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ブルガリア

夜行バスで、サラエボからブルガリアの首都ソフィアに到着しました。安宿を探そうとしましたが、全身にものすごいかゆみが襲ってきて、歩けなくなります。一度、皮膚をかいてしまうと、もうかゆさが止まりません。言葉にすると「かゆい!かゆい!かゆい!かいー!」と、虫除けのCMみたいになりますが、当時はかなり必死でした。かゆみ止めもないのでタイガーバームを塗りまくり、スースーさせて、とりあえずごまかします。

安宿に着いて「これはヘンな虫が僕の服についてるに違いない」と思い、シャワーでいつも以上に体を洗い流します。洗濯物も全て洗います。バックパックにも防虫スプレーをかけまくります。それでもかゆみは止まらず、宿のスタッフに病院を紹介してもらいます。体感としては、自分の皮膚を全て取り替えたい気分です。旅の時に実感しましたが、暑さや寒さよりも、臭いやかゆみの方が耐えられないです。

この宿のスタッフが病院まで一緒に来てくれたので、診察はスムーズでした。担当の医者はブルガリア語しか話さないので、本当に助かりました。診察の結果は肉アレルギーと言われます。

肉なんて海外に来てから半年以上ほとんど食べてきたのに、なんで今更。。ただ、注射を打って、薬を飲んだら、かゆみはあっという間に消えたから、よしとします。

ソフィアは首都だけど、観光名所もあまりないのでほぼ宿にいました。宿泊していた宿はとても快適です。本館、別館と別れており、別館の方は午前中にスタッフがお金を集金するぐらいで、あとは放置プレイ。また別館の方は、ほとんどが日本人ばかりで「ネットフリー、テレビ見放題、キッチン付き」で、清潔な上に一日5ドルほどでした。別館の方に泊まっていた僕は、そこで勝手きままに過ごしていました。

そこで仲良くなった日本人とストリップに行きました。ストリップでは「さっき、産まれたのかな?」という姿の女性がポールダンスしていました。最初は「おおっ」「あぁ」「へぇ」と関心してましたが、慣れてくるとだんだんお店の中で服を着ているスタッフのお姉さんのほうが、いやらしく見えてくるので不思議です。

そこの支配人のおばさんが僕と一緒に来た、なぜかいつも韓国人に間違えられる日本人男性のアキさんに女の子を買わないかと聞いていたら、アキさんがいきなりキレたのでお店を出てきました。数日、一緒にいたけど、アキさんのキレどころがよくわからなかったです。帰り道、売春婦の子にも何か言われて、またキレてました。キレてる姿も韓国人にしか見えません。

そのアキさん(ほぼ韓国人)とケン(ほぼギャル男)と大ちゃん(ほぼ大学生)の4人でよく駅前のカジノに行っていました。そこのカジノでは夕飯時になると無料で、ご飯や飲み物やタバコまでもらえたのでよく利用していました。

ただ、ご飯を食べて、タバコもらって、一日5ドルぐらいカジノで負けてを3日間ぐらい続けていたら、ブラックリストに載ってしまい、出入り禁止になりました。アキさんだけは、毎日何十ドルもしっかりと負けていたから立派なお客さんだったのに。

宿では夜中にロビーのテレビから、アダルト番組がおもむろに始まります。最初は「こっちでもギルガメッシュやっているんだ」と、好奇心をあらわにしていましたが、3日も見ているとかなりどうでもよくなってきます。どうでもよくなってくるんだけど、みんな夜中にはウダウダとテレビの前に集まってきます。

宿に30代半ばぐらいのお姉さん(というかお母さんみたいな人)が、アフリカの方に行っていたので、ロビーで僕と大学生の大ちゃんで話を聞いていました。真面目そうな人だけど、話をするときになぜか自分の短い前髪をクルクルと手でいじるのが、気になりました。そんな時に誰かがテレビをアダルト番組にかえて、ロビーを出ていきます。

僕「へえー。アフリカではそんなものを、食べてたんですか?」

AV女優『オー!イエー!』

前髪姉さん「そうね、アフリカでは食べるものがなかったからね」

大ちゃん「どこらへんの宿に泊まってたんですか?」

AV女優『カモン、カモン!ウップス』

AV男優『ファック、ファック!!』

前髪姉さん「だいたい、現地の人に聞けばわかるわよ」

みんな気付いているのに、気付かないふりをして、とんでもない空気が流れていました。大人になるとは、こういうことなのかなとも思いました。そんな修学旅行気分を味わえる宿だったので、出て行く時はかなり寂しかったです。

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