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留学中に遭遇した❝価値観の差❞に触れる名言集

「留学すると人生変わる」なんて言葉をよく耳にしたり目にしたりしました。否定はしませんが、実際に留学を終えたわたしが胸を張って言えることとしては「人生が変わる」んじゃなくて「留学することで価値観や考え方が異なる環境に身を置ける」んだなと。それを「人生変わる」まで持って行くか否かは本人次第だし、留学して人生を変えることが成功とか正解とかはありませんよね。

わたしは帰国子女ですが、両親はド日本人・日本人学校で育ったので「普通の」日本人です。京都生まれなので本音や建前がわかるし、遠慮とか謙遜とかするし、団体の中で自分の意見を大きな声で貫き通すことはあまりしません。

そのため、留学してはじめて気付くんです。

外国人の友達が増えれば増えるほど、些細な価値観さえ異なることがよくわかるし、一緒に生活するのは大変だなと…。ただ、友達なのでそれが嫌じゃなくなる!留学中は総じて楽しく、人生で最高に青春してました。

留学中、後述する世界各国の友達がくれた言葉に刺激を受けたわたしは、わずかではあれ価値観が変わり多様性を受け入れる日本人になれました。日本社会特有の息詰まりを感じる機会が減り、自分の人生を楽しめる大人になれたんです。

iPhoneにメモしたままの友達の名言・たまに迷言、このnoteを読んでくれる誰かの世界に少しだけ風を送り込んでくれることを願って、エピソードと共に書き留めます。

日本に対するステレオタイプ編

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❝日本は自然が守ってくれてるんだよ❞
これは後に親友となるスイス人女性に言われました。「山と海があるし、四季があるし、島国だし、最高の国なんだよ」確かにスイスには海がありません。彼女に言われてハッとしたのが「海が国境だと不法入国が少なかったり、隣国の揉め事に巻き込まれなかったり、日本にはメリットがたくさんあるよ。スイスは永世中立を名乗ってるけど、課題は山積み!」この話です。突き詰めるとこれは地政学とかの分野になってくるのかな。
そのため今回コロナ禍で、すぐに国境を封鎖せず、旧正月シーズンに中国人をたんまり受け入れた日本政府をヨーロッパ諸国の友達には批判されました。海の国境を無駄にするな!と。せやな…。

❝日本は生みの苦労を知る国よ❞
これ意識高めでポカーンとしたんですけど、わたしの鞄の中にあったルイ・ヴィトンの財布とクロエのポーチを見たフランス人女性に言われた言葉です。「生みの苦労を知る」の真意は、コピー商品を平気でガンガン売ってる某隣国や東南アジアの国とは違って…と褒めてくれてたのです。
パリでヴィトンやシャネルの店舗に日本人がたくさん居ることを、彼女は嬉しく思ってくれてました。帰国後はファッション誌の編集社に就職したと言ってたので、外国人の持ち物が気になったのかな。

❝日本人はグループにひとりは必要な存在❞
これはスペイン人男性に言われました。「日本人は物静かな分、忍耐強くて空気が読めるしね」と話してくれた彼は芸人ばりに延々と喋りまくってたので余計に、自然と聞く側に回れる日本人のありがたみを感じたんだとか。
ただ、英語で話すのが苦手な日本人ほど聞く側に回ってしまってるのであれば、そこは改善の余地ありやな…。

宗教ゴリ推し編

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無宗教なんて人間であることの意味を失ってる
これは同じシェアハウスに居たトルコ人男性に言われました。イスラム教徒になれと毎週言われてたんです。わたしは豚肉が好物なのでムスリムは無理だ、と断りましたが、豚肉が不浄なモノの説明とかアッラーの偉大さを説明してくれました。ここまで何かを強く信仰してること自体には憧れさえ感じましたけどね。

日本はキリスト教だよね?
これは後に親友となるフランス人女性に言われました。確かに日本はハロウィンとかクリスマスを盛大に祝うけれど、仏教や神道の行事だってするんだよ、と説明したところ、彼女は混乱してました。平仮名・カタカナ・漢字があることを知ってる彼女には「日本はミックスするのが流行り…?」と言われました。返す言葉がありません。

ユダヤ教こそ高貴な宗教だ!
これは同じクラスでたちまち授業に来なくなったフランス人男性に言われました。わたしは無宗教やねん!日本では無宗教かて普通やねん!と話して断りましたが、断り続けるわたしに彼は「君はなんて残念な日本人なんだ!僕のアドバイスの価値がわかる日が来るはずだ…」と言ってくれました。

LGBTQを考える編

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❝愛する友達にプレゼントを贈るのは当然のことだよ❞
これはフランス人男性の友達がブレスレットをくれた日に言ってくれた言葉です。たまたま訪れたショップで素敵なブレスレットを見付けたんだ!と、自分とオソロイのブレスレットをプレゼントしてくれたのです。え?プリンスなんですか?と衝撃を受けたし、イケメンで優しくてなぜか女心がわかる彼に最初わたしは惚れました。
しかし数ヶ月後、彼がゲイであることが発覚して、この恋は諦めました。
なるほど、女心がわかる理由はこれか。とは言え愛する友達には、性別関係なくプレゼントを贈るその精神は尊敬します。

❝恋愛を諦めるのは不幸だ。君は簡単に普通の恋愛が出来るのに!❞
これはスペイン人男性のゲイの友達に言われました。恋愛を諦めて留学に来たと話すわたしに彼がかけてくれた言葉です。同性愛者の彼は自分はマイノリティだと話し、自分が惚れた男性が、まず男性を恋愛対象として見てくれる人なのか悩んでしまって不安になるんだと。なので、気になる異性にはすぐ行動して親しくなるんだ!時間は有限だよ!と応援してくれました。
これは帰国後の婚活で実践してみましたが、日本の男性には単なるグイグイ来るヤバイ女に見えてたのではと反省中。

❝沈黙は拒否を表すんですよ❞
これは日本人女性の友達の言葉です。彼女は自分がトランスジェンダーな気がすると話してくれました。それを家族や周りの友達に伝えたけれど、その人々は返す言葉がなく沈黙されたとのこと。日々に違和感を覚え始め、たちまち日本で生活するのが苦しくなり、永住権の獲得を目指してオーストラリアに来たのだと。「否定されたわけじゃありませんけど、数ヶ月に渡る沈黙となるとイコール拒否を表すんですよね」と話した彼女、今はオーストラリアでパートナーを得て楽しく仕事に励んでます。

友情と恋愛編

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風邪なの?連絡してよ!友達なのに黙ってるなんて!❞
風邪で何日か学校を休み、完治して登校した日にスペイン人女性の友達に言われた一言です。「家まで行くのに!」と言われたわたしは「なんでよ、風邪移すやん!家には呼ばれへんよ」と返したのですが、「ツライ時こそ友達が食料を届けたり面倒を見るのは当然でしょ!次に体調を壊した時は必ず連絡すること!」と返されました。え、そんな…と遠慮しまくるわたしでしたが、それを見た友達はみんな「友達を頼れ」と言ってくれました。
普段は待ち合わせ時間に平気で遅れるヨーロピアンやブラジル人の友達でしたが、悲しみやしんどさを分け合える素敵な関係になりました。

❝オンタイムで教室に居るのは僕と君だけ。さすが同盟を組んだ仲だ!❞
これはドイツ人男性の友達に言われた、名言じゃなくて迷言です。同盟とは世界大戦のことで「イタリアは?」と尋ねましたが「彼等は平気で授業に遅れてくるルーズな人達だ。そりゃ同盟組んで失敗するわけだよ」と歴史混じりのネタで皮肉ってました。せやけど「同盟」て…何年前の話やねん!
語学学校には半年通ったんですが、本当にオンタイムで教室に居るのは日本人とドイツ人でした。次点はスイス人と韓国人、スペイン人やブラジル人はコーヒーを片手に数分遅れて来るのがデフォルトでした。全員ではありませんけどね。時間に対する感覚が異なるんだなぁ。

❝僕の場合は日本が好きだよ❞
これに関しては闇が深めです。笑
留学中に付き合ってた韓国人の彼氏がよく言ってた言葉です。先述した通りわたしはフランス人の友達に惚れたんですが、彼はゲイだったので女性は恋愛対象ではなかったんです。それで恋愛沙汰はなく学校生活を送ってたんですが、最後の3ヶ月ほどである人物が現れます。毎日連絡してくる、学校ではクラスまで来る、ジュースを買って差し入れしてくれる、謎に花束を渡してくれる…と、どんどんエスカレートするアプローチをしてくれた韓国人が居ました。国籍問わず人気がある、愛嬌満点の男性で、見た目はBTSのジンくん系(よく考えればイケメン)の彼の積極性に折れて付き合ったんですが、本当に人柄が素敵で最後はわたしの方が惚れてた気がします。
ただ、彼とは何度か日韓のネガティブな話題に関して話したことがあり、その際しきりに「僕の場合は」を文頭に付けて回答してくれてたことが印象深くて。その違和感を忘れてわたしは彼と付き合ってたんですが、この「僕の場合は」の意味を知ることになるのは別れの日でした。
彼の方が先に帰国するとなった際に遠距離恋愛の話を出すと、君とはここで別れなきゃ、と言われたんです。え?と数分間は普通に思考停止しました…。理由を聞くと、何度か尋ねてやっと答えてくれたんです。
「僕は日本や日本人が本当に好きだけど、両親と祖父母は反日なんだ。君と結婚できる未来はなくて、それなのに交際を続けるのは不幸になるだけだ」と。黙っててごめん、と言われました。彼とは泣く泣く別れました。その後はハングルを見るだけで胸が痛んだし韓国を避ける日々でしたが、数年が過ぎた今は毎日BTSを聴く日々なので問題ありません!

❝ゴミのために泣くのは今日が最後よ!❞
その彼と別れて悲しんでるわたしを励ましてくれたクラスメイトのガールズ。Taylor Swift のこの歌をみんなで歌ってくれました。彼のことは忘れるのよ!と、わたしがまだ好きな彼のことを容赦なく「ゴミ」と称して、一緒になって怒ったり悲しんだりしてくれたんです。そんな強くてクレイジーな友達が尊くて、恋愛するより逆に青春を謳歌しました。この日以来、彼のことで泣くことは本当にありませんでした!この歌は失恋したすべての女性の味方になれる気がしてるんやで。

まだまだ名言・迷言はありました。笑

今回はとりあえず、日本では言われたことなかった!と感じた言葉を集めました。文字にして書き出すとシンプルになるんですが、本当はそれぞれの言葉に外国人の友達の大袈裟な抑揚とかジェスチャーがあるんですよ…それを文字で伝えるスキルがなくて申し訳ありません…!

価値観やジェンダーに対する考え方が離れれば離れるほど、新鮮ですよね。なんだか自分に見えてる世界が、どれだけ狭くて刺激が少なかったのか痛感する機会になりました。

こんな言葉に触れると、すこし自分の世界が変わる気がしませんか?

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頂戴したサポートは一番の出費である食費にありがたく充てます。主に豆腐とか。感謝申し上げます!₍₍ (ง ˙ω˙)ว ⁾⁾~♡