているモンゴル人に「ロシアは物資が足りないの?」と聞くと「モスクワなどの都市に出れば、いろいろあるけど、そこまでにいくのに彼らは2〜3日かかってしまう。だから俺らが売っているんだよ」と、お札をペラペラ数えているモンゴル商人。帰りもまた売るらしく、往復10日間の商売で地球一周することになります。スケールはでかいけど、全然うらやましくないです。

一回、ロシア人の若い兄ちゃんがモンゴル人のお姉ちゃんから、商品を無理矢理奪おうとしたら、隣の朝青龍みたいな男に思いっきりぶん殴られていました。そんなに物資が足りないのならと、僕も靴下とトランクスを列車の窓から売ってみました。おじさんが見に来てくれたけど、やっぱり買いませんでした。しみでも付いていたかな。

モスクワに着いたら、すぐに隣の国エストニアまでのチケットを買いに行きます。次の日までにはロシアを抜けなきゃいけないし、なにより罰則が怖い。

すぐに寝台車のチケットも購入して、落ち着いたので駅のキオスクでビールを飲みます。シベリア鉄道に乗っている間はお酒を断っていたので、ビールがマジでうまいです。寝台車の中でも、陽気なロシア人のおじさんにビールをおごってもらいグビグビ飲んで床につきます。次の日の朝、電車の中で目を覚ますと初めてのヨーロッパ圏に。さよなら、アジア。

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